鑑賞石・銘石の世界で特に有名で価値も高い石のひとつとして、加茂川石(かもがわいし)が挙げられます。加茂川とは、現在では「鴨川」と表記される京都の一級河川を指します。
鴨川は高野川や静原川、鞍馬川といったさまざまな川と合流していますが、その一帯で採取される銘石はすべて加茂川石といえます。ここでは、そんな加茂川石についてまとめています。
加茂川石とは?
すでに紹介したように、加茂川石は京都の鴨川流域で採取される銘石を指します。加茂川石は日本の銘石を代表する存在とされており、鑑賞石の世界では特に珍重されるもののひとつとなっています。
また、加茂川石ならではの特徴として、「加茂の七石」と呼ばれる7種類の石があることが挙げられます。
京都の北山から京都市へ流れ込む鴨川は、高野川や静原川、鞍馬川といったさまざまな川と合流したり枝分かれしたりしています。
それぞれの川で取れる石が、
・高野川上流で取れる「八瀬真黒(やせまぐろ)」
・静原川で取れる「賎機(しずはた)」
・鞍馬川で取れる「鞍馬(くらま)」
・鞍馬川と貴船川の合流点で取れる「畚下(ふごろし)」
・貴船川で取れる「貴船(きふね)」
・雲ヶ畑で取れる「雲ヶ畑(くもがはた)」
・市ノ瀬で取れる「紅加茂(べにがも)」
といった種類に分かれています。
たとえば「紅加茂」は文字通り赤みがかった色をしているなど、それぞれ特徴的な姿をしています。
加茂川石の価値
加茂川石は、古くから鑑賞石・銘石の世界で珍重されてきた石というだけあって、現在でも高い価値を持ちます。
その形状や多きさ、状態にもよりますが、数万単位の値がつくことは決して珍しくありません。特にいい物であれば、数十万単位の値がつくこともあります。