刀剣の査定は何を確認している?
近年では日本人のみならず海外にも数多くのファンを持つ日本刀。海外ではJAPANESE SWORD(ジャパニーズソード)、やSAMURAI SWORD(サムライソード)、またはKATANA(カタナ)なんて呼ばれているそうです。とても綺麗でカッコよく、種類にもよりますが日本刀は高価な刀剣です。そんな日本刀を諸事情により手放す人もいると思いますが、その際に気になるのが買取価格ですよね。
日晃堂でも日々たくさんの刀剣の査定をさせていただいておりますが、刀剣関連は一本で数百万円を超える査定価格を提示させていただく事もございます。刀剣のどういったところを確認し、刀剣の査定価格を算出しているのかをわからなければ不安だという人もいると思います。
今回は刀剣の査定価格の算出について、主に次の3つのポイントを説明させて頂きます。
刀剣査定ポイント1:刀剣の鑑定
まず初めに行う事は持ち込まれたこの刀剣がどういう品物かという鑑定(品定め)です。
茶道具や掛軸に有名作家の作品があるように、刀剣にも優れた刀工により作られた刀剣があります。
【備前長船兼光(びぜんおさふねかねみつ)】や【菊一文字則宗(きくいちもんじのりむね)】、坂本龍馬の愛刀【陸奥守吉行(むつのかみよしゆき)】など、一度は耳にした事のある有名な名刀以外にも、有名な刀工により打たれた刀剣は一本で数百万円を超えるものも多く存在します。
しかし、価値の高い刀剣であればあるほど、刀剣の贋作も多く出回ります。
当然贋作かどうかきっちり判断できなければ、刀剣に高い査定価格はつけられません。そこでまず鑑定と呼ばれる品定めからいたします。
刀剣の鑑定は主に次のようになります。
[鑑定書の有無]を鑑定
「公益財団法人日本美術刀剣保存協会」が発行した「保存刀剣鑑定書」、またその上位の鑑定書や指定書があれば、発行されて30年以上になり、業界ではその存在を充分認知されておりますので、正真作と考えて差し支えないので、とりあえずは安心して購入することができます。逆にこれらの鑑定書がついていない場合は、偽物の可能性も疑いましょう。
刀剣買取において鑑定書がある場合は、必ず査定に出すようにしてください。高価買取の大切なポイントとなります。
[銘(めい)の文字の刻まれ方]を鑑定
銘とは、刀身に刻まれた刀工の名前、年月日のことで、茎(なかご・柄の中に入る部分・中心とも書く)に鏨(たがね)で刻まれ(切られ)ます。価値が高い刀剣であればあるほど、その刀身を打ち下ろした時点でその刀工が堂々と自身の銘を刻んでいますが、偽物の場合、本物の銘をあとから模して(写して)、全くの別人が入れることになります。
その際、本物にはありえない、不自然な形で刻まれていますので、下記のポイントをチェックしましょう。
- ●きれいに刻まれていない(大雑把)
- ●刻まれ方が甘い(線が細い・むらがある)
- ●全体的に銘の入っているバランスがよくない
字に筆跡があるように、銘の刻み方にも当然刀工それぞれの癖が生じます。文字として同じに読めても、字の一画一画に鏨の刻まれ方の個性や特徴が表れるのです。これらのポイントを見極めるためには、本物との比較が必要ですので、日頃から本物を観察していないと難しいでしょう。
[茎(なかご)の錆色や形]を鑑定
茎は、柄(つか)の中に入っている、手で握る箇所のことで、柄を取れば本物か偽物かを見分けることができます。茎の形状は摺り上げ(すりあげ)・大摺り上げ・区(まち)送りなどの元の形を後世意図的に変化させたものと、当時の状態をそのまま保っているものが存在します。
次に、茎の全体、目釘のまわり、銘の部分の錆の色を比較します。偽物の場合、まずその刀工の本物の茎の形に改造した上で、あとから人工的に錆をつけるので、下記のように不自然な錆のつき方の場合は、偽物の可能性が高いと言えます。
- ●異なる色の錆びがついている(色にむらがある)。
- ●胡麻のように点々と錆びがついている。
- ●触れたときにざらつき感がある。
- ●錆の付き方が浅く、角の方のつけ錆びが、柄の抜き差しで落ちて光っている。
[鑢目(やすりめ)の特徴]を鑑定
茎には鑢が施されていますが、鑢の施し方(鑢目)は、刀工や流派によって違いがあります。本物の場合の特徴(切り、勝手下がり、筋違い、大筋違い、逆鑢、化粧鑢、桧垣、鷹の羽、逆鷹の羽、せん鋤など)を知っていれば、まずそこで正しいかどうか見分けることができます。
[作柄の特徴]を鑑定
刀工には所属した流派の掟や、それぞれが得意とした作柄があります。いかに出来栄えが見事でも、普段と違う作柄のものである場合は、やはり一度は偽物の可能性を疑うべきでしょう。
このように刀剣の鑑定は世の中に数多く存在する名刀と呼ばれる刀剣の膨大な知識が必要になる鑑定士の熟練の業なのです。
刀剣査定ポイント2:刀剣の状態を確認
次に行う事が刀剣の状態確認です。
刀剣の種類にもよりますが、刀身から柄まで使用されている刀装具も含めて状態を確認いたします。日晃堂の場合は簡単にリペアできるような劣化状況や汚れであれば特に価値が下がる事はありませんので、無理にきれいにする必要はなく、そのままの状態でお持ち込みください。
刀剣査定ポイント3:市場価値の確認
そして、最後に行う事は日晃堂がもつ独自の販売経路における市場価値の確認です。
刀剣の価値は定価ではなく時価ですので、販売する市場によって大きく価格が変動します。日晃堂では日本国内外問わず、最も高く販売できそうな市場をすぐに確認し、販売価格を基に最終的な刀剣の査定価格をお伝えさせていただきます。
つまり、業者が高く販売できるかどうかで査定価格が決まりますので、骨董品に関する買取においては依頼する買取業者が販売経路をどれだけ多く持っているかが査定価格に直結します!
刀剣の査定を個人で行う事は困難です
刀剣の査定は品物自体を鑑定するための経験と知識が必要ですが、個人にとっては特に困難な事は市場での価値を調べる事です。刀剣には定価が存在せず、市場によって大きく変動する時価ですので、様々な市場での取引事例を調べる事が重要になりますが、個人では各市場での取引事例を簡単に調べる事ができません。
もし、刀剣の査定価格が気になられるのであれば、日晃堂にご相談ください。
日晃堂では骨董品全般の買取を専門に行っておりますが、お客様に安心して買取に臨んでいただくためにもまずは査定からお願いしたいというお問い合わせも喜んでお待ちしております。日晃堂には刀剣専門の鑑定士が揃っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。