近年、デジタルカメラやスマートフォンで写真を撮るのが一般的になりましたが、フィルムカメラの人気も再び高まっています。レトロな質感や撮影の楽しさが再評価され、趣味として新たにフィルムカメラを始める人も増えています。
「フィルムカメラって何?」
「フィルムカメラの仕組みは?」
など、フィルムカメラについて知りたい方のために、特徴などをまとめました。フィルムカメラとは何か、一眼レフやデジタルカメラとの違いなども解説しています。
フィルムカメラとは?
まずは、フィルムカメラの特徴や仕組み・歴史について説明いたします。
フィルムカメラの仕組み
フィルムカメラとは、画像を記録するメディアである「フィルム」に感光させて像を作り出すカメラです。
フィルムはテープ状で、感光剤が塗布されています。レンズを通過した光がフィルムにあたると、光の強さや色の波長を記録する仕組みです。
薬品などによる化学反応を利用して記録した像を固定させる現像処理により、画像として可視化されます。
フィルムカメラの特徴
フィルムカメラで撮影すると感光剤の影響によりざらざらとした粒状感が出るため、深みと雰囲気を生み出します。
温かみや人間味を感じるレトロな写真に仕上がるのが特徴です。フィルムならではの独特な雰囲気が演出され、個性的な色味や風合いを楽しめる点もポイントでしょう。
また、現像処理をしなければ画像として可視化できないフィルムカメラは、写真が出来上がるまでどんな仕上がりか確認できません。
現像する際にワクワク感が味わえるのも、フィルムカメラの大きな魅力です。
フィルムカメラの歴史
フィルムカメラの誕生は、アメリカの実業家ジョージ・イーストマンによって1885年に紙フィルムの製造が始まったことがきっかけです。そして、イーストマンが創設したイーストマン・コダックが1888年にロールフィルムを発売し、フィルムカメラが普及します。
1925年にはライカから現代使用されているフィルムカメラの原型となる「ライカA型」が発表され、日本では1928年に国内初のフィルムカメラ「菊フヰルム」が登場しました。
1935年にはカラーフィルム、20世紀半ばにはインスタントカメラも登場し、フィルム技術が飛躍的に発展。1980年代になると写真技術に革命が起こり、アナログからデジタルに移行する流れとなりました。
フィルムカメラとデジタルカメラの違い
カメラは大きく分けてフィルムカメラとデジタルカメラに分けられます。フィルムカメラとデジタルカメラの大きな違いは、画像を記録する仕組みです。
フィルムカメラはフィルムを感光させて像を作り出すのに対し、光を電気信号に変えてデジタルデータとして記録します。デジタルカメラは撮影画像をデジタルデータとして本体やメモリーカードに保存でき、撮影直後から液晶モニターなどで確認が可能です。
フィルムカメラは現像するまで画像を確認できませんが、デジタルカメラは撮影画像をその場で確認できます。
フィルムカメラの種類
・一眼レフカメラ
・コンパクトカメラ
・レンジファインダーカメラ
・二眼レフカメラ
・インスタントカメラ
フィルムカメラには主に上記のような種類があります。それぞれの特徴を見てみましょう。
一眼レフカメラ
一眼レフカメラは、レンズが捉えた映像をミラーで反射させてファインダーから確認できるカメラです。ファインダーからピントや構図を調整しながらシャッターを押せるため、正確な撮影ができます。
また、被写体などによってレンズ交換が可能で、撮影の表現が広がる点も一眼レフの特徴です。
コンパクトカメラ
コンパクトカメラは、軽量で手に収まるサイズのコンパクトなフィルムカメラです。レンズ交換ができない固定レンズ式で、シンプルな操作で撮影ができます。
初心者にも扱いやすく、旅行などにも持っていきやすい点が大きなメリットです。リーズナブルなモデルが多く、フィルムを交換することで繰り返し使えるため、使い捨てカメラよりお得に写真が楽しめます。
レンジファインダーカメラ
レンジファインダーカメラは光学視差式距離計が組み込まれ、被写体までの距離を測ってピントや構図を決めるカメラです。カメラには2つの窓が設置され、それぞれの窓から入った2つの像を合致させるようにピントリングを調整して撮影します。
慣れるまで操作が大変という声もありますが、一眼レフカメラより小型軽量、静かなシャッター音などの点で愛用者が増えているカメラです。
二眼レフカメラ
二眼レフカメラは縦にレンズが2つ並んでいるカメラで、上部のビューレンズで構図などを決め、下部のテイクレンズで撮影する仕組みです。
二眼レフカメラは真四角でプリントされるため、他のカメラでは表現できない独特の世界観が楽しめます。電気を一切使わない構造であるため、シンプルで故障しにくい点も二眼レフカメラの特徴です。
インスタントカメラ
インスタントカメラはチェキやポラロイドとも呼ばれており、撮影写真をその場で現像・プリントできるカメラです。
友達や家族とその場で現物を共有できるため、エンタメのツールとしても注目されています。ポップなフォルムやパステルカラーのモデルなど、デザイン性の高い豊富な種類が販売されており、女性を中心に人気があるカメラです。
フィルムカメラはやめたほうがいい?メリットデメリットを紹介
フィルムカメラには、一部で「やめたほうがいい」という声もあります。
フィルムカメラのメリット・デメリットを把握し、最適なカメラ選びをしましょう。
メリット
・持ち運びがしやすい
・リーズナブル
・現像写真が楽しみ
・独特の雰囲気が楽しめる
フィルムカメラのメリットは、持ち運びがしやすい点が挙げられます。小型で軽い設計であるため、外出の際に携帯しやすく気軽に撮影が楽しめるでしょう。また、リーズナブルなモデルが多く、購入のハードルが低い点も魅力です。
現像するまで仕上がりがわからない部分も、ユーザーにとっては楽しみのひとつとなっています。また、フィルムカメラならではの雰囲気ある写真を撮影できる点もメリットといえるでしょう。
デメリット
・現像しないと画像を確認できない
・費用と手間がかかる
・失敗した画像の取り消しができない
・デジカメほど細かいコントロールができない
フィルムカメラの大きなデメリットは、現像しないと画像を確認できない点です。どんな写真になっているかすぐにわからないため、撮り直しなどの判断もすぐにできないでしょう。
また、現像代やフィルム代、フィルムの交換など、費用と手間がかかるカメラでもあります。本体はリーズナブルですが、ランニングコストは他のカメラより必要になるかもしれません。
また、デジタルカメラのようにデータ化されないため、失敗した画像を取り消すことはできません。どんな画像でも他の写真と一緒に現像されてしまい、可視化されてしまいます。
デジタルカメラほど複雑なコントロールができるカメラではないため、限られた幅のなかで撮影する必要がある点も留意しておきましょう。
初心者におすすめのフィルムカメラ3選
・PENTAX SP
・FUJIFILM チェキEVO
・ライカ「ライカMP」
カメラ初心者におすすめのフィルムカメラを3つ厳選しました。それぞれの特徴を紹介します。
PENTAX SP
PENTAX SPは1964年に発売されて以来、世界で数百万台売れたともいわれているロングセラーの一眼レフカメラです。
一眼レフカメラ初心者にもよく愛用されるモデルで、操作性のよさ・デザイン性・人気のレンズを使用できる点が注目されています。本体もレンズも比較的リーズナブルであるため、入門機としてオススメです。
FUJIFILM チェキEVO
FUJIFILM チェキEVOは、インスタントカメラでありながらカメラに画像データが保存されます。現像する写真を選べたり、複数枚現像できたりする便利なカメラです。
上質なクラシカルデザインや、ブラウンとブラックの落ち着いたカラーバリエーションも人気の理由でしょう。アプリと連携すればスマートフォンの写真をチェキプリントにでき、現代的な楽しみ方ができる点も魅力です。
ライカMP
現代フィルムカメラの原型を作り出したライカから販売されているライカMPは、根強い人気があるレンジファインダー機です。
精密技術の粋を集めた不朽の名作といわれ、さまざまな光の状況に対応しながら撮影者をサポートします。場所を選ばず撮影に集中できる抜群の耐久性は、ライカブランドならではのポイントです。
おわりに
フィルムカメラとは、感光剤を塗布したフィルムに光を感光させる仕組みのカメラです。レトロで独特な風合いの写真を撮影できるとして、多くのユーザーが愛用しています。
デジタルカメラは画像がデータ化されて撮影直後からすぐ確認できますが、フィルムカメラは現像しなければ写真が確認できません。そういった点も、現像までの時間を待つ楽しみとして支持されています。
初心者にオススメのフィルムカメラには、PENTAX SPやFUJIFILM チェキEVO、ライカMPなどがあります。一眼レフに挑戦したい場合はPENTAX SP、写真を選んで現像したい場合はFUJIFILM チェキEVO、ライカブランドに惹かれる場合はライカMPが良いでしょう。
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