オリンピックや万博、皇室の記念行事などで発行される記念硬貨。特別なデザインや素材で作られており、コレクションとしても人気のある分野です。
そんな記念硬貨について、
「記念硬貨は高く買い取ってもらえる?」
「記念硬貨で価値が高い種類は?」
といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな疑問にお答えすべく、記念硬貨の価値について詳しくまとめました。種類別の特徴や気になる買取相場、そして高く評価されやすい記念硬貨についても触れて解説します。
お手元の記念硬貨の価値を知りたい方はもちろん、これから記念硬貨について知りたい方も、ぜひ参考にしてください。
記念硬貨って何?
まずは、どういった硬貨が「記念硬貨」とされるのか解説いたします。
記念硬貨の価値が高い理由についても見ていきましょう。
記念硬貨とは
記念硬貨とは、国全体が関わる大きな出来事やイベントなどを記念して発行される硬貨です。オリンピックや皇室の御慶事など、全国民の注目する国際的な行事が対象となります。
図案や素材はさまざまあり、記念する事柄を象徴するデザインが採用され、銀や金、プラチナなど高価な素材でつくられることがほとんどです。
また、昨今の記念硬貨はプルーフ加工されるものもあり、鮮明で美しい仕上がりからコレクターズアイテムとしても注目されています。
▼プルーフ硬貨について詳しくはこちら
→プルーフ硬貨とは?見分け方や価値、種類を紹介!高額買取してもらうには?
記念硬貨の価値が高い理由
・発行枚数が限定的である
・素材の価値が高い
・人気がある
記念硬貨に高い価値が認められている理由は、主に上記の3つです。
通常の流通用硬貨と違い、記念硬貨は限られた枚数しか発行されないため、希少性が高くなっています。また、高純度の金や銀などで使用されることから、素材が高く評価されることも特徴です。
そして、記念硬貨は国民が注目する国家的祭事などを記念して作られるため、コレクターはもちろん、幅広い層の人々から需要が見込まれるでしょう。
希少性や素材、需要の高さから、記念硬貨は額面以上の価値が期待できる硬貨として取引されています。
日本で発行された記念硬貨の価値を種類別に紹介
・1964年東京オリンピック記念硬貨
・昭和天皇陛下御在位60年記念硬貨
・長野オリンピック記念硬貨
・2025年大阪・関西万博記念硬貨
・東京2020競技大会記念貨幣
・地方自治法施行60周年記念硬貨
日本で発行された記念硬貨のなかから、注目度が高い6種類を選定しました。
それぞれの特徴や買取相場などを解説いたします。
1964年東京オリンピック記念硬貨
▼1,000円銀貨
素材:銀92.5%/銅7.5%
直径:35mm
重さ:20g
▼100円銀貨
素材:銀60%/銅30%/亜鉛10%
直径:22.6mm
重さ:4.8g
「1964年東京オリンピック記念硬貨」は、1964年に日本で初めて開催されたオリンピック「東京オリンピック」を記念して1,000円銀貨と100円銀貨の2種類が発行されました。
日本初の記念硬貨としても名高く、現在でも需要が高い記念硬貨のひとつです。買取相場は額面以上になることが多いですが、記念硬貨のなかでは比較的落ち着いています。
▼1964年東京オリンピック記念硬貨について詳しくはこちら
→東京オリンピック記念硬貨の価値
昭和天皇陛下御在位60年記念硬貨
▼10万円金貨
素材:金100%
直径:30mm
重さ:20g
▼1万円銀貨
素材:銀100%
直径:35mm
重さ:20g
▼500円白銅貨
素材:銅75%/ニッケル25%
直径:30mm
重さ:13g
「昭和天皇陛下御在位60年記念硬貨」は、昭和天皇が即位されて60年を迎えたことを記念して1986年に発行された記念硬貨です。
10万円金貨・1万円銀貨・500円白銅貨の3種類が製造され「日本初の記念金貨」「戦後初の金貨」「1万円を超える額面を持つ初の金貨」など、歴史的硬貨でもあります。
買取相場は3枚セットで数十万円といわれ、記念硬貨のなかでも高額買取が期待できる貨幣です。
長野オリンピック記念硬貨
▼1万円金貨
素材:金100%
直径:26mm
重さ:15.6g
▼5,000円銀貨
素材:銀92.5%/銅7.5%
直径:30mm
重さ:15g
▼500円白銅貨
素材:銅75%/ニッケル25%
直径:26.5mm
重さ:7.2g
「長野オリンピック記念硬貨」は、1998年に長野県で開催された冬季オリンピックを記念して発行されました。1万円金貨・5,000円銀貨・500円白銅貨の3額面があり、それぞれ3種類のデザインが3回に分けて製造されています。
プルーフ加工が施されたセットも発売され、コレクターをはじめとする多くの人々に注目されました。
買取相場は額面やデザインなどによって異なり、3額面がセットになったプルーフ硬貨は数万円で売買されていることが多く見受けられます。
2025年大阪・関西万博記念硬貨
▼1万円金貨
素材:金100%
直径:26mm
重さ:15.6g
▼1,000円銀貨
素材:銀100%
直径:40mm
重さ:31.1g
▼500円バイカラー・クラッド硬貨
素材:銅75%/亜鉛12.5%/ニッケル12.5%
直径:26.5mm
重さ:7.1g
「2025年大阪・関西万博記念硬貨」は、大阪開催の2025年日本国際博覧会を記念し、3回に分けて発行されました。
一次発行は2025年日本国際博覧会のロゴと夢洲の万博会場がデザインされた1,000円銀貨、二次発行は公式キャラクターのミャクミャクやハート、双葉の1,000円銀貨、三次発行はミャクミャクの1万円金貨とミャクミャクと虹の1,000円銀貨です。
また、三次発行の際はミャクミャクの500円バイカラー・クラッド硬貨も販売されています。当選者のみが購入できることから希少価値が高く、将来的に高額買取が期待できるでしょう。
▼1970年大阪万博記念硬貨についてはこちら
→古銭買取で人気の【大阪万博記念硬貨】とは
東京2020競技大会記念硬貨
▼1万円金貨
素材:金100%
直径:26mm
重さ:15.6g
▼1,000円銀貨
素材:銀100%
直径:40mm
重さ:31.1g
▼500円バイカラー・クラッド硬貨
素材:銅75%/亜鉛12.5%/ニッケル12.5%
直径:26.5mm
重さ:7.1g
▼100円クラッド硬貨
素材:銅75%/ニッケル25%
直径:22.6mm
重さ:4.8g
「東京2020競技大会記念硬貨」は、2020年の東京オリンピックを記念して発行された硬貨です。2016年のリオオリンピック引継記念硬貨にはじまり、4回に分けてさまざまなデザインが製造されました。
買取相場は額面やデザインによって異なり、1万円金貨は10万円前後、1,000円銀貨は数千円で取引されることが多いでしょう。
なお、1万円金貨は一次発行と三次発行で製造されており、「流鏑馬と心技体」がデザインされた一次発行の方が高額になる傾向があります。
地方自治法施行60周年記念硬貨
▼1,000円銀貨
素材:銀100%
直径:40mm
重さ:31.1g
▼500円バイカラー・クラッド硬貨
素材:銅75%/亜鉛12.5%/ニッケル12.5%
直径:26.5mm
重さ:7.1g
「地方自治法施行60周年記念硬貨」は、2008年から10年間発行された硬貨です。1947年に施行された地方自治法の60周年を記念して製造されました。
各都道府県をモチーフにしたデザインが施され、全部で47種類が存在します。
買取相場はデザインや発行年銘によって異なり、1,000円銀貨は数千円から数万円、500円バイカラー・クラッド硬貨は数千円で取引されることが多いでしょう。
▼地方自治法施行60周年記念硬貨について詳しくはこちら
→地方自治法施行60周年記念硬貨の買取価格は?見分け方や種類、価値について
海外で発行された記念硬貨の価値を種類別に紹介
【イギリス】ブリタニア金貨・銀貨
【中国】パンダ金貨・銀貨
【カナダ】メイプルリーフ金貨・銀貨
【オーストリア】ウィーン金貨
【オーストラリア】カンガルー金貨
海外でも記念硬貨は多数発行されており、今回は日本でも需要が高い上記5種類を紹介いたします。
【イギリス】ブリタニア金貨・銀貨
ブリタニア金貨・銀貨は、イギリスで毎年発行されている地金型硬貨です。1987年から金貨、1997年から銀貨が発売開始されました。
表面はイギリスの君主、裏面はイギリスを擬人化した「ブリタニア女神」がレリーフされています。イギリスを象徴するデザインであることや、イギリス政府が品位と重量を保証している高純度硬貨であることなどから人気です。
金貨は数万円から数十万円、銀貨は数千円で買い取られることが多いでしょう。
▼ブリタニア銀貨について詳しくはこちら
→ブリタニア銀貨の価値を徹底解説!買取相場&高く売るコツ4選も紹介
【中国】パンダ金貨・銀貨
パンダ金貨は1982年から、パンダ銀貨は1983年から中国で毎年発行されている地金型硬貨で、中国ではそれぞれ「熊猫金幣」「熊猫銀幣」と呼ばれています。
表面には世界遺産の北京天壇、裏面には中国の象徴的動物であるジャイアントパンダがデザインされているのが特徴です。ジャイアントパンダは毎年異なるデザインで発行され、デザインの可愛らしさからコレクター以外にも需要が見込まれます。
買取相場はパンダ金貨が数十万円、パンダ銀貨が数万円です。
▼パンダ金貨について詳しくはこちら
→パンダ金貨に希少価値はある?
▼パンダ銀貨について詳しくはこちら
→パンダ銀貨の価値とは?買取相場&高く売るコツ4選とともに徹底解説
【カナダ】メイプルリーフ金貨・銀貨
メイプルリーフ金貨・銀貨はカナダの地金型硬貨で、金貨は1979年、銀貨は1988年から発行されています。
表面はイギリス君主、裏面はカナダを象徴するサトウカエデの葉が刻印されているのが特徴です。カナダの硬貨であるにもかかわらず、イギリスの君主がデザインされる理由は、カナダがイギリス連邦加盟国であることなどが関係しています。
買取相場はメイプルリーフ金貨が数万円から数十万円、メイプルリーフ銀貨が数千円です。なお、メイプルリーフ金貨は世界三大金貨のひとつに数えられています。
▼メイプルリーフ金貨について詳しくはこちら
→メイプルリーフ金貨についてご紹介します!
▼メイプルリーフ銀貨について詳しくはこちら
→メイプルリーフ銀貨の買取動向を徹底解説!プレミア価格が付くレア銀貨とは?
【オーストリア】ウィーン金貨・銀貨
ウィーン金貨・銀貨は1989年からオーストリアで毎年発行されている地金型硬貨です。
表面は世界的に知名度が高い「ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」の本拠地「ムジークフェライン(楽友協会)」に設置されているパイプオルガンがレリーフされ、裏面は楽器をモチーフにしたデザインが特徴です。
正式にはそれぞれ「ウィーン金貨ハーモニー」や「ウィーン銀貨ハーモニー」といい、音楽の都オーストリアを象徴しています。
2004年には1枚1,000オンスのウィーン金貨が発行され、当時は世界最大の金貨として大きく取り上げられました。
また、ウィーン金貨はメイプルリーフ金貨と並んで世界三大金貨のひとつで、ネームバリューが評価されやすい硬貨です。
▼ウィーン金貨について詳しくはこちら
→ウィーン金貨ってどんな金貨?
【オーストラリア】カンガルー金貨・銀貨
カンガルー金貨・銀貨はオーストラリアが毎年発行している地金型硬貨で、1986年にカンガルー金貨、その後1993年にカンガルー銀貨の発行が開始されました。
表面にはイギリス君主、裏面にはオーストラリアを代表する動物であるカンガルーがレリーフされています。
カンガルー金貨は当初、ナゲット型をした金塊が描かれていたため「ナゲット金貨」と呼ばれることもあります。途中から現在のカンガルーデザインが採用されました。
世界三大金貨と称されるひとつであり、日本でも人気が高い硬貨です。
価値が高くなりやすい記念硬貨
・希少価値が高い
・プルーフコインやカラーコイン
・未使用で付属品がそろっている
記念硬貨で高く評価されるのは、上記のようなものです。
希少価値が高い
記念硬貨のほとんどは発行枚数が限られており、どの種類も少なからず希少性があります。
そのなかでも限定的な発行枚数であったり、現存数が少なかったりするものは希少価値が高いとして高額買取に期待できるでしょう。
同じ種類でも発行年銘によって希少性が異なる場合もあり、枚数が少ない発行年銘は高い価値がつきやすい傾向にあります。また、エラーコインなど珍しいものも高く評価されています。
プルーフコインやカラーコイン
プルーフコインやカラーコインは見た目が美しく、コレクターズアイテムとして価値が高いとされています。
観賞用としてコレクター以外にも需要が見込まれるため、高く評価されやすいでしょう。
未使用で付属品がそろっている
未使用品の記念硬貨は状態が良好であるため、査定額が向上するでしょう。販売時に付属していたケースや外箱、解説書など付属品がそろっている状態も、査定額に大きく影響します。
また、セットで買取に出すと、ひとつずつ買取に出すより高額になる可能性があります。
おわりに
記念硬貨は、国民の注目度が高いイベントなどを記念して発行される硬貨です。記念する事柄を表すデザインが施され、金や銀などの高価な素材が使用されます。
記念硬貨が高額で取引される理由は、限られた枚数しか発行されない点や素材が高価である点、国民の関心を寄せるため需要がある点などです。
日本では初の記念硬貨である「昭和天皇陛下御在位60年記念硬貨」や「長野オリンピック記念硬貨」「地方自治法施行60周年記念硬貨」などが注目されています。最近では、大阪開催の2025年国際博覧会を記念して「2025年大阪・関西万博記念硬貨」が発行されました。
海外でも多数の記念硬貨が製造されており、イギリスのブリタニア硬貨や中国のパンダ硬貨、カナダのメイプルリーフ硬貨などは日本でも人気があります。
高く評価されやすい記念硬貨は、発行枚数や現存数が少ないもの、需要が高いプルーフコインやカラーコイン、状態が良好で付属品のそろっているものです。
日晃堂は記念硬貨を多数取り扱い、多くのお客様にご満足いただいてきました。記念硬貨についてプロの知識を持った査定士が対応するため、適正価格のご提示が可能です。
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