天保時代に流通していた天保小判は、老中・水野忠邦によって鋳造された小判です。天保小判はローラーを使い、手作業で丁寧に造られていたので、美しい見た目をしています。
美麗な天保小判は現在どのくらいの価値があるのでしょうか。
この記事では天保小判の歴史や特徴だけではなく、高く売るコツについても詳しく解説しています。どうぞ最後までご覧ください。
天保小判とは?
天保小判は天保8年(1837年)から流通していた小判です。保字小判(ほうじこばん/ほじこばん)とも呼ばれています。時代が天保に入ると大飢饉が起こり、幕府が財政難に窮しただけでなく、武家や農民の生活も圧迫されました。
そこで老中・水野忠邦は、小判の品位を保ちながら量目を下げ、貨幣改鋳益(かへいかいちゅうえき)を得ようと考えます。
その時に流通していた文政小判金は回収され、新たに発行されたのが天保小判金です。小判の品位はうまく保たれており、金の含有量はわずかに増加しましたが、量目を減らして造られました。
天保小判の特徴・品位
規定とされる量目は約11.2グラムで、品位は金が56.8%、銀が43.2%となっています。
大きさは約59×32mmです。表面は鏨(たがね)による茣蓙目(ござめ)が刻まれており、上下には桐紋を囲む扇枠、中央には上部に「壹两」、下部に「光次(花押)」が刻まれています。
裏には中央に花押があり、下部の左端には小判師の験極印と吹所の験極印、さらに右上には「保」字が打印されています。
古銭買取における天保小判の価値
天保小判金の買取価格は保存状態にもよりますが、数万円が相場です。大量発行された金貨なので現存数が多く、現在の流通量も多いため、希少価値はそれほど高くありません。
しかし、天保小判にはローラーによる延金が、全て手作業で行われるようになったという歴史的に有名な背景があります。
天保小判はこれ以前に造られた小判と比べてみると、表面がなめらかで、均質性が高いことがわかるでしょう。表面の黄金の色彩が美麗であるのが天保小判の特徴であり、当時の人々から好評な小判でした。
天保小判を高く売るためのコツ
古銭の状態は買取価格に大きな影響があります。できる限り良い状態で保管し、傷や汚れがつかないようにしましょう。ケースに入れて保管をする事がおすすめです。
売却のタイミングも、高く売るコツになります。市場価格の把握をするために、 同じ古銭がどれくらいで取引されているかを確認してみましょう。オークションサイトや古銭市場の価格が参考になりますので、調べてみてください。
最も重要なコツは売却する業者をしっかり選ぶことです。 古銭に詳しい買取業者や査定士に正確な買取価格をつけてもらいましょう。
おわりに
天保小判はローラーを使い、手作業で鋳造された小判です。現在の買取価格はそれほど高額ではありませんが、見た目が美しい小判なので、コレクターから人気があります。
また当時の時代背景も大変興味深い小判です。もしお手元の天保小判の売却を検討している方は、できる限りよい状態で保管し、市場の相場を確認してみてください
また信頼できる古銭専門店や査定士に相談することも天保小判を高く売るコツです。
私たち日晃堂には、古銭専門の査定士が多数在籍しています。丁寧な評価と、適正な査定・買取を行いますので、ぜひご依頼ください。
※記事内に掲載している買取価格は参考価格となり、買取価格を保証するものではございません。同様の作品であっても査定時の相場や作品状態などによって買取価格は変動いたします。