庄内一分銀は製造場所などにより、刻印にいくつか違いがあるのが特徴の銀貨です。この刻印の違いで希少性が出て、査定が高額となる庄内一分銀があります。この記事では庄内一分銀の歴史の他に、特徴と価値についても解説しました。もし庄内一分銀がお手元にありましたら、この記事に書いてある特徴と庄内一分銀を見比べてみてください。
庄内一分銀の歴史とは?
庄内一分銀は1868年(慶應4年)5月の約1ヵ月間で、庄内藩が区別できるよう流通中の天保一分銀に「庄」を刻印したものと言われています。その当時は銀の含有率が低く、質の悪い安政一分銀が流通していました。この安政一分銀と質の良い天保一分銀区別をつけるために、庄内一分銀が造られたと言われています。
また庄内一分銀とは、天保一分銀の表面に「庄」と刻印された銀貨なので、素材や大きさなどが同じ高品質な銀貨であり、刻印や額縁の桜なども同じ見た目です。
しかし、庄内一分銀は他の一分銀よりも価値が高いものとされており、庄内一分銀は安政一分銀の1.25倍の価値になります。
庄内一分銀の特徴と品位
規定とされる量目は約8.6グラムで、品位は金が0.2%、銀が98.9%、その他が約0.9%となっています。寸法は約24×16.5×0.3(mm)です。
庄内一分銀は縦長の長方形の貨幣で、表面中央に縦に「一分銀」、裏面は「定・銀座・常是」が刻まれています。裏面にある「常是」は銀貨の発行と検品を行う、銀貨の発行機関を指しています。
庄内一分銀は、庄内藩にある鶴岡(山形県鶴岡市)や酒田(山形県酒田市)という地名の場所で製造されたと伝えられています。
庄内一分銀は造られた場所で微妙にデザインが異なる場合がありました。鶴岡で「庄」が刻印されている庄内一分銀は、裏面の左下に小さいかたばみ印のような模様が彫られています。
一方、酒田で「庄」が刻印されていた庄内一分銀は、裏面の右下にかたばみ印のような刻印が小さく刻まれています。
庄内一分銀の価値
庄内一分銀は「天保一分銀」という貨幣に「庄」の刻印が珍しい貨幣です。天保一分銀よりも発行枚数が少ないため、現存数もあまりないため希少性が高くなっています。
買取市場では、元となる天保一分銀の約3倍の価格が付く場合があり、状態が良いものは数万円以上になる可能性があります。
また鶴岡で造られた「鶴岡製」は発行数が少なかったため、「裏面の左下に印がある庄内一分銀は希少価値が高い」とされているので、査定が高額になる可能性があるでしょう。
その他にも、庄内一分銀にはわずかな文字の刻印で違いがあり、「跳分」と「長柱」という2種類の特徴ある形状のものは希少性が高いです。「跳分」というのは、表面の「一分銀」という文字の分の上部の八の左払いの部分が、跳ね上がっているものを指します。「跳分」の場合、買取価格は倍以上になる可能性もあります。
一方「長柱」は、裏面の右下にある座の下の土の縦の線が、上に長く伸びているという特徴があります。「長柱」の庄内一分銀は、買取価格がさらに高額になることもあるでしょう。
古銭買取で庄内一分銀を高く売るコツ
庄内一分銀に関わらず、個人間の売買はトラブルが起こる可能性もあります。古銭専門の査定士がいる買取業者に依頼をしましょう。また、古銭は直接触らないことや、安易に洗浄をしない事も重要です。銀貨はできるだけ現状を保つことが高額査定へと繋がります。
直接手で触ってしまうと汗などで変色するなどする可能性が高いため、柔らかい布で優しく拭き取ってください。ケースなどを使用し、査定額が減額にならないためにも大切に保管することがおすすめです。
おわりに
庄内一分銀は現存数の希少性ではなく、刻印の違いでも高額査定になります。刻印の違いもさまざまな種類があるので、じっくりと観察してみるのもおすすめです。
もし、お持ちの庄内一分銀の価値が気になりましたら、ぜひ私たち日晃堂に査定をさせてください。知識と実績がある専門査定士が丁寧に評価し、適正な査定・買取を行っています。お気軽にお問い合わせください。