中国銀貨はアジア古銭コレクターから、高い人気を集める分野のひとつです。とくに「袁世凱」が描かれた銀貨は、歴史的な価値や希少性の高さからも注目されています。
「袁世凱の銀貨について知りたい」
「袁世凱の銀貨は買取相場が高い?」
など、袁世凱の銀貨について調べている方のために、種類や価値についてまとめました。偽物の見分け方や袁世凱以外の中国銀貨などにも触れているため、ぜひ参考にしてください。
袁世凱とは?
袁世凱は、中国が清だったころの軍人で、中華民国になってからは政治家として活躍した人物です。
生い立ちや功績について把握し、袁世凱の銀貨について歴史的価値などを見ていきましょう。
袁世凱の生い立ち
1859年:中国の河南省項城に生まれる
1881年:李鴻章の淮軍に参加
1882年:朝鮮に派遣される
1894年:甲午農民戦争・日清戦争
1895年:軍の近代化を実施
1901年:北洋大臣に就任
1904年:日露戦争
1912年:中華民国成立・臨時大総統に就任
1913年:中華民国の初代大総統に就任
1914年:第一次世界大戦
1915年:国号を「中華帝国」に改名
1916年:死去
袁世凱は、日清戦争や日露戦争、中華民国の成立、第一次世界大戦と、中国が激動した時代を取り仕切った人物です。
軍事的スキルをもって影響力を強め、中華民国の初代大総統に就任するなどしました。
袁世凱の功績
袁世凱は、朝鮮への派遣期間中に発生した朝鮮兵の大反乱「壬午事変」や「甲申政変」の鎮圧に成功したといわれています。それをきっかけに朝鮮の内政や外交に介入し、中国を有利に導くなどしました。
日清戦争で中国が敗北した際は、上官による軍備資金の横領や無秩序な軍隊などの近代化に力を入れ、近代兵器を伴った兵の訓練や厳しい規律を実施して成果を挙げています。
この軍事力こそ袁世凱が持つ権力の礎となり、清末に起きた動乱や日露戦争時にも力を発揮することとなりました。中華民国成立時は臨時大総統を経て初代大総統に就任し、歴史に名を残しています。
袁世凱の銀貨はどんな種類がある?特徴と買取相場
・袁世凱壹圓銀貨
・中華民国共和記念幣壹圓銀貨
袁世凱の銀貨というと「袁世凱壹圓銀貨」と「中華民国共和記念幣壹圓銀貨」が広く知られています。
これら2種類について、それぞれの特徴や買取相場を見ていきましょう。
袁世凱壹圓銀貨
量目:約26.4g
直径:約39mm
品位(約):銀90%/銅10%
袁世凱壹圓銀貨は、表面に袁世凱の横顔と発行年銘がレリーフされ、裏面に額面である「壹圓」の文字があります。
中華民国成立後に初めて発行された国内流通用銀貨といわれており、中国銀貨の中でも歴史的価値が評価される銀貨のひとつです。
買取相場は1万円前後といわれており、希少価値が高い「中華民国八年」銘はさらに高額になるでしょう。
中華民国共和記念幣壹圓銀貨
量目:約26.7g
直径:約39mm
品位(約):銀90%
中華民国共和記念幣壹圓銀貨は、表面に羽根帽子を被って軍服に身をつつむ袁世凱がレリーフされ、裏面は「壹圓」や「中華民国共和記念幣」の文字などが刻印されています。発行年銘はありません。
1914年と1918年に発行され、1918年は収集家向けに製造されたといわれています。
買取相場は数万円といわれていますが、状態が良好であれば数十万円の値も期待できるでしょう。未使用品は100万円近い価格で取引されることもあり、古銭市場では高く評価される種類のひとつです。
袁世凱をはじめとする中国銀貨はなぜ高い?
袁世凱の銀貨など、中国銀貨は買取価格が高くなる傾向にあります。
中国銀貨は、現在の中華人民共和国成立にいたるまで紆余曲折あった中国を反映するデザインが施されているため、歴史的・文化的価値の高い点が特徴です。
豊富な種類や希少価値が高い点も、世界中のコレクターから注目される理由となっています。
また、昨今は中国による中国文化財の買戻しが盛んになっており、日本に流出している中国古銭の需要が高まっていることも中国銀貨が高く評価される所以です。
▼価値が高い中国硬貨の一覧はこちら
→古銭・中国硬貨一覧|価値が高い理由や注目されている種類・偽物の見分け方など
袁世凱銀貨の偽物はどう見分ける?
・重さ
・サイズ
・デザイン
袁世凱の銀貨を含め、高価な銀貨は偽物が多く流通しているため、注意しなければなりません。偽物を見分けるには上記3つがポイントです。とくに重さは偽物を見抜くときに有効とされています。
古い銀貨は摩耗などで重さが減ることもありますが、本物と1g以上違う場合は銀ではない素材が疑われるため、偽物である可能性が高いでしょう。
また、直径や厚みといったサイズが、本物と異なる場合も偽物と判断できます。縁の太さが異なる、文字の書体が違うなど、デザインの違いも判断基準になるでしょう。
しかし、本物の銀貨に関して知識がないと真贋を見極めるのは難しいことがほとんどです。自己判断せず、買取業者に持って行って査定してもらう方法が確実といえます。
袁世凱以外で注目されている中国銀貨
・孫文壹圓銀貨
・光緒元寶
中国銀貨では、袁世凱以外にもさまざまな種類が注目されています。そのなかでも認知度が高いのは「孫文壹圓銀貨」や「光緒元寶」です。
それぞれの特徴や買取相場を解説いたします。
孫文壹圓銀貨
量目:約26.7g
直径:約38mm
品位(約):銀88%
孫文壹圓銀貨は、表面に「中国革命の父」といわれている孫文の横顔と発行年銘、裏面は「壹圓」の文字に加えジャンクと呼ばれる船がレリーフされている銀貨です。発行年銘が「中華民国二十一年」のもののみ、裏面上部に3羽の鳥が描かれています。
買取相場は状態が良好であれば数万円ですが、摩耗が激しくデザインが認識しにくいものなどは数百円で取引されるでしょう。
▼孫文壹圓銀貨について詳しくはこちら
→中国古銭「孫文壹圓銀貨」の買取相場や見分け方は?その他注目の中国銀貨も紹介
光緒元寶
光緒元寶は1898年から1907年まで発行され、中国初「圓単位の銀貨」として現在も高く評価されている銀貨です。
主なデザインは、表面に「光緒元寶」の文字と発行元や額面、裏面に竜図と英語化された発行元などが刻印されています。
手がけた職人や発行元などによって図案の細かい部分が異なり、さまざまな種類が製造されました。買取相場は数千円から数万円とされ、種類によってはそれ以上の値がつく可能性もあります。
▼光緒元寶について詳しくはこちら
→光緒元寶の価値を解説!特徴や歴史はもちろん、種類や買取相場、偽物の見分け方も
おわりに
中華民国初の大総統に就任するなどして中国の発展に貢献した袁世凱の銀貨には「袁世凱壹圓銀貨」や「中華民国共和記念幣壹圓銀貨」などがあります。とくに袁世凱壹圓銀貨は希少価値が高く、高額買取される可能性がある銀貨です。
高額な銀貨は多くの偽物が流通しており、重さやサイズ、デザインなどを本物と比べると見極められる場合があります。確実に偽物を判断するには、銀貨に精通した買取業者に査定してもらう方法が良いでしょう。
日晃堂は袁世凱の銀貨をはじめ、さまざまな銀貨を取り扱った実績があります。種類が多い中国銀貨も的確に査定し、価値を見極めることが可能です。
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※記事内に掲載している買取価格は参考価格となり、買取価格を保証するものではございません。同様の作品であっても査定時の相場や作品状態などによって買取価格は変動いたします。