名前通り、クジャクの羽のような模様が表面に浮き上がっていることからその名が付いた孔雀石(くじゃくいし)。やや青みのある美しい緑色が特徴で、パワーストーンや装身具の材料として知られています。
そんな孔雀石の特徴や価値についてまとめてみました。
孔雀石とは?
冒頭で紹介したように、クジャクの羽のような模様が表面に浮かび上がっていることから「孔雀石」と呼ばれることになった鉱物ですが、これは具体的には銅を主成分とする二次鉱物です。
自然の中で、銅の鉱石が長期間にわたって二酸化炭素や水にさらされることで風化を起こし、やがてその状態で鉱物化します。
こうしてできるのが孔雀石ですが、その大きな特徴としては柔らかい性質を持っていることが挙げられます。
削りやすく粉末化させやすいということで、かつては岩絵の具のひとつとして使われていた歴史があります。孔雀石を粉末化して水にといて顔料として使用するわけです。
そのほか、古代から装飾品を彩る貴石のひとつとして使用されていたという歴史があります。
ちなみに、“世界三大美女”のひとりである古代エジプトの女王クレオパトラは、目の周りを濃いアイシャドウで縁取ったメイクをしているのが特徴ですが、アイシャドウとして使われていたのは孔雀石を原料とした顔料でした。
孔雀石の価値
孔雀石は現在、小さいものがアクセサリーを飾る貴石として使われていたり、大きいものが置物として売買されていたりしますが、物によって価値は大きく変わります。
数千円程度の価値しか持たないものもあれば、万単位の価値がつくこともあります。孔雀石の価値を定めるポイントは、その名前の由来にもなっている模様の美しさや状態の良しあしです。
すでに紹介したように孔雀石は柔らかい性質を持っており、衝撃に弱いため傷がつきやすいのですが、大きく目立つ傷があったりすると価値は下がってしまう傾向にあります。
孔雀石のお手入れ・保管方法
石の価値をキープするためには、査定の結果を左右する「状態の良さ」を保つ必要があります。
孔雀石の場合、柔らかい性質を持っているので外からのさまざまな刺激に弱い傾向にあることが注意点として挙げられます。
勢いよく落としたり、他の金属や石などにぶつかってしまったりするとヒビが入ったり欠けたりしてしまうことがあるので、孔雀石のアクセサリーなどを保管するときは、ほかのアクセサリーとは離して個別に保管することをおすすめします。
また、水に弱いという性質も持っているので、汚れがついたときなどは柔らかい布で優しく拭き、水洗いはできるだけ避けるようにしましょう。