日本の銀貨は、その美しいデザインや歴史的背景から、多くの人々の関心を集めています。しかし、その種類は非常に豊富なため、具体的にどのような種類があり、それぞれがどのような価値を持つのかをすべて把握するのは困難かもしれません。

希少性の高い銀貨であれば、数百万を超えるものもあるほど。古銭市場では高額で取引されている銀貨の種類も存在します。

本記事では、日本の銀貨の種類や特徴、そして市場での評価について詳しく解説します。銀貨の収集や売却を検討されている方もぜひご覧ください。

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日本の銀貨とは

日本の銀貨は、江戸時代から現代に至るまで、多様な種類が発行されてきました。

江戸時代には、丁銀や豆板銀などの秤量貨幣が流通し、明治時代以降は一円銀貨や貿易銀などの本位銀貨が発行されました。これらの銀貨は、時代ごとの経済状況や国際貿易の影響を反映しており、日本の貨幣史を物語る重要な存在です。

銀貨の収集は、歴史的価値や美術的価値を楽しむ趣味として人気があります。とくに、発行枚数の少ないものや保存状態が良好な銀貨は、コレクターの間で高い評価を受けています。

また、銀の市場価格に連動する地金型銀貨は、投資対象としても注目されています。ただし、銀貨の価値は市場の需給や経済状況に左右されるため、収集や投資を行う際には、専門的な知識と最新の市場情報を基に慎重な判断が求められます。

そのなかでも今回は、明治以降の「近代貨幣」と呼ばれる銀貨について取り上げます。

日本の銀貨一覧とその市場相場

ここからは、日本の銀貨一覧とその概要や基本情報と市場相場について詳しく記述します。

※市場相場は銀貨の状態や種類、年号で細かく分類されています。下記の記載価格は参考程度に留めておき、正確な金額は査定時に算出してもらいましょう。

旧1円銀貨、旧1円丸銀打ち

明治3年（1870年）に発行された「旧1円銀貨」は、表面に竜、裏面に菊花紋章と桐紋が描かれたデザインです。

品位は銀90%、重量は26.96g、直径は38.58mm。「丸銀打ち」は、明治31年（1898年）以降、海外での流通を目的として「銀」の文字に丸印を加えたものです。

右上に丸銀が打たれた「旧1円丸銀打ち」

市場相場は保存状態によって異なりますが、一般的なものは数万円から取引されています。とくに保存状態が良好なものや、丸銀打ちやその種類によっては数十万円といった高値が期待できるでしょう。

新1円銀貨（大型）、新1円銀貨（大型）丸銀打ち

明治7年（1874年）から大正3年（1914年）にかけて発行された新1円銀貨は、旧1円銀貨とほぼ同様の竜デザインですが、片面に「一圓」の額面記載が大きく入っています。

「丸銀打ち」は旧1円と同じく、海外流通用に「銀」の文字に丸印を加えたものです。市場相場は数万円から900万円程度と幅広く、保存状態や特定の年号や種類でその価値が決まります。

▼新旧1円銀貨について詳しくはこちら
→ 他では聞けない一円銀貨の価値や見分け方を解説

貿易銀、貿易銀丸銀打ち

貿易銀は、明治時代初期の明治8年（1875年）からのわずか3年間、日本の貿易振興を目的として発行された銀貨です。

貿易銀の表面には竜図、「TRADE DOLLAR」の文字、発行年、そして重量420グレーン（27.22g）と純度900を示す「420 GRAINS・900 FINE」の刻印があります。裏面には「貿易銀」の文字、菊の紋章、桐の葉の模様が施されています。

銀貨の直径は38.58mm、重さは27.22g、素材は銀90%です。発行枚数は3年間で約306万枚と、他の明治期の銀貨と比べると少なく、希少性が高い銀貨です。

貿易銀の買取価格は、保存状態によって大きく変動します。一般的なもので数万円ですが、未使用品は数十万円から、1877年銘の「丸銀打」の未使用品では100万円を超える場合も。「大桐」も高値で取引されることが多く、希少性の高いコレクターズアイテムとなっています。

▼貿易銀について詳しくはこちら
→ 貿易銀の驚くべき価値とは？希少性と歴史的背景から解説

旭日竜大型50銭銀貨

「旭日竜大型50銭銀貨」は、明治3年（1870年）から明治4年（1871年）にかけて発行された大型の50銭銀貨です。

表面には竜、裏面には旭日と菊花紋章が描かれています。直径31.51mm、重量12.5g、銀品位80%です。

市場価値として、明治4年前期のものは希少価値が高いとされています。全体的に保存状態や発行年によって価格は異なりますが、数千円から数万円程度での取引となるでしょう。

旭日竜小型50銭銀貨

「旭日竜小型50銭銀貨」は、明治4年（1871年）に発行された小型の50銭銀貨です。デザインは大型と同様ですが、直径31mmとやや小さく、重量は同じく約12.5g、銀品位80%です。

市場相場は、数千円から70万円程度の価格帯で取引されています。大竜と小竜の種類によって価値が異なるため、専門家にみてもらうのがベストでしょう。

竜50銭銀貨

竜50銭銀貨は、明治6年（1873年）から明治38年（1905年）にかけて発行された、日本で初めての本格的な大型銀貨です。一圓銀貨の補助通貨として誕生し、直径30.9mm、重さは13.48g、素材は銀80%で、周囲には馬の歯と呼ばれるギザギザが刻まれています。

表面のデザインは、中央に如意宝珠を持った竜が渦を巻くように描かれ、周囲には「大日本」「50SEN」の文字と発行年が和暦で刻印されています。裏面は中央に「五十銭」の文字、周囲には菊枝と桐枝の装飾、そして上下に桐紋とリボンが配置。

この銀貨は、発行年や保存状態によって市場価値が大きく異なります。特に、明治7年や明治13年などの発行枚数が少ない年号のものは希少価値が高く、未使用品であれば数百万円の高値で取引されることもあります。

一方、一般的な年号のものでも保存状態が良好であれば、数万円から数十万円の価値が期待できます。

▼竜50銭銀貨について詳しくはこちら
→ 竜50銭銀貨の価値は？買取相場や高く売れる発行年銘、種類や偽物と本物の見分け方など紹介

旭日50銭銀貨

旭日50銭銀貨は、明治39年（1906年）から大正6年（1917年）まで発行された50銭銀貨です。表面には菊花紋章と桐紋、裏面には旭日と桜のデザインが施されています。直径約27.3mm、重量約10.1g、銀品位80%となっています。

市場相場としては流通量も多いため、一般的なものは数百円となるでしょう。ただし、特定の年号や保存状態が極めて良好なものは、7万円程度の価格にも期待できます。

八咫烏50銭銀貨

八咫烏50銭銀貨は、大正7年（1918年）から2年にわたり発行された50銭銀貨です。

表面に八咫烏（やたがらす）が描かれており、銀貨の仕様は直径24.85mm、重量約6.75g、銀品位80%となっています。

八咫烏50銭銀貨は非常に希少性のある銀貨のため、市場価値としては数十万円から数百万円の価格帯に。お手元にある場合には、専門家鑑定を推奨する逸品です。

小型50銭銀貨（鳳凰50銭銀貨）

小型50銭銀貨は、大正11年（1922年）から昭和13年（1938年）まで発行された小型の銀貨です。第一次世界大戦後の銀価格高騰を受け、貨幣法改正によって従来の50銭銀貨より小型化されました。

鳳凰のデザインが特徴的なため、「鳳凰50銭銀貨」とも呼ばれています。

銀貨の素材は銀72%、重さは4.95g、直径は23.5mm。表面には向かい合う2羽の鳳凰と菊紋、桐紋、額面が、裏面には旭日、桜、「大日本」の文字と発行年が刻印されています。

市場相場としては発行枚数が多く流通量も多いため、一般的なものは数百円から数千円で取引されています。ただし、未使用品や特定の年号のものは、より高値で取引されることもあります。

▼鳳凰50銭銀貨について詳しくはこちら
→ 鳳凰50銭銀貨の価値を解説！高額買取が期待できる特年や偽物の見分け方などを紹介

旭日竜20銭銀貨

 

旭日竜20銭銀貨は、明治3年（1870年）から明治4年（1871年）にかけて発行されました。表面には竜、裏面には旭日と菊花紋章が描かれています。直径約24mm、重量約5g、銀品位80%です。

市場相場の側面では、発行枚数は約431万枚と比較的多いものの現存数は少なく、保存状態が良好なものは高値で取引されます。価格帯は千円から5万円くらいで推移しています。

竜20銭銀貨

竜20銭銀貨は、明治6年（1873年）から明治38年（1905年）まで発行された20銭銀貨です。表面には竜、裏面には菊花紋章と桐紋が描かれています。直径約23.5mm、重量約5.4g、銀品位80%です。

市場相場は数百円のものが多くなっています。これは、発行期間が長く流通量も多いのが大きな理由です。ただし、特定の年号や状態によっては数百万円の価値が見込まれるなど、価格幅が広いので注意しましょう。

旭日20銭銀貨

旭日20銭銀貨は、明治39年（1906年）から明治44年（1911年）まで発行された20銭銀貨です。表面には菊花紋章と桐紋、裏面には旭日デザインが施されています。直径約23.5mm、重量約4.95g、銀品位72%です。

市場相場は数百円から数万円の価格帯がメインです。しかし、「明治44年銘」などの特定年号は、状態次第で数十万円程度と高値になるケースも。

旭日竜10銭銀貨

旭日竜10銭銀貨は、明治3年（1870年）に発行された銀貨です。表面には竜、裏面には旭日と菊花紋章で装飾されています。直径約17.57mm、重量約2.5g、銀品位80%です。

市場相場は、数千円から4万円程度となります。単年発行ですが、明瞭ウロコなどの種類が存在するため、価格差のある銀貨となっています。

竜10銭銀貨

竜10銭銀貨は、明治6年（1873年）から明治39年（1906年）まで発行された10銭銀貨です。表面には竜、裏面には菊花紋章と桐紋が描かれています。直径約17.5mm、重量約2.7g、銀品位80%です。

市場相場は、発行期間が長く流通量も多いため、一般的なものは数百円から数千円で取引されています。特定の年号や状態の良い銀貨は、20万円程度の価格がつくことも。

旭日10銭銀貨

旭日10銭銀貨は、明治40年（1907年）から大正6年（1917年）まで発行された10銭銀貨です。こちらには明治39年銘も存在するとされています。

表面には菊花紋章と桐紋、裏面には旭日デザインが施されています。仕様は直径約17.5mm、重量約2.25g、銀品位72%です。

市場相場は、数百円から4万円程度。比較的、発行枚数の多い銀貨のため、初期に発行された年銘の価値が高い傾向にあります。

八咫烏10銭銀貨

八咫烏10銭銀貨は、大正7年（1918年）と大正8年（1919年）に発行された10銭銀貨です。図案には八咫烏が描かれているのが特徴となっています。銀貨の仕様は直径約16.06mm、重量約1.5g、銀品位72%です。

市場相場や価値としては、現存数も限られているため、希少価値が高い銀貨に分類されています。価格帯は年銘問わず、数十万円から100万円を超えるものなど全体的に価格帯も高めです。

旭日竜5銭銀貨

旭日竜5銭銀貨は、明治3年（1870年）と明治4年（1871年）に発行された銀貨です。表面には竜、裏面には旭日と菊花紋章が描かれています。直径約16.15mm、重量約1.25g、銀品位80%です。

市場相場は保存状態や年号によって、数千円から数十万円で取引されることもあります。

旭日大字5銭銀貨

旭日大字5銭銀貨は、明治4年（1871年）に発行された5銭銀貨です。旭日と菊花紋章の描かれているデザインが特徴となっています。銀貨の仕様は直径約16.15mm、重量約1.25g、銀品位80%。「大字」とは、文字が大きく刻印されていることを指します。

発行枚数が約166万枚と少なく、現存数も限られているため、希少価値も高いとされています。市場相場は数千円から4万円程度での価格帯になるでしょう。

竜5銭銀貨

竜5銭銀貨は、明治6年（1873年）から明治13年（1880年）まで発行された5銭銀貨です。表面には竜、裏面には菊花紋章と桐紋が描かれています。直径約15.15mm、重量約1.35g、銀品位80%です。

市場相場は、数千円から10万円超えの価格帯と幅広くなっています。ただし、明治13年銘は発行枚数が極端に少ないため、価格が算出できないほどです。見つけたらすぐに鑑定してもらいましょう。

鳳凰100円銀貨

鳳凰100円銀貨は、昭和32年（1957年）と昭和33年（1958年）の2年間のみ発行された100円銀貨です。戦後復興と国際的な経済力向上を背景に誕生し、現在ではコレクターズアイテムとして人気があります。

銀貨の直径約22.6mm、重量約4.8g、銀品位60%。デザインは、表面に翼を広げた鳳凰、裏面に旭日と桜花が描かれています。平等院鳳凰堂の鳳凰をモチーフにした表面と、日本の伝統的な象徴である桜と旭日を組み合わせた裏面は、美術的価値も高く評価されている逸品です。

現在も100円の価値を持つ法定通貨ですが、希少性から額面以上の価値で取引されることが多いです。市場相場としては、数百円から数千円で取引されています。

▼鳳凰100円銀貨について詳しくはこちら
→ 本当は教えたくない鳳凰100円銀貨の価値｜歴史、相場、種類まで徹底解説

稲100円銀貨

稲100円銀貨は、鳳凰100円銀貨の後継として昭和34年（1959年）から昭和41年（1966年）まで発行された銀貨です。鳳凰100円銀貨と同様に、素材は銀60%で、重さは4.8g、直径は22.6mmとなっています。

最大の特徴は、日本の農業文化を象徴する稲穂のデザインです。表面には大きくデザインされた稲穂が、裏面には分銅の図案と額面「100」が描かれています。

発行枚数の少ない1960年から1964年銘は、他の年銘に比べてやや高値で取引される傾向にあります。しかし、発行枚数が多い1959年銘も初年度銘としてコレクターに人気があり、比較的高値で取引されています。

稲100円銀貨の市場相場は、発行年や発行枚数よりも保存状態に大きく左右されます。一般的なものであれば数百円程度ですが、状態が良好だと数千円の価格帯にも期待できるでしょう。

おわりに「日本の銀貨買取なら日晃堂」

日本の銀貨は、その歴史的背景や精巧なデザインから、多くの古銭収集家からも人気があります。各時代の銀貨には独自の魅力があり、コレクションを通じて日本の歴史や文化を感じることができます。

しかし、銀貨の買取を検討する際には注意点もあります。銀貨の市場価値は発行年や種類による希少性によって異なるため、専門的な知識を持つ査定士による正確な評価が重要です。

私たち「日晃堂」は銀貨を含む古銭の買取を得意としており、経験豊富なスタッフが丁寧に対応いたします。無料査定はもちろん、出張買取も可能ですので、お気軽にご相談ください。

ご自宅に眠る銀貨の価値を知りたい方や、コレクションの整理をお考えの方は、ぜひ日晃堂にご相談ください。お客様の大切な銀貨を高価買取いたします。

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