やや茶色がかった黄金色の繊細な色合いが美しい琥珀(こはく)は、古くから宝石として世界中で親しまれてきた歴史を持ちます。
現在でもその変わらぬ美しさから高い人気を誇っていますが、ここではその特徴や価値について解説します。
琥珀とは?
琥珀は石の一種ですが、地中から採掘される“鉱物”ではありません。これは古代の樹木の樹脂が化石となったもので、唯一の有機物由来の宝石です。
ただし、樹木から出る樹脂なら何でも琥珀になるわけではなく、スギ科の針葉樹など、一部の種類に限られます。
そんな琥珀は、東洋においても西洋においても昔から価値のある宝石として知られてきました。たとえば江戸時代の日本では、徳川幕府への献上品として扱われていたという記録が残されています。
そのほか、数珠の素材として使用されることが多いのも特徴のひとつです。
琥珀の価値
琥珀の産地は世界中にありますが、ごく限られた種類の樹木の樹脂からしかできないこと、樹脂が化石化するまでには数千万年という長い年月が必要であることから、希少性が高いという特徴があります。
たとえば日本では岩手県久慈市が代表的な産地として知られており、良質な琥珀で知られているものの、量はそれほど多くありません。
そんな琥珀は高い価値を持ちますが、特に高い価値を持つのはやはり黄金色に近い輝きを持っている琥珀です。また透明度が高いものも高い価値を持つ傾向にあります。
そのほか、内部に虫が入っている“虫入り琥珀”は高い価値を持っています。
琥珀のお手入れ・保管方法
琥珀の価値を損なわないようにするためには、普段からお手入れや保管に気をつかう必要があります。
たとえば汚れを落としたいときは、
・まずは柔らかい布で拭く
・汚れが取れなかったら水で洗う
といった感じでお手入れをするのがおすすめです。
アルコール入りの洗浄液などを使用すると表面にダメージが生じることがあるので、避けましょう。
また、琥珀は柔らかい性質を持っているので、他のジュエリーなどと一緒に保管するのはおすすめできません。他のジュエリーの金具などに当たって損傷してしまう可能性があるからです。
できるだけ個別に保管することを心がけましょう。