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千利休とは【茶の湯を大成させた茶人】
千利休とは【茶の湯を大成させた茶人】

千利休(せんのりきゅう)」という名を聞くと、茶人のイメージをされる方が多いのではないでしょうか。
わび茶を大成させ、茶道流派「千家(せんけ)」の流祖として知られる千利休。

天下人の織田信長や豊臣秀吉の茶頭として仕えていたことや、千利休が作ったとされる茶室「待庵(たいあん)」は国宝としても有名ですね。

今回の日晃堂コラムでは、そんな千利休がどんな人物だったのか、わかりやすくお伝えします。
千利休について詳しくお知りになりたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

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▼千利休の名言に関してはこちらの記事でご紹介中です
千利休の名言をご紹介【茶道おもてなしの心】

千利休とは【わび茶で有名な茶人】

千利休とは簡単にいうと、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した茶人のことです。
極限まで無駄を省く「わび茶」という茶の湯の一様式を追求・完成させた茶聖としても有名ですね。

千利休の子孫は茶道の三千家(表千家・裏千家・武者小路千家)として、今でも流派は続いています。

そんな千利休については、数え切れない程たくさんの情報がありますが、今回は初心者の方が知っておきたい千利休の基本的な情報について、詳しくお伝えさせていただきます。

▼表千家と裏千家の違いついては、下記の記事もぜひご覧ください。
表千家と裏千家の違い

千利休【プロフィール】

千利休は1522年(大永2年)、現在の大阪堺にあたる和泉国で「魚屋(ととや)」と号する納屋衆(倉庫業)を営む商人「田中与兵衛(たなかよひょうえ)」の長男として誕生。

幼名は「田中与四郎(與四郎)」といい、これが千利休の本名です。
法名は「宗易(そうえき)」や「抛筌斎(ほうせんさい)」と号しました。

一般的に広く知られている”利休”という名は1585年(天正13年)、豊臣秀吉の禁中献茶に奉仕する際に町人の身分では参内できないため、正親町天皇(おぎまちてんのう)から与えられた居士号です。
このとき、千利休は64歳という晩年でした。

わび茶を完成させ、今井宗久・津田宗及と共に茶湯の”天下三宗匠”と称された千利休。
そんな千利休が商人の教養として茶の湯を習い始めたのは17歳の頃で、初めての師は堺の茶匠「北向道陳(きたむきどうちん)」といわれています。師匠の元で修行を重ねた千利休は1544年(天文13年)、自身が23歳の時に初めての茶会を開き、無事に成功させます。

その後も茶禅一味の修行に励んだ千利休は茶人として知られるようになり、20代の時に堺の実質的支配者であった三好家一族の女性と結婚。子ども達をもうけて40代後半になるまで、三好家の御用商人として堺を離れずに家業に打ち込み、財を成しました。

1569年(永禄12年)以降、堺が天下人の織田信長の直轄地となっていく過程で、堺の豪商茶人であった今井宗久と津田宗及とともに、信長に茶頭として召し抱えられるようになった千利休。

織田信長は臣下に茶の湯を奨励するなど、政治利用を推し進めていたこともあり、千利休は茶道における有力な協力者としてその地位を高めていき、信長から一目置かれる存在でした。

本能寺の変の後、次の天下人となった豊臣秀吉にも乞われて茶頭を務めるなど、さらに大きな存在感を示した千利休でしたが、秀吉との関係は長くは続きませんでした。
不和が生じたことから豊臣秀吉の逆鱗に触れてしまった千利休は切腹を命じられ、京都にある聚楽(じゅらく)屋敷内で、自害によってその生涯を終えました。

千利休の死因【豊臣秀吉の逆鱗に触れる】

茶道の指南役として織田信長や豊臣秀吉に仕えてきた千利休。
茶人としての名声も高まるばかりでしたが、上記でお伝えしたように秀吉の逆鱗に触れたことで切腹を命じられ、1591年(天正19年)2月28日(現在の暦で4月21日)、70歳でその生涯を終えたと伝えられています。

千利休の死因については諸説あり、真相は定まっていません。

例えば……

・大徳寺三門(金毛閣)の改修時に設置された利休の木像に失礼があった
・茶道に対する考え方で秀吉と利休で対立するようになった
・利休が茶器を高価に売りつける行為・売僧(まいす)を行うようになった
・秀吉が利休の娘を側室として奉公するように命じたがこれを拒否した
・秀吉の子飼いである石田三成による讒言(ざんげん)があった など

このような諸説がいくつもあります。
1番有力視されている説が大徳寺三門の件で、改修の援助をしてもらった感謝の気持として、大徳寺の住職は草履を履いた千利休を模した木像を桜門の2Fに設置。しかし、その設置場所の下を通ると、まるで千利休に草履で頭を踏みつけられるような構図になることから、秀吉が大激怒。千利休が切腹を命じられる死因になったと伝えられています。

しかし、真相は定かではなく、最近では実は千利休は切腹せずに九州で命を長らえていたという新たな説も出ています。いずれにせよ、一般的な認識では千利休が死因となりうるような、大きな罪を犯したというわけではなさそうです。

千利休の茶室【待庵】とは

千利休が作ったとされる茶室「待庵」をご存知でしょうか……?

待庵の読み方は「たいあん」で、「妙喜庵(みょうきあん)」という京都にある仏教寺院の中に茶室があります。待庵は国宝の茶室で「日本最古の茶室建造物」であり、千利休作と信じうる唯一の現存茶室としても有名です。間取りはわずか2畳と小さな建物ですが、草庵茶室(そうあんちゃしつ)と呼ばれる独自に工夫された構造で建てられています。

待庵は1582年(大正10年)の山崎の戦いの頃、羽柴秀吉(豊臣秀吉)が山崎城築城の際に、千利休を堺から呼び寄せ建てた茶室をのちに解体・移築したものであると伝えられています。
JR京都線「山崎」駅を下車して徒歩1分以内という好立地にあり、待庵の見学(要予約)を希望される方も多く、京都で人気の観光スポットとしても知られていますね。

また、研究成果に基づき職人さんたちが「創建当初の姿」で復元した待庵を、堺市にある「さかい待庵」で見学することも可能です。こちらの詳細に関しては「さかい利晶の杜」Webサイト等をご覧ください。

まとめ

今回は「千利休とは」というテーマで記事をご紹介させていただきました。
わび茶を大成させたことで知られる千利休は、茶人としてはもちろん、堺の商人としても有名な人物です。
利休が作ったとされる国宝の茶室「待庵」や、茶道の三千家(表千家・裏千家・武者小路千家)の流祖としても広く知られていますね。

また、天下人の織田信長と豊臣秀吉の茶頭を務め、今井宗久・津田宗及と共に「茶湯の天下三宗匠」と称されるほどの茶人でもありました。
千利休の死因については、豊臣秀吉の逆鱗に触れて切腹し70歳でその生涯を終えたという説や、実は切腹をせずに九州で命を長らえていたなど、諸説ありますが真相は定かではありません。

今回の記事をご覧になり知っていただいた利休の歴史を感じながら、茶道を嗜んでみてはいかがでしょうか。

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