「ボーンチャイナと磁器の違い」についてご存知でしょうか…?
パッと見では同じように見えますが、細かい部分に注目すると様々な違いがあります。
今回の日晃堂コラムでは、食器を知ってから疑問に思う機会も多い「ボーンチャイナと磁器の違い」に加え、知っておいて損はしない「ボーンチャイナの概要」についてもご紹介します。これを読めば食器買取でも人気の、「ボーンチャイナ」に対する知識が深まりますので、ぜひ最後までご覧ください。
【ボーンチャイナ】と【磁器】の違いについて
「ボーンチャイナと磁器の違い」ですが、まず最初にお伝えすると両者は同じ「磁器」に分類されます。同じ磁器であるものの、「成分」や「焼成方法」、「強度」や「色合い」などが、それぞれ異なるのが特徴です。
ここからは、そんな「ボーンチャイナと磁器の違い」に関する詳細をお伝えさせていただきます。
成分の違い
「ボーンチャイナと磁器の違い」のひとつに、まず「成分の違い」が挙げられます。
磁器の白さを作るために「カオリン」という成分が含まれていますが、ドイツやフランスでは、このカオリンを使って白磁器が作られていました。しかし、イギリスではカオリンを入手することができなかったため、代わりに「牛の骨灰」を使用して磁器を作るようになりました。そして、この牛の骨灰を使って作られる白く美しい磁器は「ボーンチャイナ」と名付けられ、一般的な磁器とは区別して呼ばれるようになりました。
ボーンチャイナに含まれる牛の骨灰の量は各国で規格があり、日本では30%、イギリスでは35%、アメリカでは25%と決められています。
焼成方法
「ボーンチャイナと磁器の違い」で次に挙げられるのが、「焼成(しょうせい)方法」の違いです。
焼成とは一般的に、「原料を高熱で焼いて性質を変化させる」ことをいいます。磁器は全般的に酸素をたっぷり含んだ、「還元炎」を使って1300℃付近の高温で焼成。焼成された磁器は青みがかった白色で、独自の繊細で硬い印象の白磁期に仕上がります。それに対してボーンチャイナは、酸素量が少ない「酸化炎」を使い、磁器よりももやや低い温度で焼成するのが特徴です。
焼成されたボーンチャイナは白磁のような寒色系の白ではなく、暖色系の温かみある白色をしています。また、磁器とは異なりボーンチャイナは1回目の焼成は釉薬をかけず、高温度で焼きます。その後、予め焼成して「フリット釉」と呼ばれる釉薬をスプレー掛けし、本焼成より低い温度で2回目の焼成である「釉焼き」を行います。
このように焼成したボーンチャイナはより緻密な結晶構造を形成するため、通常の白磁に比べ約2倍の強度を持ち、優れた透光性と表面の滑らかな艶があるのが特徴です。
強度や色合いなどの違い
「ボーンチャイナと磁器の違い」で最後に挙げられるのが、「強度」と「色合い」の違いです。
共に繊細な外見を持っていますが、原料に骨灰を多く含むボーンチャイナを焼成すると、上述したように、通常の白磁に比べ「約2倍の強度」を持つと言われています。白磁は釉薬を浸し掛けしますが、ボーンチャイナは吹き付けるため釉薬の層が薄く、白磁よりも透光性が少し高くなります。また、磁器の色調は青がかった”涼しげなホワイト”と言われるのに対し、ボーンチャイナの色調は暖色系の”温かみのあるホワイト”と言われています。
ボーンチャイナ独自の色合いと優れた透光性、滑らかな艶は高い人気を誇りますが、「成形」と「焼成」が難しいことから厳しい品質管理も必要となり、価格も一般的には高価になりやすい傾向にあります。
ボーンチャイナとは
ここからは、そもそも「ボーンチャイナとは何か?」ということについてご紹介します。
ボーンチャイナ(Bone china)とは、”骨灰磁器”とも称される磁器の種類のひとつです。18世紀頃にロンドンで発明されました。「ボーン=骨」「チャイナ=磁器」という意味で、原料に牛の骨を焼いた骨灰が30-60%含まれています。「ボーンチャイナ」という名前が付いていますが、中国製を意味しているわけではありません。「チャイナ=磁器」という意味で広く使われており、そもそもは中国で生まれた技術であることから、”チャイナ”と呼ばれるようになりました。
日本を代表するブランド食器の「ノリタケ」や「ナルミ」の食器が、「ボーンチャイナ ノリタケ」や「ボーンチャイナ ナルミ」と呼ばれることがあります。しかし、これはあくまでも磁器の種類を表しているだけで、中国製を意味するものではありません。
ボーンチャイナにそっくり!磁器とは
ボーンチャイナと比較される機会も多い、「磁器」についてご紹介します。
磁器とは高温で焼成されて吸水性のない、叩いたときに金属音を発する陶磁器のことを指します。陶磁器とは焼き物のことで、大きく分けて「陶器」と「磁器」にわかれます。全般的に、「陶器は土物」で「磁器は石物」と言われています。「磁器は石物」と言われてもあまりピンと来ないかもしれませんが、例えば日本を代表する磁器としては、有田焼(伊万里焼)や九谷焼などが有名ですね。西洋では、フランスやドイツで白磁器が好まれており、マイセン、セーブル、ヘレンド、ロイヤルコペンハーゲンなどのブランド食器が非常に有名です。
なお、食器を語るうえで欠かせない「陶器と磁器の違い」については、下記の記事も合わせてご覧下さい。
ボーンチャイナのブランド
ボーンチャイナといえば、イギリスではアンティーク食器の定番として知られています。陶磁器を歴史的に考えると、イギリス独自の磁器とも言えるほどですね。
17世紀のヨーロッパでは、上流階級の人々が中国や日本から輸入されてくる白く輝く磁器に夢中になっていたと伝えられています。しかし、自分たちの手で白磁を作ろうとしたものの、原料のカオリンがなかなか見つからず。代用品として、手に入りやすかった牛の骨灰を陶土に混ぜて製作。この時に誕生した焼き物が、「ボーンチャイナ(Bone china)」でした。
そんな、ボーンチャイナを使った有名ブランドの一例は以下の通りです。
こうして見ると、イギリスの有名なブランド食器が軒並み名を連ねていることがわかりますね。日本のボーンチャイナと言えば、「ノリタケ」と「ナルミ」が非常に有名です。
まとめ
今回の日晃堂コラムは、「ボーンチャイナと磁器の違いとは」というテーマでご紹介いたしました。
ボーンチャイナは磁器の一種です。同じ磁器に分類されるとはいえ、使っている成分や焼成方法などが、ボーンチャイナと一般的な磁器では異なります。同じ白でも色調が変われば、強度も変わってきます。さらに、ボーンチャイナは作り上げるために厳しい品質管理が必用となるため、価格も高価になりやすいです。
日晃堂では、ボーンチャイナの食器買取に力を入れています。ノリタケやナルミをはじめ、ウェッジウッド、ロイヤルドルトン、エインズレイなど、ボーンチャイナ製の食器高価買取にどこよりも自信がございます。もちろん、ボーンチャイナ以外のブランド食器も買取可能ですので、気になる食器があればどんどん日晃堂までお売りください。
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