海外の切手は普段見慣れないデザインや珍しい形をした切手も多く、ご自宅でコレクションしている人も多いのではないでしょうか。
「外国の切手は買い取ってもらえる?」
「外国切手の価値が知りたい」
など、外国切手の買取について知りたい方のために、価値の高い切手の買取相場などをお伝えします。
また、注目の外国切手や買取業者の選び方などについてもわかりやすく解説。外国切手を手放そうと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
外国切手について
外国切手とは、日本以外の国で発行された郵便切手です。
郵便物に切手を貼り付け、郵便料金の証紙とするシステムは日本だけではありません。諸外国でもさまざまなデザインの切手が発行され、切手コレクターに注目されています。
まずは、外国切手の歴史や魅力について見ていきましょう。
外国切手の歴史
郵便切手の歴史は19世紀初頭からはじまり、1840年にイギリスで世界初の切手が発行されました。その3年後、イギリスに続きスイスのチューリッヒが切手発行に乗り出したといわれています。
スイスに次いでブラジルも切手を発行し始め、その後も各国がイギリスを模して切手を製造しました。日本では1871年に最初の切手「竜文切手」を発行しています。
外国切手の魅力
外国切手は、それぞれの国が自国の歴史や文化、芸術などをモチーフにデザインしています。切手の模様から異国の特徴が垣間みえたり、日本切手との比較を楽しんだりできる点が魅力です。
日本切手にも引けをとらない美しいもの、珍しい形なども外国切手の見どころでしょう。
国別に集めたり、動物や人物の絵柄ごとに集めるなど、コレクションのしがいがある点も人気の理由です。
■注目の外国切手と買取相場
コレクターなどに注目されている外国切手を紹介いたします。
特徴や買取相場など、ぜひ参考にしてください。
【イギリス】ペニー・ブラック
ペニー・ブラックは、1840年にイギリスで発行された世界初の切手です。
額面は1ペニーで、ヴィクトリア女王の横顔が黒の刷色で印刷されています。切手が黒いため、消印は赤色のマルタ十字が採用されました。
発売日に30万枚以上売れるほどに人気で、歴史的価値が高い切手として現在でも多くのコレクターが注目しています。
発売期間が1年間と短いこともあり、買取相場は数万円から十万円と高額です。未使用品で状態が良好であれば、相場以上の価値も期待できるでしょう。
【イギリス】ペンス・ブルー
ペンス・ブルーは、ペニー・ブラックとほぼ同時期に発行された世界で2番目の切手です。ヴィクトリア女王の横顔が青色で印刷されており、額面が2ペンスだったことから「ペンス・ブルー」と呼ばれています。
買取相場はペンス・ブラックと同じくらいで数万円から十万円です。
ペンスブルーはあまり流通しなかったといわれており、ペンスブラックよりもペンス・ブルーのほうが若干希少価値の高い切手として扱われるでしょう。
【イギリス】ペニー・レッド
ペニー・レッドは、ペニー・ブラックの後継切手として1841年にイギリスで発行されました。
ペニー・ブラックの刷色が赤に変更されただけであるため、図案はペニー・ブラックと同じでヴィクトリア女王の横顔です。
ペニー・ブラックに採用されていた赤色の消印は簡単に消せるものであったため、消えにくい黒色に変更する必要がありました。そのため、切手の刷色を赤色にして視認性を良くしたことでペニー・レッドが誕生したといわれています。
ペニー・ブラックと比較すると希少価値は劣るものの、数千円から数万円程度での買取が期待できるでしょう。
【イギリス】古城シリーズ
古城シリーズは「ワイルディングシリーズ」と呼ばれる、エリザベス2世時代の初期に発行された切手の1シリーズです。
エジンバラ城などイギリスを代表する古城とエリザベス2世がデザインされた切手シリーズで、全部で4種類が発行されました。
4種類セットであれば数万円、1種類のみであっても数千円から1万円の買取価格が期待できます。
【モーリシャス】ブルー・モーリシャス
ブルー・モーリシャスは、1847年にイギリス領だったモーリシャス島で発行された切手です。ペニー・ブラックの広がりを見て、モーリシャスでもヴィクトリア女王の横顔がデザインされた1ペニー切手と2ペンス切手が発行されました。
そのうちの2ペンス切手が青色だったため、ブルー・モーリシャスと呼ばれています。1ペニー切手はオレンジ色ですが、日本ではどちらもブルー・モーリシャスと呼ばれることが多いでしょう。
現存しているブルー・モーリシャスは60枚といわれており、バラ切手でも億単位の価値がつくといわれています。大変貴重な切手であるため、市場に出回ることはないといわれていますが、国内に数枚存在しているという話もあります。
【スウェーデン】3シリング・バンコの黄色
1855年にスウェーデンで初めて発行された「トレスキリングイエロー」という切手に「3シリング・バンコの黄色」と呼ばれる世界的に有名なエラー切手があります。
トレスキリングイエローは、最低額面の3シリング・バンコをはじめ、5種類の額面が発行されました。通常、3シリング・バンコは緑色ですが、印刷ミスによって黄色で製造されたエラー切手が3シリング・バンコの黄色です。
3シリング・バンコの黄色は現在1枚しか確認されておらず、数億円の価値があるといわれています。
【ガイアナ】英領ギアナ1セント・マゼンタ
英領ギアナ1セント・マゼンタは、現在のガイアナで1856年に発行された切手です。八角形をしているマゼンダの紙に、黒で「Damus Petimus Que Vicissim(与えよう、見返りを求めて)」の文字と帆船が描かれています。
極めて限定的な枚数で発行され、現在確認されているものはたった1枚です。過去のオークションでは約10億円で落札され、世界最高額の切手として知られています。
唯一現存している1枚は、まれに国際切手展などで一般公開されることがあります。
【アメリカ】ツェッペリン切手
ツェッペリン切手は1930年にアメリカで発行された航空切手です。航空郵便に使用する目的で作られ、65セント・1ドル30セント・2ドル60セントの3種類が発行されました。
発行当時は世界恐慌の最中であったため、切手はごくわずかしか流通しなかったといわれています。
それに伴い、コレクターからの需要を見込んで各額面約100万枚ずつの発行に踏み切りましたが、予想に反して売れ行きは芳しくありませんでした。売れ残りは破棄され、その数は発行枚数の約9割にもなるといわれています。
そのため、現在では希少価値が高い切手として注目を集めており、65セントは数千円から1万円、1ドル30セントは1万円前後、2ドル60セントは数万円が買取相場です。
【アメリカ】逆さまジェニー
逆さまジェニーは、1918年に発行されたアメリカ初の航空切手「カーティス・ジェニー切手」のエラー切手です。カーティス・ジェニー切手は、ジェニーと呼ばれていた複葉機「カーティスJN-4H」が青で印刷されています。
そのなかで、用紙を逆に設置したミスにより逆さまに印刷されたエラー切手が「逆さまジェニー」です。
逆さまジェニーの流通量は100枚で、ほとんどの所在が明らかになっています。海外のオークションでは数千万円から数億で取引されたといわれており、日本国内での流通は確認できていません。
【韓国】産業復興切手
産業復興切手は、1950年代に韓国で発行された切手です。10ウォン・15ウォン・20ウォン・50ウォンの4種類が発行されました。発電所と若芽が図柄に採用され、額面によってカラーが異なります。
また、透かしの種類が複数存在し、価値は透かしによって大きく変動するのが特徴です。
一番高額で売買されるのは国号ウジョンの波形が透かしとして入っている種類で、4種セットであれば数万円の価値がつくでしょう。1種類のみでも1万円前後は期待できるといわれています。
【オーストリア】1933年WIPA切手
1933年WIPA切手は、1933年にオーストリアで開催されたウィーン国際切手展を記念して発行された切手です。
通常、1933年WIPA切手は青で印刷されていますが、ブラック・プリントと呼ばれる黒で印刷されているものが存在します。ブラック・プリントは新切手の図案を周知するため、パンフレットなどに添付される見本刷りです。
数百枚しか製造されておらず、希少価値が高いうえに量産される切手よりも精巧に印刷されており、美しさも高く評価されています。
1933年WIPA切手は1枚であれば数千円から1万円、4枚セットの小型シートは数万円、ブラック・プリントは十数万円の買取が期待できるでしょう。
【中国】少年たちよ、子供の時から科学を愛そう
「少年たちよ、子供のころから科学を愛そう」は、中国で1979年に発行された切手です。当時の中国は経済が著しく前進しはじめ、国が科学分野の発展に力を入れていました。国策として科学教育に注力する背景があり、「少年たちよ、子供のころから科学を愛そう」が発行されたといわれています。
「少年たちよ、子供のころから科学を愛そう」は横長の小型シートと6種類のバラ切手、計7枚が発行されました。小型シートは数万円から10万円、バラ切手は数百円が買取相場です。
▼「少年たちよ、子供の時から科学を愛そう」について詳しくはこちら
→【少年たちよ、子供のときから科学を愛そう切手】買取相場や高く売るコツを解説!
【中国】赤猿
赤猿は中国で1980年に中国十二支切手シリーズの第1弾として発行されました。赤い背景に子猿が描かれており、金粉をまぶすなどこだわった図案が特徴です。
もともと限定的な発行枚数で、文化大革命の影響で現存数がさらに少なくなったといわれています。
美しいデザインや希少価値が高いことで、買取の際は高額になることが多い切手です。1枚でも10万円前後、シートであれば数十万円の価値も期待できるでしょう。状態が良好で金粉の残っているものは、100万円前後になることもあります。
▼「赤猿」について詳しくはこちら
→赤猿切手の価値を知りたい人必見!買取相場や高く売るコツを徹底解説!
外国切手の買取でよくあるQ&A
・ディズニーの外国切手は価値がある?
・外国切手はどこで買い取ってもらえる?
・使用済みの外国切手は買取可能?
外国切手の買取でよくある質問をQ&A方式で解説いたします。
今回はファンから根強い人気がある「ディズニーの外国切手」や「外国切手の買取店」、「使用済みの外国切手」についてです。
ディズニーの外国切手は価値がある?
ディズニーの外国切手は、額面が買取相場といわれています。
ディズニー切手はディズニーファンからの高い需要が見込まれますが、発行枚数が多いため、高額買取は期待できないでしょう。
買い取ってもらえる可能性はありますが、額面どおりやそれ以下の価値になる傾向にあります。収集した複数のディズニー切手をまとめて売却する場合は、額面以上になることもあるでしょう。
外国切手はどこで買い取ってもらえる?
外国切手買取対応の買取業者・フリマアプリ・ネットオークションなどで買い取ってもらえます。
切手買取店であっても外国切手の買取に対応していない店舗があるため、外国切手買取に対応している買取業者を選びましょう。
また、フリマアプリやネットオークションで出品すると買い取ってもらえる可能性があります。しかし、個人間取引であるため、売買の際にトラブルが発生したり、相場以下での取引になったりする場合があります。
損せず安全に買い取ってもらいたい場合は、買取業者での売却がオススメです。
使用済みの外国切手は買取可能?
使用済みでも買取可能な場合があります。
種類によっては使用済みの外国切手でも買い取ってもらえるでしょう。しかし、価値は未使用と比べて著しく低くなります。また、状態によっては買い取ってもらえないケースもあるため、注意しましょう。
外国切手の買取はどこがいい?業者の選び方
・外国切手買取の実績が高い
・口コミで評判がいい
・手数料が無料
外国切手の買取を依頼する買取業者は、上記の3つをポイントにして選定しましょう。
外国切手買取の実績が高い
外国切手買取の実績が高い業者であれば、諸外国の切手について精通した査定士が在籍している可能性も高いでしょう。また、販売ルートを確保し、需要の掘り起こしにも成功している場合があります。
そのため、価値をしっかり見極めた査定が可能で、他店よりも高額買取がのぞめます。公式サイトなどをチェックし、外国切手の買取実績を確認してみてください。
口コミで評判がいい
口コミサイトなどを確かめ、利用したことがある人のリアルな口コミをチェックしましょう。買取業者のなかには悪質な業者も存在しているため、外国切手を安全に売却するために口コミの確認は欠かせません。
接客態度や査定時の対応など、評価が高い買取業者を選びましょう。
手数料が無料
査定料などを請求する業者は、買取を断った際にも金銭を要求する可能性があります。査定などを無料で提供し、査定後に買取を検討したい場合も快く対応してくれる買取業者を選びましょう。
おわりに
外国切手は日本以外で発行された切手で、異国の歴史や文化、特徴などが切手から垣間みられるのが魅力です。
世界で初めて発行されたイギリスのペニー・ブラックや、世界一高額といわれるガイアナの英領ギアナ1セント・マゼンタ、億単位の価値があるとされるスウェーデンが発行した3シリング・バンコの黄色など、外国切手にはさまざまな種類が存在します。
切手の買取に対応している業者でも、外国切手は対応していない場合があるため、外国切手の買取は業者選びに注意しましょう。外国切手買取の実績が高く、口コミで評判がいい買取業者は、他店よりも高額で買い取ってくれたり、安全に取引できたりする可能性が高いでしょう。手数料が無料であるかも、査定の前に確認してください。
日晃堂はさまざまな外国切手を査定し、多くのお客様とのお取引を実現してきました。査定料などの手数料は一切いただかず、査定後に買取を検討していただくことも可能です。
外国切手の買取は、日晃堂にお任せください。
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※記事内に掲載している買取価格は参考価格となり、買取価格を保証するものではございません。同様の作品であっても査定時の相場や作品状態などによって買取価格は変動いたします。