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土田麦僊（ツチダバクセン） 1887年-1936年
土田麦僊は大正から昭和初期にかけて活躍した日本画家。
麦僊(本名:土田金二)は明治20年に新潟県佐渡郡(現:佐渡市新穂)にて農家の三男として誕生しました。麦僊と時を同じく哲学者として活躍した土田杏村(本名:土田茂)は麦僊の弟です。 明治37年になると麦僊は日本画界では知らない人はいないであろう有名な竹内栖鳳の元へ弟子入りをし、明治44年には京都の甲斐が専門学校を卒業しています。 若いころより熱心に画と向き合っていた麦僊は卒業と同年の時、小野竹喬(大正から昭和期の日本画家)たちと共に前衛的な絵画運動の会であるル・マスク(仮面会)を結成しル・シャノワール(黒猫会)にも参加しました。 文展には麦僊が在学中に出品しており、この頃の麦僊の作品にはゴーギャン(印象派の画家)からの影響を受けていたとされています。
大正7年になると、京都の絵画専門学校の出身同士だった野長瀬晩花・榊原紫峰・村上華岳・小野竹喬たちと共に国画創作協会(絵画を始めとし、写真部、彫刻部、工芸部、版画部の5部による美術団体)の旗揚げを行いました。 伝統がある文展の審査員に不満をもった若手の画家たちが新しい日本画の創造(西洋美術と東洋美術の融合)のために結成した運動で、この運動は歴史的な日本画革新運動として美術史上でも重視されている項目の一つです。
麦僊の画風は印象派のルノワールやゴーギャンに影響を受けており、伝統的な日本画に西洋画の技法を加え、重厚な材質の表現や合理的な空間把握、さらには幾何学的な構図を取り入れた新たな絵画の想像を目指していました。 大正10年に麦僊は晩花や竹喬と共に渡欧しており、約一年半にわたり、西洋絵画の制作と研究を行ったとされています。
【土田麦僊・代表作】
- 『舞妓林泉』
- 『罰』
- 『島の女』
- 『湯女図』
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