梅花石(ばいかせき)は、菊花石と並んで鑑賞石を代表する存在となっています。
ここでは、その特徴や価値についてまとめています。
梅花石とは?
梅花石は、「特別な石を愛でる」という日本古来の鑑賞石の文化において、菊花石と並んで珍重されてきた歴史を持つ石です。
その名前の通り、梅の花のように見える白い模様が表面に出ている石のことを指します。
菊花石の場合は、表面に出る菊の花のような模様についてはなぜできるのか理由がはっきりとは判明していませんが、梅花石の場合ははっきりと判明しています。
梅花石が生まれたのは、現在から3億年以上も前のことであると考えられています。当時、海辺にあった岩にウミユリというヒトデの仲間の古代生物が貼りつき、化石となったことが原因であることがわかっています。
ウミユリの断面図が、まさしく梅の花びらのような形をしているため、梅花石の独特の模様ができているのです。水棲生物の化石が原因になっているということで、特に水辺の地域で多く採取されるという特徴があります。
特に有名な産地としては、北海道の中央部を流れる空知川の流域や、福岡県北九州市の門司地区などが挙げられます。
梅花石の価値
もともと鑑賞石の世界には、何の変哲もない石を風光明媚な山の風景に見立てるなどして想像力を駆使して楽しむ文化がありましたが、梅花石や菊花石が注目されるようになって石そのものの美しさを愛でるというあり方も生まれました。
特に「梅」は和歌の季語になるほど日本の文化に根ざした存在であるということもあり、愛好家の間で珍重されたという歴史があります。
昭和の半ばに鑑賞石が大きなブームになった際には梅花石や菊花石は高値で取引されていました。現在では、当時ほどの高額で売買が行われるケースがそれほどありませんが、物によっては数万単位で買い取られるケースもあります。