鑑賞石・銘石の世界では、“日本三大銘石”というものがありますが、そのひとつとされているのが佐知川石(さじがわいし)」です(ちなみに他の2つの石については「瀬田川石」「加茂川石」とされることがありますが、場合によっては別の石が入ってくることもあります)。
ここでは、そんな佐知川石の特徴や価値についてまとめています。
佐治川石とは?
佐知川石は、黒を基調とした落ち着いた色合いの銘石として知られていますが、その成り立ちは約3億年前の古生代中期にかけて起きた海底火山の噴火に端を発したと考えられています。
噴火によって流れ出した玄武岩質の溶岩などが固まり、地殻変動によって強い圧力や熱の影響を受け、黒々とした色合いの石ができ、やがて地表に近い部分に流されてきた……と考えられています。
鳥取県の佐知川の流域で採取されることから、「佐知川石」と呼ばれるようになっています。ただし、黒を基調としてはいますが黒一色というわけではなく、ところどころに緑色がかった模様が見られるという特徴があります。
また、佐知川石の自然石は表面に凸凹が見られるのも特徴のひとつです。海や川で過ごす中で表面の柔らかい部分が水の流れで削り取られ、硬い部分だけが残ったため、特徴的な凸凹が残っているとされています。
そんな佐知川石は、自然石が鑑賞の対象として愛好家の間で高い人気を誇っている他、アクセサリーとして加工されることもあります。落ち着きのある黒を身にまとうことができるということで、佐知川石のアクセサリーは高い人気を持ちます。
佐治川石の価値
佐知川石は、特に鑑賞用の自然石が高い価値を持っています。とはいえ、鑑賞石・銘石が社会現象的なブームになった昭和の半ばに比べると落ち着いた価格になっており、物によっては千円単位の価値がつくことになるでしょう。
しかし一方で、鑑賞石の愛好家の間では日本三大銘石のひとつとして高く評価されていることもあって、数万単位の価値がつくことも珍しくありません。