天保8年から約20年間に渡って発行されていたのが、天保一分判金です。文政一分判金の次に発行された金貨で、ローラーで鋳造されたことにより、仕上がりが良くなっています。
この記事では、古銭買取において天保一分判金に価値はあるのか、ということについて解説します。古銭買取の相場や売却時の注意点もご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
天保一分判金とは?
天保一分判金は、1837年(天保8年)〜1858年(安政5年)に発行された金貨です。
天保一分判金は天保の大飢饉が起き、幕府の財政が苦しくなったことで発行されました。それまで鋳造されていた文政一分判金よりも金品位を下げ、文政一分判金を回収することで財政の立て直しを図ったようです。
また、この時代から鋳造にローラーを使用していたため、手打ちの鋳造よりも仕上がりの良いものが大量に作られるようになりました。
天保一分判金の特徴・品位
天保一分判金の規定とされる量目は2.8グラムで、品位は金が56.8%、銀が43.2%となります。
表面の中央には横書きで「一分」と彫られ、その上下に桐紋があり、上部の桐紋は扇形で囲われているのが特徴的です。裏面には時代印の「保」という文字と、花押の「光次」が彫られています。
天保一分判金 表面
裏面の時代印を確認すれば、他の一分判金と見分けることができるでしょう。また、天保一分判金はローラーで鋳造されたため、今までの一分判金よりも極印や色彩が美しくなっています。
天保一分判金 裏面
天保一分判金は価値のある古銭?
天保一分判金は、古銭買取において価値のある金貨です。今までの一分判金よりも、見栄えが良く作られたことで、見た目を重視する収集家や買取業者から人気があります。
また、天保一分判金と小判を合わせると約800万枚も鋳造されたと言われているため、現存する枚数は比較的多いのかもしれません。
天保一分判金の古銭買取相場
天保一分判金の古銭買取の相場は数千円〜数万円です。綺麗な状態を維持できているものや、彫られている文字がしっかりと残っているものなどは、数万円での買取になることが多いでしょう。
また、表と裏で上下反対になっている逆打ちなどのエラーが見られるものは、相場以上の買取額になることもあります。
一方で、摩耗で目立つものや、欠けているものなどは相場以下の買取額になるでしょう。古銭は市場の動向によっても買取額が決められるので、現在の価値・買取額を知りたい方は、一度査定に出してみることがおすすめです。
天保一分判金を売却する際の注意点
天保一分判金を売却する際は、必ず古銭買取の実績があるお店に依頼しましょう。
古銭の種類や状態を見極めるには知識と経験が必要で、一般的な中古買取店では適正な価格で買い取ってもらえないことがあります。
ホームページなどで古銭買取の実績を調べ、信頼できるお店で査定・買い取ってもらうことが大切です。
また、無理に綺麗な状態に戻さないように注意してください。洗浄したり、磨いたりすると「後から人が手を加えたもの」と判断され、価値が下がってしまう可能性があります。汚れていることで買取額が高くなることもあるので、そのままの状態で売却するようにしましょう。
おわりに
天保一分判金は約20年間流通していた金貨です。それまでの手打ちでの鋳造からローラーでの鋳造に切り替わったため、一枚一枚の完成度が高く、ほとんど同じ仕上がりとなっています。
極印や色彩など見栄えが非常に良く、時代背景も感じられる金貨ということから、古銭買取における価値は高く、美品であれば数万円で買い取ってもらえることが多いでしょう。
実際に探している収集家や買取業者も多いため、現在お持ちの方は一度査定に出してみることをおすすめします。私たち日晃堂では、古銭・天保一分判金を専門の査定士が丁寧に評価し、適正な査定・買取を行っています。
※記事内に掲載している買取価格は参考価格となり、買取価格を保証するものではございません。同様の作品であっても査定時の相場や作品状態などによって買取価格は変動いたします。