今回の日晃堂コラムでは、質問される機会も多い「着物と振袖の違い」について、着物初心者の方でもわかりやすいようにご紹介します。
この記事を読めば着物に関する素朴な疑問が解決しますので、ぜひ最後までご覧ください。
【振袖】は着物の一種
まず最初にお伝えしますが、「振袖」は着物の一種です。
着物は振袖などを含む”総称”のことで、例えば、黒留袖、色留袖、訪問着、附下(つけさげ)、浴衣なども着物に分類されます。このように、振袖は着物の一種であるため一概に違いを述べることはできません。
そこで今回、着物と振袖の定義をお伝えしたあとに、一番格式の高い留袖と振袖の違いについてご紹介します。
【着物】の定義
日本の伝統文化である着物はデザインや色、生地によって様々な種類や格式があります。季節やTPOによって選ぶ必要があり、非常に奥深い世界です。
現代では普段着として着用する機会はほとんどありませんが、着物は日本文化の象徴として世界中から人気があり、成人式や結婚式など、お祝いの席のような特別な機会に着ている方は今でも多くいらっしゃいます。
着物の格を大きくわけると4つあり、「礼装」「準礼装」「盛装」「普段着」の順で格が決まっています。礼装は「第一礼装」とも呼ばれており、最も格式(最高の礼装)が高い着物です。
具体的に言うと、結婚式の花嫁衣装である「打掛」、新郎新婦の母や親族が着用する「黒留袖」、未婚女性の第一礼装の着物である「本振袖」、葬儀や法事などで着用する礼服の「喪服」が礼装にあたります。
【振袖】の定義
着物の一種である「振袖」は、身頃(体の前面と背面を覆う部分)と袖との縫いつけ部分を少なくした、丈の長い着物です。現代においては「黒留袖」や「色留袖」、「訪問着」に相当する格式の礼装とされています。
振袖は未婚女性の第一礼装で、「成人式で定番の着物」といえばイメージしやすいのではないでしょうか。
振袖をもう少し深堀りしてお伝えすると、成人式や結婚式のゲストとして着用されるのが「中振袖」です。
そして、振袖の中で最も格式が高いのは「本振袖」で、袖の長さが113cmにも及びます。結婚式の際に、「白無垢」のお色直しとして着られることが多いですね。
卒業式やパーティなど、華やかな席で身軽に動きたい時は、「小振袖」が着用されますが、現代では最も袖丈の短い小振袖はほとんど着られることはありません。大振袖か中振袖が用いられるケースがほとんどです。
【着物】と【振袖】の違い
冒頭でもお伝えしたとおり、「振袖」は着物の一種です。着物は振袖などを含む和服の”総称”のことを言いますので、単純に両者を比較することはできません。
しかし、着物には格式があるため、TPOに合わせた着物を選ぶ必要があります。
例えば、未婚女性が着用する一番格式の高い着物が「振袖」で、既婚女性の場合は「黒留袖」です。そのため、既婚女性が第一礼装として振袖を着ることができません。逆もまた然りで、未婚女性が第一礼装として黒留袖を着ることはできません。年齢が若い人は振袖を着ても違和感がないため判断に迷いやすいですが、基本的に既婚者が振袖を着ることはしきたりに反してることになります。婚姻の事実を知る親族や親戚、友人から見ると既婚者が振袖を着用している姿には違和感がありますし、マナー違反として非難される可能性もあります。
先に述べたように「着物と振袖の違い」という観点での比較は難しいですが、”着物”という大枠の中での違いを述べるとすれば、非常にわかりやすいのが「女性の第一礼装の違い」です。未婚の若い女性が晴れ着として着用するのが「振袖」、逆に既婚女性が着用するのが「黒留袖」と覚えておいて損はありません。
まとめ
今回の日晃堂コラムでは、「着物と振袖の違い」というテーマを着物初心者の方にもわかりやすいように、ご紹介いたしました。
振袖は着物の一種で、着物は振袖などを含む”総称”のことを言います。 一概に両者の比較ができないことから、着物と振袖の定義をお伝えした後、女性の着物の中で一番格式の高い「留袖」と「振袖」の違いについて、着物初心者の方でもわかりやすいようにお伝えさせていただきました。
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