安政一分判金 裏面
出展:国立文化財機構所蔵品統合検索システム(https://colbase.nich.go.jp/collection_items/tnm/E-20138?locale=ja)
江戸時代に鋳造された一分判金は、大きく分けて10種類も確認されています。その1つに鋳造された金貨があり、それが「安政一分判金」です。
この記事では、古銭買取における安政一分判金の価値について詳しく解説します。発行された経緯や品位、買取に出す際のポイントなどもご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
安政一分判金とは?
安政一分判金 表面
出展:国立文化財機構所蔵品統合検索システム(https://colbase.nich.go.jp/collection_items/tnm/E-20138?locale=ja)
安政一分判金は、1859年(安政6年)に発行された金貨です。この時代は、金銀の交換比率が海外と異なることから、金銀の含有量の多い日本の金貨は損が大きいものでした。そのような状況でも貿易を続けたことで、多くの金が海外へと持ち出されてしまったのです。日本の金を海外へ流出させないために、金の含有量を減らした「安政一分判金」が発行されました。また、天保時代からローラーで鋳造され始めたため、安政一分判金の仕上がりは均一でした。
安政一分判金の特徴・品位
安政一分判金の規定とされる量目は2.24グラムで、品位は金が57%、銀が43%となります。サイズは標準的な一分判金ですが、金の含有率が少ないため、他の一分判金に比べ軽くなっています。
表面には「一分」という文字が彫られ、「分」の字が一部跳ねているものと、止められているものの2種類発行されていたようです。
裏面の右上には時代を示す「正」の字が彫られているため、正字一分判金とも呼ばれています。裏面の時代印を確認すると、安政一分判金なのか判断することができるでしょう。
古銭買取での安政一分判金の価値
古銭買取での安政一分判金の価値はとても高くなっています。
現存している枚数が少なく、古銭買取の市場では「入手困難な希少品」とも言われています。安政一分判金の古銭買取の相場は数十万円で、一分判金の中では買取額にも期待できるでしょう。
ただ、個体による価値の差が大きい傾向があり、市場の動向に応じても価値が変わるため、専門家の査定を受け、具体的な買取額を知ることがおすすめです。
買取額が高くなる安政一分判金
同じ安政一分判金でも、買取額が高くなるものがあります。
まず、摩耗が少なく綺麗なものや、彫られている文字がしっかりと残っているものなどは美品として扱われ、買取額が高くなりやすいでしょう。
また、表面に彫られている「分」の字が止められているトメ分は、ハネ分よりも希少性があり、買取額が高くなります。逆打ちと言われるエラーコインなども買取額が高くなり、状態によっては数百万円という価格になることもあるでしょう。
安政一分判金の古銭買取を依頼するポイント
安政一分判金の古銭買取を依頼する際は、専門の査定士のいる業者を選ぶことが大切なポイントになります。
安政一分判金はハネ分とトメ分の2種類があり、それぞれ価値が異なるため、種類を区別できる査定士でなければ、適正な価格で買い取ってもらえません。
安政一分判金は価値のある古銭になるので、適正な価格以下で売ってしまうことには注意してください。そして、鑑定書などをお持ちの場合は、買取時に用意することが大切です。
希少性のある金貨だと、贋作やレプリカが多いため、鑑定書を用意するだけで買取額が高くなる可能性があります。古銭の買取額は常に変動しているため、売却を考えている方は一度査定を受けてみることをおすすめします。
おわりに
安政一分判金は、金品位は高くありませんが、現存している枚数がかなり少ないことで今でも価値がついています。
特に、状態が良いものや「分」の字が止められているトメ分、エラーコインなどはより価値が高くなり、相場以上の買取額になることもあるでしょう。
安政一分判金を正しく判別・査定するには専門の査定士の目が必要で、古銭買取の実績がある業者に依頼することが大切です。
古銭の価値はいつ下がってしまうのか分からないので、価値があるうちに査定だけでも受けてみてはいかがでしょうか。私たち日晃堂では、古銭・安政一分判金を専門の査定士が丁寧に評価し、適正な査定・買取を行っています。