象牙の【鑑定】と【査定】の違いについてご存知ですか?
骨董品の世界でよく聞く【鑑定】と【査定】という言葉ですが、象牙の買取を行う際にもこの2つの言葉は使用されます。世の中には象牙製品がいろいろとありますが「象牙風の練物」と呼ばれる象牙によく似せた商品が出回っています。そういった象牙の贋作には価値がほとんど無く、お値段は付ける事が出来なくなってしまいます。そこで登場する言葉が【鑑定】と【査定】です。
私たち日晃堂もお客様からお問合せをいただく中で、象牙製品の【鑑定】と【査定】の違いについてご説明する機会がありますので、この機会にこの【鑑定】と【査定】の違いについてご説明させて頂きます。
【鑑定】と【査定】の違いは
簡単に概要を説明すると【品物の市場価値を明らかにする事】と【買取業社が買取する価格を明らかにする事】です。
具体的には次の様になっております。
象牙製品の鑑定について
まず象牙製品を真贋を見極め【市場価格】を調べます。これが【鑑定】と呼ばれる作業です。
よく誤解されがちですが、ここで産出される価格は【買取価格】とは異なるもので端的にいえば骨董品買取業者が【お客様に販売する価格】であって【お客様から買取する価格】ではないというのが重要なポイントです。鑑定士に鑑定してもらった鑑定額で骨董品買取業社に売る事は出来ません。
なぜなら骨董品買取業者がその価格で買取したところで利益を出す事が困難だからです。
【鑑定】は具体的には次の様な作業です。
象牙製品の【鑑定】とは造詣のある専門鑑定士による真贋判定から始めます。象牙は様々な種類の贋作があり自宅でも作れるほど複製もしやすいので世の中の象牙は贋作で溢れています。その為、まずは本物の象牙かどうかを鑑定するところから始めます。
また贋作は前述にもあるようにほとんど無価値ですが、象牙には本物でも内部に鉛や象牙粉、硬質ゴム等の詰め物がされている物も多数流通しています。そういった場合は詰め物を除いた純重量での鑑定になります。
その他にも象牙の厳密な種類分けとして「象の種類」「部位」の判断や「ハード」「ソフト」といった硬度、象牙の彫刻等であれば、細工の細密さや作家等も調べていきます。そうして明らかになった情報を基に市場でならいくら位で販売できるかという【市場価値】を明らかにします。
象牙製品の査定について
象牙製品の【査定】とは骨董品買取業者が提示する【お客様から買取する価格】です。
日晃堂の場合は弊社の持つ販売経路の中で最も高く販売できる市場を確認し、その価格から逆算して算出し提示します。象牙の査定価格には少し注意点がございまして、彫刻が施されている象牙製品を単純に重量のみで査定をする業者もいるそうですが、細工が施されている象牙製品の場合は、作品としても価値もプラス査定されるものであり、販売経路による市場価値の違いといった後天的な要素も加えられているかどうかが高額査定のポイントになります。
基本的には、実績が多く商売規模の大きい(商品の出入りや販路が多い)業者の方が利益を薄くし、少しでも高い価格で買取が可能になってきます。
【象牙の査定】に観点する知識として「象牙の相場」があげられますが、象牙はここ30年程で大幅に価格指数が上昇するという価格変動を起こしております。ワシントン条約によって1989年に象牙の輸入が全面禁止になったことから日本に現存している象牙の数が流通する絶対数となった為です。当然、それ以降価格指数は急激に上がり、翌年の1990年にはそれまでの二倍以上に急騰しました。
それ以降も【一時的に規制緩和された1999年】や【特別に輸入が許可された2009年】以外は上昇し続け、現在ではなんと当時の約40倍にまで上昇しております。
象牙買取業者の上手に利用して鑑定を
骨董品の買取業者がいうのもおかしい話ですが、象牙製品を無料で鑑定したければ骨董品の買取業者を利用するというのも一つの手段です。私たち骨董品買取業者が行うのはあくまでも【査定】ですが、骨董品ではもちろんのこと象牙の査定を行う際にも必ず専門の鑑定士が【鑑定】を行ったうえで査定価格を算出します。
つまり、結果的に査定に出す事で結果的に象牙の鑑定を行う事ができるということです。
まずはその品物の価値を知るところから考えてみてはいかがでしょうか?
早めに鑑定だけでもしてもらう事で計画的な売却に繋がりますので、遺品整理などで象牙製品が出てきた際にはせっかくの品物を壊さないためにも買取業者の査定サービスを利用してみる事もおすすめです。
日晃堂でも専門の鑑定眼を持つ査定員が在籍しており、無料相談からお受けしておりますので、象牙製品について気になる事がございましたらお気軽にお問い合わせください。