古くから神秘的な魅力で人々を惹きつけてきた翡翠。美しい宝飾品としてだけでなく、原石そのものにも独特の存在感と価値があります。
もし翡翠の原石を目にする機会があったり、ご自身で所有されていたりする場合、その価値は気になる項目ではないでしょうか。
「翡翠の原石がどれくらいの価格で売れる?」
「翡翠の原石は高いって本当?」
など知りたい方のために、翡翠の原石について買取相場などを解説いたします。高額買取される傾向にある特徴や、査定ポイントなどにも触れているため、ぜひ参考にしてください。
翡翠とは?
翡翠は石の一種で、宝石としてアクセサリーなどによく用いられています。
翡翠の特徴や種類を見ていきましょう。
特徴
翡翠は美しい石で、東洋では古くから宝石として親しまれてきました。透明性のある深緑の色をした石が最も知られていますが、乳白色や白、ラベンダー、ピンクなどさまざまな色をしたものも存在しています。
靭性が高く、ダイヤモンドよりも壊れにくい点は翡翠の大きな特徴です。また、親油性の観点から、身に付けていることで肌の油分と馴染んで艶が増すともいわれています。
種類
・硬玉(ジェダイト)
・軟玉(ネフライト)
翡翠は硬玉と軟玉の2つに分けられます。硬玉と軟玉を見分けるのは難しいとされていますが、大きな違いは硬度や色味、形成している鉱物です。
硬玉は硬度が6.5~7で、鮮やかな緑色のものが多くあります。ヒスイ輝石という鉱物が50%以上含まれているものが硬玉とされ、宝石で用いられるのはほとんどが硬玉です。
硬玉(ジェダイト)の翡翠原石
一方、軟玉は硬度が6~6.5で硬玉よりも軟らかい性質をもっています。色味は硬玉と比較すると薄く、透明度も低めです。また、さまざまな鉱物の緻密な集合体でできており、主に透閃石や透緑閃石で構成されています。
軟玉(ネフライト)の翡翠原石
翡翠原石の買取相場
翡翠原石は、大きさや品質、色味などによって買取相場が異なります。
高品質な翡翠原石は1kg当たり数千円から1万円が買取相場といわれており、品質や色味が悪ければ大きくても高く評価されない可能性があるでしょう。
また、一部に品質の高い翡翠が含まれ、将来的にアクセサリーなどへの加工が見込まれる原石は高額買取にも期待できます。
高額買取される翡翠の原石
・天然の糸魚川翡翠
・緑の本翡翠
・琅玕(ろうかん)
高額買取される傾向にある翡翠の原石は、上記のような翡翠です。それぞれについて詳しく解説いたします。
天然の糸魚川翡翠
糸魚川(いといがわ)とは新潟県糸魚川市で、県内最西端に位置している海沿いの町です。
糸魚川市の小滝川ヒスイ峡や青海川ヒスイ峡は日本随一の翡翠産地として有名で、世界最古の翡翠文化発祥地ともいわれています。
良質な翡翠の形成条件が整った地質構造をしており、世界でも屈指の高品質な翡翠が採れる地域です。
そのため、糸魚川産の翡翠原石は高額になる可能性をはらんでいます。
緑の硬玉(本翡翠)
翡翠の硬玉は別名「本翡翠」といわれており、本翡翠のなかでも緑色が美しいものは高額買取に期待できるでしょう。
翡翠は含まれる鉱物によって色が異なり、ラベンダーやピンクなどさまざまな色がありますが、鮮やかな緑色ほど高額になる傾向があります。
翡翠は緑色が鮮明なものほど価値も高いとされており、他の色をした翡翠より高額で取引されるでしょう。
琅玕(ろうかん)
琅玕とは、透明度が高く色ムラのないエメラルドグリーンをした本翡翠のことで「インペリアル・ジェイド」とも呼ばれています。
翡翠のなかで最高級とされており、不純物が少なく艶や滑らかさも桁違いです。産出量もごく少量で希少価値が高いため、高額買取の可能性が高いでしょう。
琅玕であるかどうかは、色味の美しさや油を垂らしたような艶感などで見分けられますが、翡翠について専門的な知識がないと難しいといわれています。買取業者などの査定で判断する方法が確実です。
翡翠原石の査定ポイント
・色味・透明度
・大きさ
・艶
・産地
翡翠の原石は上記4つが大きな査定ポイントです。
色味・透明度
翡翠の原石は色味で価値が左右され、緑色が一番高く評価されます。また、乳白色が混ざった紫色のラベンダーも需要があるため、緑色に次いで高額になるでしょう。
色だけではなく、透明度が高いかどうかも重要です。透明度が高ければ高いほど高額になり、不透明なものは価値が低くなります。
大きさ
翡翠の大きさは価値を評価する大切な要素のひとつです。大きい原石は希少価値が高く、高額で取引されやすくなります。
今まで採掘された翡翠のなかで最も大きな翡翠は重量約175tにものぼる大きなもので、ミャンマー北部カチン州に位置するパカン地域で発見されました。
日本産では、糸魚川で発見された約102tの翡翠原石が新潟県の「翡翠ふるさと館」で展示されています。
艶
艶が美しいかどうかは翡翠の価値に大きく影響します。
石は磨くことで艶が出るため、原石の状態であれば艶を感じることは少ないかもしれません。しかし、良質な原石はキメ細かく硬いため、研磨すればするほど美しく輝くポテンシャルを持っています。
きれいに艶めく可能性が高い原石は、大きさが伴っていなくても査定額が向上するでしょう。
産地
翡翠は産地によって質が異なるため、翡翠の査定では産地を重要視するケースが多くあります。
高く評価される傾向にある翡翠の産地は、世界三大翡翠産地として知られているミャンマー、日本、グアテマラです。
とくに、ミャンマーは世界最大の翡翠産地として知られており、最高級の翡翠が採掘されるといわれています。しかし、原石に関していえば日本の糸魚川産が比較的高額になりやすいでしょう。
ミャンマー産の翡翠原石は風化によって表面が褐色になることもありますが、糸魚川産の翡翠原石は天然のままで美しさが保たれる傾向にあるため、高額買取が期待できます。
翡翠原石を少しでも高く売る方法
・保存方法に気を付けて状態を保つ
・付属品をそろえる
・翡翠原石の買取実績が高い業者を選定する
保存方法に気を付けて状態を保つ
翡翠原石の状態は価値に直結するため、少しでも高額で買い取ってもらうには状態を良好に保つ必要があります。
天然の翡翠は比較的安定性が高い鉱物ですが、染色処理や含浸処理などが施された翡翠の場合は、極端な温度変化・薬品・湿度によって退色などのリスクも。
強い直射日光や高温多湿を避け、柔らかい布に包んで保存すると翡翠の色味や輝きをより良い状態で保ちやすいでしょう。
付属品をそろえる
翡翠原石の付属品には、購入時のケースや産地証明書、鑑別書などが挙げられます。付属品も査定対象となるため、付属品と一緒に査定に出すと原石のみよりも高額になるでしょう。
とくに鑑別書や産地証明書は、翡翠の種類や産地、品質などを保証するものであることから重要視されます。鑑別書は宝石鑑定機関などに依頼すると手に入れることが可能です。
翡翠原石の買取実績が高い業者を選定する
翡翠原石の売り先は、翡翠原石を多数買い取った実績がある業者を選定しましょう。実績が高い業者は翡翠原石について深い知見を持った査定士が在籍しています。
翡翠原石の査定は、ジュエリーなど加工済みの翡翠を査定する方法とは異なり、知識や経験が必要です。適切な査定で適正な価値をつけてもらうためにも、実績を重視して業者を選定しましょう。
翡翠原石の買取でよくある質問
・拾った翡翠は売れる?
・欠けやキズがあると売れない?
・すべての買取業者で買い取ってもらえる?
翡翠の原石を買取に出す際、よくある質問についてまとめました。
今回は「拾った翡翠」「欠けやキズがある翡翠」「翡翠の買取に対応している業者」の3つをQ&A方式で解説いたします。
拾った翡翠は売れる?
売れる可能性があります。
「散歩中に拾った翡翠を査定してもらったら数百万円の値がついた」という話もあるため、翡翠と思われる石を拾ったら査定に出してみましょう。
ただし、拾った翡翠が高額になることはごく稀です。また、糸魚川市内の「小滝川ヒスイ峡」と「青海川ヒスイ峡」は国の天然記念物に指定されており、無許可では翡翠を採取できません。
ほかにも採取禁止区域や私有地では採取できないため、注意しましょう。
欠けやキズがあると売れない?
欠けやキズがある翡翠原石も売却可能な場合があります。
ジュエリーなどの翡翠は欠けやキズによって価値も下がる可能性が高いですが、翡翠原石の欠けやキズは自然の形成過程で生じたものも多く、必ずしも価値を下げる要因とはなりません。
内部の色味や質が良い翡翠原石は、欠けやキズがあっても高く評価される可能性があります。
すべての買取業者で買い取ってもらえる?
翡翠原石の買取に対応していない買取業者があります。
買取業者のなかには原石の買取を不可としているところもあるため、注意が必要です。
原石の買取に対応している買取業者は、原石を流通させるルートを持っていたり、加工してジュエリーなどにできる業務形態だったりします。
そういった業者は翡翠の原石にも精通しており、適正に査定してもらえるでしょう。
おわりに
翡翠は古くから宝石として親しまれている石で、緑やラベンダーなどの色をしています。硬玉と軟玉の2種類があり、価値が高いのは硬玉です。
翡翠原石は大きさや品質、色味などさまざまな要素によって価値が異なりますが、高品質な原石は1kg当たり1万円で取引されるでしょう。高額買取されやすい翡翠原石は、糸魚川産のものや美しい緑色をした硬玉(本翡翠)、琅玕と呼ばれる色ムラがなく透明度が高いエメラルドグリーンのものなどです。
色味や透明度、大きさ、艶などが査定ポイントとなり、条件がそろえば高額買取に期待できます。
査定額を向上するためにするべきことは、保存環境を整えて状態の劣化を防ぎ、購入時の付属品をそろえることです。また、買取業者も翡翠原石の実績を見て適切な業者を選定しましょう。
日晃堂は翡翠原石の買取に対応しており、一流の査定士がさまざまな翡翠原石を査定してまいりました。真贋はもちろん、品質を見極めて変動する需要を考慮しながら適正価格をご提示いたします。
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※記事内に掲載している買取価格は参考価格となり、買取価格を保証するものではございません。同様の作品であっても査定時の相場や作品状態などによって買取価格は変動いたします。