万延一分判金 表
出展:国立文化財機構所蔵品統合検索システム(https://colbase.nich.go.jp/collection_items/tnm/E-20143?locale=ja)
万延一分判金は、安政一分判金の次に発行された金貨です。江戸時代最後の一分判金で、収集家や買取業者から高い人気があり、価値のある古銭の1つでしょう。
この記事では、万延一分判金が発行された経緯や品位、買取相場などについて詳しく解説します。古銭買取を依頼する業者の選び方も合わせてご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
万延一分判金とは?
万延一分判金は、万延元年〜元治元年(1860年〜1864年)に鋳造された一分判金です。江戸時代には多くの一分判金が鋳造されましたが、最も小さく最後に発行されたものになります。
発行された経緯としては、当時駐日公使だったタウンゼント・ハリスから「金と銀の交換比率を海外と同じ金1:銀15に合わせる」という提案を受けたことにあります。その提案に対して幕府は、小判の品位を変えずに重さを変更。万延小判が誕生し、金と銀の比率は世界水準と同じ金1:銀15となりました。併せて万延一分判金の重さも、万延小判の4分の1となるように変更されたのです。
また、日本の金や銀の流出を防ぐために、鋳造数が4万枚に抑えられたことも万延一分判金の特徴となるでしょう。
万延一分判金の特徴・品位
万延一分判金 裏
出展:国立文化財機構所蔵品統合検索システム(https://colbase.nich.go.jp/collection_items/tnm/E-20143?locale=ja)
万延一分判金の規定とされる量目は0.82グラムで、品位は金が57%で、銀が42%となっています。形はこれまでの一分判金と変わらず長細い短冊形ですが、サイズ感としてはかなり小さいです。
また、それまで発行されていた「安政一分判金」と同様に、表面に彫られている一分の「分」の字が一部跳ねているものと、止められているものの2種類発行されていました。
安政一分判金と見分けることは難しいですが、右上に時代を示す「正」の字が彫られていない場合、万延一分判金と判別できるでしょう。
古銭買取での万延一分判金の価値は高い
万延一分判金の価値は高くなります。その理由としては「現存している枚数が少ない」ということが挙げられるでしょう。万延一分判金は鋳造数が少なかったうえに、小さく鋳造されたため、他の一分判金と比べて現存している枚数が少ないようです。
また、江戸幕府終焉を迎えた最後の通貨でもあり、夏目漱石や新選組などの著名人も利用していたと推測され、その点からも価値が高くなっています。万延一分判金には「分」の書体によりハネ分とトメ分の2種類ありますが、古銭買取ではトメ分の方が価値がつきやすいです。
万延一分判金の古銭買取相場
万延一分判金の古銭買取相場は、数万円〜数十万円です。一分判金の中でも高額な買取価格になることが多く、状態が良いものやトメ分のものは買取価格が跳ね上がることもあるでしょう。
エラー銭と言われる裏表が上下逆になっているものであれば、より買取価格は高くなります。
また、万延一分判金の鑑定書を用意することで、買取価格が高くなる可能性があるので、売却を考えている方は事前に用意するようにしてください。
古銭買取を依頼する業者の選び方
古銭買取を依頼する業者を選ぶときは「古銭買取の実績があるか」ということを確認してください。古銭の価値を正しく査定するには知識と実績が必要で、買取実績のある業者に依頼しなければ、損をしてしまう可能性があります。
また、価値があるとされている古銭は、贋作が多く出回っているため、本物であるにも関わらず贋作と判断されることも考えられます。
万延一分判金の売却を考えている方は、ホームページから「古銭買取の実績はあるのか」「経験豊富な査定士士が査定するのか」などの情報を確認し、買取業者を選ぶことをおすすめします。
おわりに
万延一分判金は万延元年〜元治元年に発行されていた金貨で、今までの一分判金の中で最も小さく鋳造されました。
小さく鋳造された背景には、アメリカ側からの提案があったようです。万延一分判金は江戸時代終焉を迎えた最後の通貨であることから、古銭買取における価値は高くなっています。
綺麗に保管されていたものや、トメ分の万延一分判金は数十万円という買取価格になることがあるでしょう。現在、万延一分判金をお持ちの方は、古銭買取の実績が豊富な業者に査定依頼してみてはいかがでしょうか。
私たち日晃堂では、古銭・万延一分判金を専門の査定士が丁寧に評価し、適正な査定・買取を行っています。
※記事内に掲載している買取価格は参考価格となり、買取価格を保証するものではございません。同様の作品であっても査定時の相場や作品状態などによって買取価格は変動いたします。