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プルーフ硬貨

本記事では、プルーフ硬貨とは何かについて解説します。プルーフ硬貨の大きな特徴は、表面が鏡面仕上げになっていることです。その他の見どころやなぜ作られたか、市場での価値など、さまざまな情報をお届けします。

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プルーフ硬貨とは?

まずはプルーフ硬貨について基本的なことを紹介します。

特徴と製造の目的

プルーフ硬貨とは、特殊な技術を用いて表面を鏡面加工している硬貨です。流通用硬貨と違って地肌が光沢のある仕上がりになっており、美しい輝きを持っています。日本で造幣局から正式に一般販売されたのは、1987年からです。

1987年(昭和62年)プルーフ貨幣セット
日晃堂でお買取した1987年(昭和62年)プルーフ貨幣セット

硬貨ではあるものの、現金として世に出回ることは大変稀でしょう。プルーフ貨幣が流通目的ではなく、コレクターズアイテムや贈答品として作られているからです。現金としてではなく、観賞用や贈り物に用いられるため、美しい見た目に加工されています。

「プルーフ」はもともと「試し刷り」を意味しており、かつては試作の硬貨を意味していました。流通目的ではないコインということから、いつしか観賞用や贈答用のコインを表す言葉となったのでしょう。

現金として使える?

現行貨幣であれば、プルーフ硬貨も通常の現金として使用できます。しかし、流通用硬貨とデザインが異なるものは、自動販売機や自動精算機などでは識別されないため、注意が必要です。

また、特別な加工がされた特別なコインであり、収集家などからの需要が高いことから、額面以上の価値で取引されていることも少なくありません。現金として使用すれば額面通りの価値ですが、しかるべきところに出せば額面以上の価値を持つものとして扱われるでしょう。

プルーフ硬貨の見分け方

プルーフ硬貨は表面に光沢があり、美しく磨き上げられています。流通用硬貨とは似つかない地肌をしているため、見分けはつきやすいでしょう。

硬貨の模様は、表裏がそれぞれ異なった模様になっている金型で挟み込んで圧する圧印加工で施されます。流通用硬貨は1工程で1回圧印されますが、プルーフ硬貨は模様を鮮明にするために2回以上連続で圧印されて丁寧に作られ、手間暇がかかっている硬貨です。

表面だけではなく手触りにも大きな違いがあるため、プルーフ硬貨と流通用硬貨を見分けることは難しくありません。しかし、そのプルーフ硬貨が本物かどうかを見分けるには知識が必要となり、素人には難しいことがあります。真贋が知りたい場合は買取業者に査定してもらい、判断するといいでしょう。

プルーフ硬貨の種類

・フロステッドプルーフ
・ブリリアントプルーフ
・マットプルーフ

プルーフ硬貨は加工の仕方によって上記の3つに分けられます。

フロステッドプルーフ

フロステッドプルーフは、盛り上がった模様の部分がツヤ消し仕上げになっているプルーフ硬貨です。日本のプルーフ硬貨は、フロステッドプルーフに分類されます。

「フロステッド」は「霧に覆われた」という意味で、フロステッド加工された部分はダイヤモンドダストのような細やかな粒子がまぶされたような見た目となり、光を淡く乱反射します。

硬貨の下地と模様にメリハリがつき、美しく鮮明な仕上がりとすることが可能です。

ブリリアントプルーフ

ブリリアントプルーフは硬貨全体が光沢を放つ仕上げになっています。中南米やアメリカ合衆国のプルーフ硬貨でよく見られる加工です。

ツルツルした表面が光沢感を際立たせ、プルーフ硬貨の代表的な加工ともいえます。「輝かしい」という意味を持つ「ブリリアント」にふさわしい輝きが特徴で、プルーフ硬貨の王道といえるでしょう。

マットプルーフ

マットプルーフは硬貨全体にツヤ消し加工が施されています。フロステッドプルーフやプリリアントプルーフとは異なるクールな印象のプルーフ硬貨です。

風情ある独特の美しさが特徴で、プルーフ硬貨のなかでは希少性があることで注目されています。代表的なマットプルーフは、イギリスの「エドワード7世戴冠記念コインセット」などです。

プルーフ硬貨とミントセットの違い

プルーフ硬貨とミントセットは、共通して見た目が美しいことから混同されてしまうことがあります。しかし、プルーフ硬貨とミントセットの定義には大きな違いがあります。

ミントセットとは

平成30年銘ミントセット
日晃堂でお買取した平成30年銘ミントセット

ミントセットは、硬貨が完全未使用の状態でセットになっているものです。日本では造幣局によって1975年から販売されるようになりました。

一度も流通していない1円・5円・50円・100円・500円が1枚ずつセットになっており、さらに特別に作られたメダルや銅板硬貨などが1枚収納されています。

たとえば、「平成30年銘ミントセット」は、現行硬貨に加え、干支に因んで製造年、“戊戌(つちのえいぬ)”の文字をデザインした丹銅製年銘板(メダル)1枚が加えられたセットです。

ミントセットとプルーフ硬貨の違い

ミントセットは前述した完全未使用の貨幣セットで、以前は通常貨幣セットとも呼ばれていました。

これにはプルーフ加工されたプルーフ硬貨は含まれず、ミントセット同様に1円から500円までの1枚ずつがセットになったものは「通常プルーフ貨幣セット」となります。

ミントセット(通常貨幣セット)は、1円から500円までの1枚ずつがセットになった未使用品
通常プルーフ貨幣セットは、プルーフ加工された1円から500円までの1枚ずつがセットになったもの

一般的な分類としては上記のようになっていますが、プルーフ硬貨のセットも流通していない完全未使用はミントセットの部類に含んで表現されることもあります。

もしお手元にある古銭でどちらかわからない場合には、専門家に依頼するのが良いでしょう。

ミントセットの魅力

ミントセットは、流通用貨幣と同じデザインで同じ製造工程のものもあり、流通用硬貨にしかない趣を楽しめるという特徴があります。硬貨本来の見た目を味わえ、流通用貨幣の完全未使用という誰にでもわかりやすい価値は魅力のひとつでしょう。

ミントセットにしか収納されていないデザインの硬貨が手に入ることも、ミントセットの大きなバリューです。ミントセットもプルーフ硬貨同様、多くの収集家に注目されており、世界中で愛されています。

日本で人気があるプルーフ硬貨

・昭和62年プルーフ貨幣セット
・天皇陛下御即位記念10万円プルーフ金貨
・皇太子殿下御成婚記念プルーフ貨幣セット
・東京2020競技大会記念貨幣

日本では、日本を代表するイベントの記念に発行されたプルーフ硬貨が人気です。今回は、そのなかでもとくに注目されている上記4つを紹介します。

昭和62年プルーフ貨幣セット

昭和62年プルーフ貨幣セット
日晃堂でお買取した昭和62年プルーフ貨幣セット

「昭和62年プルーフ貨幣セット」は、日本の造幣局からはじめて一般向けにプルーフ硬貨が販売された際のセットです。当時使われていた貨幣のプルーフ硬貨セットに加え、当時は一般流通用に使用されていなかった50円のプルーフ硬貨と「1987年」の銘板がセットになっています。

とくに50円は発行枚数が極めて少なかったため、希少価値が高く、高額で取引されることも少なくありません。当時は大きな話題となり、収集家の間で熱を帯びました。

「昭和62年プルーフ貨幣セット」は現在でも額面以上の数千円~1万円で取引されており、多くの人が注目しています。

天皇陛下御即位記念10万円プルーフ金貨

天皇陛下御即位記念10万円プルーフ金貨
日晃堂でお買取した天皇陛下御即位記念10万円プルーフ金貨

「天皇陛下御即位記念10万円プルーフ金貨(平成2年銘)」は、現在の上皇陛下(明仁上皇)の御即位を記念して1991年(平成3年)に発行されました。

表面には吉祥の兆しや繁栄の象徴として知られる鳳凰がそびえ立ち、裏面は古くから天皇家の家紋とされている菊紋、桐、唐草がデザインされています。額面に限りなく近い純金量を用いるという前代未聞の発行形態がとられており、30gという圧巻の重量が特徴です。

市場では、およそ30万から60万円の価値で流通し、芸術性が高いことから海外でも需要があります。

皇太子殿下御成婚記念プルーフ貨幣3点セット

皇太子殿下御成婚記念プルーフ貨幣3点セット
日晃堂でお買取した皇太子殿下御成婚記念プルーフ貨幣3点セット

皇太子殿下御成婚記念プルーフ貨幣3点セットは1993年に発行されました。当時、皇太子徳仁親王殿下であられた天皇陛下が雅子さまとご婚約したことを記念に造られています。

5万円金貨、5千円銀貨、500円白銀貨がセットとなっており、いずれも表面に瑞鳥の鶴が2羽、裏面には皇室の菊紋と天皇皇后両陛下のお印である梓がデザインされています。

5万円の額面を持つ金貨は日本で唯一、このプルーフ硬貨のみとなっており、世界造幣局長会議コイン・コンペティションで「最も美しい貨幣賞」を受賞した歴史的な硬貨です。コレクターの収集欲をくすぐる究極の逸品で、価格相場は約50万円となっています。

東京2020競技大会記念貨幣

東京2020競技大会記念貨幣
日晃堂でお買取した東京2020競技大会記念貨幣

「東京2020競技大会記念貨幣」は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを記念してつくられた記念貨幣です。

「東京2020オリンピック競技大会記念千円銀貨幣」や「東京2020パラリンピック競技大会記念千円銀貨幣」をはじめ、各競技の硬貨などが2018年から2020年にかけて合計37種類発行されました。

ほとんどの種類は1枚1万円前後で取引されており、高いものは数十万円の価値がついています。

プルーフ硬貨を安全になるべく高く売るには?

プルーフ硬貨は額面以上の価値がつくこともあるため、手放す際は売却するのがおすすめです。手放し方の具体的な方法や、なるべく高く売るための方法を紹介します。

プルーフ硬貨を手放す方法

プルーフ硬貨の手放し方は、フリマアプリやネットオークションで売りに出す方法などがあります。フリマアプリやネットオークションで「プルーフ貨幣」と検索すると、さまざまなプルーフ硬貨が売りに出されているのがわかるでしょう。

しかし、フリマアプリやネットオークションは個人間取引となることから、トラブルが勃発することも少なくありません。売買のプロではなく素人が売りに出していることがほとんどであるため、売る際も購入する際も細心の注意が必要です。

また、プルーフ硬貨の価値がしっかり反映された価格で売却できる保証もありません。場合によっては安く買いたたかれるなど、損をする結果となる可能性もあります。

そのため、手放す際は買取業者に買い取ってもらう方法が安全です。査定士に価値を見極めてもらったうえで業者と取引をするため、トラブルが起こることも少ないでしょう。

なるべく高く売るための方法

  • ・保存状態や扱いに気を付ける
  • ・ケース等の付属品を一緒に出す
  • ・実績が高い買取業者を選定する

プルーフ硬貨をなるべく高く売るには、上記3つがポイントです。保存は専用ケースに入れて傷や汚れがつかないように気を付けましょう。触る際は手袋をつけ、皮脂などがつかないようにするのがおすすめです。
売る際はケース等の付属品を一緒に出すと、価値も高くなる可能性があります。複数のプルーフ硬貨をセットで売る方法も、単品で売るよりも高額になるでしょう。

付属ケース
このよう付属のケースがあると価値が高くなる可能性があります。

買取業者はプルーフ硬貨の買取について高い実績を持っているところを選ぶと、価値がしっかり買取価格に反映されるため、損をする確率が低くなります。公式サイトなどをチェックしてプルーフ硬貨の買取実績などを調べてみましょう。

おわりに

プルーフ硬貨とは、表現に鏡面仕上げが施された特別な硬貨です。光沢がある美しい見た目をしており、流通目的ではなくコレクターズアイテムや贈答用の硬貨として製造されています。

現行貨幣であれば現金としても使用できますが、売りに出すと額面以上の価値がつくこともあるため、手放す際は現金として使用するよりも売却する方法がおすすめです。

売却する際は、トラブルが少なくないフリマアプリやネットオークションを利用するのではなく、買取業者に買い取ってもらう方法が安全でしょう。その際、プルーフ硬貨の買取実績が高い業者を選定すると、高額買取が期待できます。

私たち日晃堂は、長年にわたって記念硬貨の買取に携わってきた実績があり、プルーフ硬貨に知見が深いプロの査定士が対応します。プルーフ硬貨の価値を見極め、損のない取引の提供が可能です。

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