「武者小路千家」と聞いて、すぐに茶道を思い浮かべる方もいれば、何のことかまったく見当がつかない方もいらっしゃると思います。そこで、今回の日晃堂コラムでは「武者小路千家とは」というテーマを、初心者の方でもわかりやすいようにお伝えします。
武者小路千家について詳しくお知りになりたい方は、この機会に当コラムをぜひ最後までご覧ください。
武者小路千家と三千家の歴史
武者小路千家は三千家の流派の一つとお伝えしましたが、先に三千家についてご紹介いたします。
三千家はかんたんに言うと、茶道を大成させたことで有名な千利休の死後、利休の意思を継いだ子孫たちが確立させていった茶道のことです。表千家・裏千家・武者小路千家という三つの千家があり、これらを総じて”三千家“と呼んでいます。
千利休が豊臣秀吉から武士と同じように、切腹による自害を命じられ命を落とした後、利休の先妻「宝心妙樹(ほうしんみょうじゅ)」と後妻「宗恩(そうおん)」は地方に逃れます。
そして、数年が経った頃。徳川家康や前田利家の取りなしにより、宝心妙樹の子で嫡男の「千道安(せんのどうあん)」と、宗恩の連れ子で娘婿でもある「千少庵(せんのしょうあん)」は赦免されます。
千道安は堺に戻った後、千利休の出身地でもある堺本家を継ぎますが、跡継ぎに恵まれなかったため道安没後に途絶えてしまいます。対して千少庵は利休の六女「亀」と結婚。二人の間に、後に千家の血統を残す重要人物となる「千宗易(せんのそうたん)」が生まれます。
こうした背景があり、現在の三千家は千少庵が継いだ京千家の系統が今日まで伝わっています。
もともと千家の家系は初代の千利休を筆頭に、二代目の少庵、三代目の宗旦まで一つの流派でした。
宗旦の息子(利休の曾孫)たち四代目が、表千家・裏千家・武者小路千家を興し、それぞれの千家に分かれるようになります。
武者小路千家は宗旦の次男で四代目の「一翁宗守(いちおうそうしゅ)」によって興され、京都にある武者小路通りに「官休庵(かんきゅうあん)」という茶室を建て、分家したことがその歴史の始まりです。現在の家元は第十四代目で、その名を「不徹斎宗主(ふてつさいそうしゅ)」と言います。
武者小路千家の特徴
次は武者小路千家の特徴や他の三千家との違いについて触れてみます。
武者小路千家の特徴としては…
・表千家や裏千家と比較して小規模な流派
・小規模ながら千利休に始まった茶道のわびさびに重きを置いた保守的な流派
・表千家と同様にお茶はあまり泡立てず着物も地味なものを好む
・お点前に関しても表千家と同じく伝統を重んじたスタイル
ざっくりと挙げると、このような特徴があります。
三千家の中で比較すると武者小路千家の規模は小さく、茶道教室などで見かけるのも表千家や裏千家の方が多いです。同じ流派から派生しているので、三千家同士で比べると似たような所も多くありますが、所作や利用する茶道具など細かい部分を見ていくと異なる部分が出てきます。武者小路千家の場合、流派の茶室が幾度となく焼失と再建を繰り返しているため、茶室や所作に無駄のない合理性を追求しているのが特徴です。
▼表千家と裏千家の違いについては、下記の記事もあわせてご覧ください。
【表千家】と【裏千家】の違いとは?
武者小路千家と官休庵
官休庵とは、武者小路千家の四代「一翁宗守」によって1667年(寛文7年)に作られた茶室のことです。
「武者小路千家」という名前の由来は、官休庵が京都市上京区「武者小路」に作られたことがきっかけと伝えられています。以来、官休庵は武者小路千家の茶室として広く知られるようになりました(「財団法人の官休庵」を指す場合もあります)。
現在の官休庵は宗守が設立した当時の形式を忠実に再現しながら、1926年(大正15年)に再建されたものです。
官休庵は畳約1.5枚分ほどの非常に小さな茶室ですが、京都市指定の名勝になるほど茶庭の美しさには定評があります。一目その歴史や文化に触れようと、不定期で開催される官休庵の見学会も大人気です。
まとめ
今回は「武者小路千家とは」というテーマで、記事をご紹介させていただきました。
武者小路千家は三千家の一つで、表千家・裏千家と共に千利休が始祖である茶道の流派です。
武者小路千家と三千家の歴史・武者小路千家の特徴・武者小路千家の茶室である官休庵など、本記事をご覧いただいたことで、以前より武者小路千家に対する親しみや理解が深まったのではないでしょうか。
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