有名な日本画家一覧|代表作の特徴から、高額買取される作品の共通点まで解説
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近年、日本画はその繊細な美意識と精神性から世界的に再評価が進んでいます。鑑賞対象としてだけでなく、確かな資産としての価値も高まっており、横山大観や東山魁夷といった巨匠の名作は、美術市場で常に高値で取引されるほどです。
本記事では、近代から現代に至る日本画の巨匠たちを時代別にご紹介します。高く評価される理由や背景を解説するだけでなく、岩絵具や膠といった画材の特徴から、洋画との違いに至るまで詳しく紐解いていきます。また、ご自宅に眠る価値ある作品を見分けるポイントも丁寧に解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
実家や蔵で古い掛軸や額装を見つけたものの、「価値がわからない」「本物か知りたい」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そのような方は、まずは本記事をぜひ参考にしてください。そのうえで、お持ちの作品の正確な価値をお知りになりたい場合は、専門の査定士が在籍する日晃堂へお気軽にご相談いただけると幸いです。
目次
「日本画」とは? 洋画との違いと魅力

一般的に日本画と洋画(油絵)を区別する決定的な要素は、描かれたモチーフや時代ではなく、使用する「画材」にあります。
油絵が顔料を油で練って作るのに対し、日本画は天然の鉱石や珊瑚などを砕いて作った粉末状の「岩絵具(いわえのぐ)」を使用します。
この岩絵具を、動物の骨や皮から抽出したゼラチン質の接着剤である「膠(にかわ)」で溶き、和紙や絹に定着させるのが基本的な技法です。近年はこれに加えて、合成岩絵具なども併用されるようになりました。
岩絵具は粒子の大きさによって発色が変わり、鉱物由来のきらめいた独特の質感を生み出します。
また、油絵のように色を厚く塗り重ねて立体感を出すのとは対照的に、日本画は墨の濃淡や線の勢い、そしてあえて何も描かない「余白」を活かして空間の広がりを表現します。
この自然素材の美しさと、引き算の美学ともいえる表現方法こそが、日本画最大の魅力です。
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明治・大正期|近代日本画の礎を築いた「東西の巨匠」
明治維新以降、西洋文化が急速に流入した日本において、伝統的な絵画は一時「旧派」として存続の危機に直面しました。
しかし、アーネスト・フェノロサや岡倉天心らの指導のもと、伝統技法を守りながらも西洋画の遠近法や陰影法を取り入れた「新しい日本画」を創造しようとする動きが活発化します。
この激動の時代に、近代日本画の礎を築き上げたのが、これからご紹介する巨匠たちです。
東京を中心とする「日本美術院(院展)」と、京都の伝統を受け継ぐ画壇。東西それぞれの拠点で切磋琢磨した彼らの作品は、絵画としての美しさだけでなく、日本のアイデンティティを模索した深みを持っています。
現在、美術市場で高額取引の対象となる日本画には、この時代に活躍した作家の作品も多く含まれます。
横山大観(よこやま たいかん)
近代日本画壇を牽引した代表的な存在です。岡倉天心に師事し、菱田春草らと共に日本美術院の創設に参加しました。
大観の最大の特徴は、従来の日本画に必須とされた「輪郭線」をあえて描かず、空気を描くように色をぼかして表現する画法にあります。
これは当時「勢いがない」と批判され「朦朧体(もうろうたい)」と揶揄されましたが、彼はこれを独自の様式へと昇華させ、湿潤な日本の空気感を見事に表現しました。
また、大観といえば「富士山」といわれるほど、生涯を通じて数多くの富士を描いたことでも有名です。神々しくそびえ立つ富士の姿は、広く国民的な人気を博しました。
買取市場においても、富士山が描かれた作品はとくに人気が高く、全盛期の作品であれば数千万円単位の価格がつくことも珍しくありません。
竹内栖鳳(たけうち せいほう)
東京の横山大観に対し、「西の栖鳳(せいほう)」と並び称された京都画壇の重鎮です。
円山・四条派の伝統的な写生技術を基礎にしつつ、西洋画のリアリズムや構成力を貪欲に取り入れ、日本画に革新をもたらしました。
その画風は変幻自在で、「鵺(ぬえ)派」と呼ばれることもありましたが、それは彼があらゆる技法を巧みに使いこなす天才であったことの裏付けでもあります。
栖鳳の真骨頂は、なんといっても「動物画」にあります。代表作「斑猫(はんびょう)」に象徴されるように、描かれた動物の体温や柔らかい毛並み、さらにはその匂いまで感じさせるような描写力は、他の追随を許しません。
スズメや獅子など、生き生きとした動物が描かれた作品は現在でも非常に人気があり、掛軸一幅であっても非常に高い価格で取引されるケースが多々あります。
下村観山(しもむら かんざん)
横山大観、菱田春草と共に日本美術院の創立メンバーとして活躍した巨匠です。
東京美術学校(現・東京藝術大学)を第一期生として卒業し、若くして母校の教授となるなど、非常に優れた技術と知識を持っていました。
狩野派の厳格な古典技法を完璧に習得したうえで、イギリス留学で学んだ西洋画の色彩感覚や水彩画の技法を融合させた、気品あふれる画風が特徴です。
大観が「革新」の画家であるならば、観山は「調和」の画家といえるでしょう。その作品は、卓越した筆運びによる繊細な線描と、温かみのある色彩が同居しており、見る者に静かな感動を与えます。
代表作「弱法師(よろぼし)」のように、能や古典文学を題材にした作品が多く、その格調高さから、茶室や床の間に飾る一品として数寄者やコレクターから根強い支持を集めているのが特徴です。
川合玉堂(かわい ぎょくどう)
明治から昭和にかけて活躍し、横山大観、竹内栖鳳と共に「日本画壇の三巨匠」の一人に数えられます。
愛知県に生まれ、京都で円山・四条派の写生を学んだ後、東京で狩野派の筆法を習得。この二つの流派を融合させ、さらに独自の詩情を加えることで、日本の美しい自然や人々の生活を描き出しました。
玉堂作品の最大の魅力は、どこか懐かしさを感じさせる「日本の原風景」です。山河・水車・働く人々などが、穏やかで牧歌的なタッチで描かれており、見る人の心を和ませてくれます。
俳句を愛した彼らしく、絵画そのものが一つの詩のような風情を湛えています。とくに「彩雨(さいう)」と呼ばれる、雨上がりのしっとりとした風景表現は秀逸です。
普遍的な日本の美を描いた彼の作品は、一般家庭の床の間にも馴染みやすく、贈答品や資産としても広く愛され続けています。
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簡単WEB査定大正・昭和初期|「美人画」と「歴史画」の大家
明治の開拓期を経て、大正から昭和にかけては、特定のテーマを極める画家たちが台頭しました。
とくに、女性の美しさを描く「美人画」と、歴史的場面を再現する「歴史画」の分野で、後世に残る名作が数多く生まれました。
ここでは、その最高峰とも呼べる3人の巨匠をご紹介します。
上村松園(うえむら しょうえん)
上村松園は、京都に生まれ、女性として初めて文化勲章を受章した日本画家です。彼女が描く「美人画」は、外見が美しいだけでなく、内面から滲み出る気品と強さを秘めているのが最大の特徴です。
江戸時代の浮世絵に見られるような退廃的な美しさとは一線を画し、「一点の卑俗なところもない、清澄な美人画」を生涯追求し続けました。
代表作「序の舞」に描かれた女性の、凛と背筋を伸ばした姿は、松園自身の芸術に対する厳しい姿勢とも重なります。その格調高い作品は女性ファンも非常に多く、買取市場でも別格の扱いです。
とくに、着物の柄や髪の生え際の一本一本まで緻密に描かれた全盛期の作品は、美術的価値が極めて高く、高額査定の筆頭に挙げられます。
鏑木清方(かぶらき きよかた)
上村松園が「西の美人画」の頂点なら、「東の美人画」を代表するのが鏑木清方です。東京・神田に生まれ、挿絵画家としてのキャリアも持つ彼は、文学と絵画を融合させた独自のスタイルを確立しました。
泉鏡花などの文学作品を愛し、近代化によって失われゆく明治時代の東京の情緒や、市井の人々の暮らしを慈しむように描いています。
彼の描く女性は、生活感の中に艶やかな色気を漂わせているのが特徴です。
代表作「築地明石町」のように、人物画にとどまらず、その時代の空気感や物語まで封じ込めたような作品は、鑑賞者のノスタルジーを強く刺激します。
掛軸はもちろんですが、彼の手がけた挿絵の原画なども、文学性の高さから収集家の間で根強い人気を誇ります。
前田青邨(まえだ せいそん)
歴史上の人物や合戦の場面を描く「歴史画」において、現代日本画の最高峰とされるのが前田青邨です。
大和絵や琳派などの古典を深く研究し、色が乾く前に別の色を垂らして独特の滲みを作る「たらし込み」という技法を巧みに操りました。
彼の描く武者絵は、鎧兜(よろいかぶと)の精緻な描写と、モダンで大胆な構図が同居しており、歴史の教科書で見たことがあるような有名な場面も数多く残しています。
代表作「洞窟の頼朝」のように、人物の心理描写まで踏み込んだ重厚な作品は圧倒する力があります。
また、武者絵だけでなく「紅白梅」などの植物画も評価が高く、鮮やかな色彩と洗練されたデザイン性は現代の住空間にも映えるため、高額買取が期待できる作家の一人です。
昭和・現代|国民的風景画と革新的な表現
戦後の日本画壇では、伝統を継承しつつも、現代人の感覚に響く新しい表現が模索されました。
ここでご紹介する画家たちは、テレビや版画などを通じて広く親しまれている「国民的画家」であり、現在進行形で世界的な評価を受けている巨匠たちです。
市場価値の高い作家が多く、買取において高額査定が期待できるジャンルの一つといえます。
東山魁夷(ひがしやま かいい)
東山魁夷は昭和を代表する国民的画家です。彼の描く風景画は、特定の場所の写生でありながら、日本人の心の中にある「象徴的な風景」を感じさせます。
とくに「東山ブルー」と呼ばれる、群青や緑青を重ねた深く澄んだ青色の世界は圧巻です。月明かりに照らされた杉林や、静寂な湖畔を描いた作品は、人の心を浄化するような静謐(せいひつ)な力を持っています。
代表作「道」に象徴されるように、作品にはしばしば道や森が登場し、そこに人生の旅路を重ね合わせる鑑賞者も多いことでしょう。
また、唐招提寺の障壁画を手がけたことでも知られ、晩年の白い馬が登場するシリーズも非常に高い人気を誇ります。
平山郁夫(ひらやま いくお)
平山郁夫は、日本画壇の重鎮としてだけでなく、東京藝術大学の学長やユネスコ親善大使を務めるなど、文化財保護活動にも尽力した画家です。
彼が生涯のテーマとしたのが「仏教伝来」と「シルクロード」でした。自身の被爆体験から平和への祈りを込め、三蔵法師が歩んだ砂漠の旅路や、悠久の時を経た遺跡を幻想的なタッチで描きました。
群青を多用した夜空の表現はとくに評価が高く、砂漠を行くラクダの隊列を描いた作品は、まさに「平山芸術の代名詞」といえる存在です。
彼の作品は、そのスケールの大きさと精神性の高さから、企業の応接室や公的な場所に飾られることも多く、安定した需要を誇ります。
シルクロードシリーズの中でも、全盛期に描かれた色彩豊かな作品は、高額買取の対象として不動の地位を築いているといえるでしょう。
加山又造(かやま またぞう)
「現代の琳派」と称される加山又造は、日本画の枠組みを大きく広げた革新者です。
伝統的な花鳥画の美しさを踏襲しながらも、エアブラシなどの現代的な道具を大胆に取り入れ、従来の日本画にはなかったシャープで装飾的な画面を作り上げました。
金銀の箔を多用したゴージャスな背景に、繊細な線で描かれた桜や紅葉が浮かび上がる様は、息をのむ美しさです。風景画だけでなく、妖艶な裸婦像や、愛らしい猫を描いた作品も非常に人気があります。
また、身近なところではBMWのアートカーを手がけたり、久遠寺の天井画に巨大な龍を描いたりと、その活動は多岐にわたりました。
伝統とモダンが融合した彼の作品は、和室だけでなく現代的な洋室マンションにもマッチするため、若い世代のコレクターからも注目されており、買取相場も高水準を維持しています。
千住博(せんじゅ ひろし)
現在進行形で世界のアートシーンから高い評価を受けているのが、千住博です。1995年のヴェネツィア・ビエンナーレで東洋人初の名誉賞を受賞し、その名を世界に轟かせました。
彼の代名詞となっているのが、天然の岩絵具を使い、重力に従って絵具を流すことで滝を表現する「ウォーターフォール」シリーズです。
風景画の域を超え、シンプルかつ力強い抽象画のような佇まいは、ニューヨークをはじめとする海外のギャラリーでも高く評価されています。伝統的な日本画材を使いながら、現代アートとしての強度を持った作品は、グローバルな市場価値を持っています。
空港や公共施設のアートワークも数多く手がけており、知名度は抜群です。
「ウォーターフォール」のほか、崖を描いたシリーズや、鹿をモチーフにした作品なども人気があり、現代日本画の中で最も注目すべき作家の一人です。
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簡単WEB査定なぜ有名な日本画家の作品は「高値」がつくのか?
日本画の価格は、「絵のうまさ」だけで決まるわけではありません。美術界における作家の社会的評価は、価格を左右する非常に重要な要素の一つです。
具体的には、「文化勲章」の受章や「文化功労者」への選出、日本芸術院会員であるかどうかが、価格のベースラインにも影響します。これらは、長年にわたり日本美術界に貢献した証であり、揺るぎないブランドとなります。
他にも重要となってくるのが、その作品が「全盛期」に描かれたかどうかという点です。
同じ作家でも、画風が完成された脂の乗っている時期の作品は評価が高く、逆に晩年の衰えが見える作品や、模索期の作品は評価が下がることもあります。
そして、日本画特有の査定ポイントとして忘れてはならないのが「共箱(ともばこ)」の存在です。
これは作家自身が箱の蓋に作品名と署名を書き入れた桐箱のことで、これ自体が「本物の証(保証書)」の役割を果たします。共箱の有無によって、買取価格が大きく変わることもあるほど重要な付属品です。
自宅に眠っているかも? 価値ある作品を見分けるポイント

実家や蔵から古い掛軸や額装が出てきた際、まず確認すべきは「落款(らっかん)」と「印章」です。
絵の隅に書かれた署名と赤いハンコを確認し、インターネットなどで作家名と照らし合わせてみましょう。読み方が分からない場合でも、印章の形が手がかりになることもあります。
注意したいのが、その作品が「肉筆(にくひつ)」か「工芸画(印刷)」かという点です。
東山魁夷や平山郁夫などの人気作家は、リトグラフや木版画などの「版画作品」も多く流通しています。これらも十分に価値はありますが、一点物の肉筆画とは価格の桁が異なります。
見分ける簡単な方法は、ルーペやスマホの拡大鏡で表面を見ることです。
規則的な網点(ドット)が見えれば印刷の可能性が高く、逆に岩絵具特有の砂のような粒子のきらめきや、筆跡の盛り上がりが見られれば、肉筆画である可能性が高まります。
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簡単WEB査定価値ある日本画の買取依頼は「日晃堂」へ
横山大観や東山魁夷など、日本の巨匠たちが残した作品は、単なる絵画を超えた「文化資産」といえるでしょう。
もしご自宅に眠っている日本画があり、売却や整理でお悩みでしたら、ぜひ一度「日晃堂」へご相談ください。
日本画の価値は非常に繊細であり、作家の知名度だけでなく、制作年代や画題、市場のトレンドによって査定額が大きく変動します。
そのため、一般的なリサイクルショップでは専門的な判断が難しく、本来の価値よりも安く見積もられてしまうリスクも否定できません。
美術品・骨董品専門の買取店である日晃堂には、日本画に関する深い知識と、豊富な査定経験を持つ査定士が在籍しております。
「作者が誰かわからない」「本物かどうかも怪しい」といったお品物であっても、プロの確かな視点で真贋と価値を正しく見極め、お客様へ丁寧にお伝えできるのが私たちの強みです。もちろん、査定やご相談に費用は一切いただきません。
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