版画とは、印刷という間接的方法で表現する絵画の形式です。
木版画やリトグラフ、シルクスクリーンなどの技法が存在し、多くの画家が積極的に制作していました。
この記事では、版画の現在の価値と価値のある版画の特徴について詳しく解説します。
価値のある版画を売るときのポイントもご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
版画は今でも価値がある？
版画は今でも高い価値があり、古いものや人気画家のものなどは高値で取引されています。
オークションなどの二次販売では、需要と供給に応じて価値が決まるので、今でも需要が高い版画の場合は、数百万円〜数千万円という価値がつくこともあるでしょう。
実際に2023年3月に行われたオークションで、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」が280万ドルで落札されました。
2021年のオークションでは、神奈川沖浪裏の別の版が159万ドルで落札され、約2年間で120万ドルもの価値が上昇したと考えられます。
もちろん作品の状態により落札額は変動しますが、落札額から今でも版画には価値があることが分かると思います。
日晃堂でお買取した有名版画家、月岡芳年の作品「藤原保昌月下弄笛図」
今でも価値のある版画の4つの特徴
版画には今でも価値があるのですが、全ての作品に価値があるわけではありません。
今でも価値のある版画の特徴としては、オリジナル版画や状態の良い版画などが挙げられます。
価値のある版画の特徴を大きく4つご紹介するので、以下から参考にしてみてください。
①オリジナル版画
版画制作の全行程に画家が関与し、制作された版画である「オリジナル版画」は今でも価値があります。
オリジナル版画では、版画を作る目的で制作され、画家の制作意図と表現が反映されているのです。
一方で、画家が書いた原画を元に画家や遺族の承諾を得て制作された「エスタンプ（復刻版画）」の価値はそれほど高くありません。
その理由としては、版画以外の目的で描かれた、画家が版画に関与していない、という2点が挙げられます。
ただし、エスタンプでも質の良いものは価値がつくので、一度査定を受けてみることをおすすめします。
②有名・人気のある画家の版画
今でも価値のある多くの版画に共通している特徴が「有名・人気のある画家の版画」ということです。
「誰の作品なのか」ということはアート市場で重要視され、収集家から人気のある画家や、評価されている有名な画家の版画だと、今でも価値は高くなっています。
また、その画家らしさが出ているものや出来栄えの良いものなどは、同じ画家の版画の中でも価値がつきやすいです。
③希少性のある版画
オークションなどの二次販売では、需要と供給に応じて価値が決まるため、希少性のある版画は今でも価値があります。
例えば、画家本人のサインが入っている版画は、それだけで希少性が高くなり、価値が生まれるのです。
他にも、版画にはエディションナンバー（限定枚数）が入っているものがあり、その数が少なければ希少性の観点から価値が高くなります。
また昔の版画は、喪失したり二時販売で出回りにくいといった特徴があり、希少性が生まれやすいです。
④状態の良い版画
今でも価値のある版画の最後の特徴は、状態が良いことです。
収集家は「版画を飾りたい」と考えていることがあるため、作品の状態は価値に直結すると言われています。
特に昔の版画だと、状態が良ければそれだけで価値が高くなります。
280万ドルで落札された葛飾北斎の版画においても、状態が良かったことが落札額に大きく影響したようです。
現在、良い状態の版画をお持ちの方は風通しが良く、直射日光の当たらない場所に保管しておきましょう。
価値のある版画を売るときのポイント
価値のある版画を売るときは、知識と買取経験が豊富な買取業者に依頼することが大切なポイントとなります。
版画はオリジナル版画なのか、希少性はあるのか、状態は良いのか、など様々な要素から買取価格が判断されるため、版画買取のプロに依頼する必要があります。
また、良い状態のうちに売ることも抑えておきたいポイントの1つです。
自宅保管で良い状態を維持することは難しく、時間が経てば価値が下がってしまう恐れがあります。
もし、良い状態を維持できている場合は一度査定を受けてみることをおすすめします。
おわりに
版画は14世紀から美術の表現手段として広まり、現在では数多くの画家に愛されています。
その版画には今でもかなり高い価値がつき、オリジナル版画や人気画家の版画、希少性のある版画、良い状態の版画などには、数十万円〜数千万円という価値がつくことがあるでしょう。
また、版画の価値は需要と供給に応じて決まるため、現在お持ちの版画の価値を知りたい方は、買取業者に査定してもらうことをおすすめします。
私たち日晃堂では、版画を専門の鑑定士が丁寧に評価し、適正な査定・買取を行っています。
