
久しぶりにフィルムカメラを取り出して撮影しようとした際、シャッターボタンを押しても反応がない…そんな経験はありませんか?
シャッターが切れないと、「壊れてしまったのでは」と不安になる方も多いでしょう。しかし、実はちょっとした操作ミスや設定の確認不足が原因であることも少なくありません。
本記事では、フィルムカメラのシャッターが切れないときに考えられる原因と、その対処法まで詳しく解説します。
フィルムカメラのシャッターが切れない主な原因
シャッターが切れない原因は大きく分けて「操作・設定上の問題」と「機械的・電子的な不具合」に分類できます。
まずは、自分で確認できる範囲からチェックしてみましょう。
フィルムが正しく装填されていない
最もよくある原因のひとつが、フィルムの装填ミスです。
スプロケットにしっかり噛んでいない、巻き上げレバーが最後まで回り切っていないと、シャッターは作動しません。
フィルムを装填したあとに、空シャッターを1〜2回切る必要がある機種もあります。
電池切れまたは接触不良
一部の機械式カメラを除き、電子制御式のフィルムカメラでは電池がないとシャッターが動作しません。
また、電池の接点部分がサビていたり、汚れていたりする場合も通電しないことがあります。しばらく使っていなかったカメラで起きやすいトラブルです。
レンズキャップやカバーがついたまま
機種によっては、レンズキャップを装着したままだとシャッターが切れない設計のものもあります。
また、レンズ自体がしっかり装着されていないと、シャッターがロックされる仕様のカメラもあるので確認してみてください。
露出計やAEロックの影響
オート露出(AE)機能付きのカメラでは、測光結果が異常な場合にシャッターが切れないよう制御されることがあります。
暗すぎる場所や逆光などでこの症状が出ることもあります。また、AEロックが意図せず働いている場合も要注意です。
シャッターチャージされていない
完全機械式のカメラでは、シャッターチャージ(巻き上げ)を行わないとシャッターは切れません。
巻き上げレバーの操作が足りない、あるいは途中で止まっていると、ボタンを押しても反応しないことがあります。
シャッターが切れないときの対処法とチェックポイント
「シャッターが切れない=故障」と即断する前に、まず以下のポイントを確認してみましょう。
フィルムの装填状態を確認する
フィルムがスプロケットにしっかり噛んでいるかを確認し、巻き上げを正しく行ってください。
巻き上げレバーに引っかかりがある場合は、一度フィルムを取り出して再装填してみるのも一つの方法です。
新しい電池に交換してみる
古い電池や互換性の低い電池を使っている場合は、新しい純正または推奨の電池に交換しましょう。
その際、電池室の接点も乾いた綿棒などで軽く拭いておくと接触不良の防止になります。
レンズと周辺の状態をチェック
レンズキャップが外れているか、レンズがきちんとマウントされているかを確認してください。
特にオートフォーカス機能付きのカメラは、レンズ装着不良でシャッターがロックされるケースがあります。
シャッタースピードや撮影モードを確認する
設定が「バルブ(B)」になっていると、シャッターが長時間開きっぱなしになるため、うっかり設定ミスで切れないと勘違いすることもあります。
マニュアルモードで適正なシャッタースピードに設定し直してみましょう。
それでも直らないときは?修理が必要なケース
上記のチェックをすべて行っても改善しない場合は、内部のメカや電子回路に不具合が発生している可能性があります。
自身で確認するのが難しい場合は専門業者へ依頼することも検討してみてください。
メカニカル部品の劣化
長期間使用していないカメラでは、シャッター機構のバネが劣化していたり、潤滑油が固まっていたりすることがあります。
特に機械式シャッターを搭載したモデルは、この傾向が顕著です。
電子制御部の不具合
基板の腐食やコンデンサの不良など、電子部品のトラブルもシャッター不良の原因です。こちらは素人では確認・修理が難しいため、専門業者による点検が必要です。
フィルムカメラを長く使うためのメンテナンス術
シャッター不良を防ぐためにも、日頃からのメンテナンスが大切です。
定期的なシャッター動作確認
たとえ撮影の予定がなくても、数ヶ月に一度は空シャッターを切って、動作の確認をしましょう。
湿気・温度管理に注意
カメラを高温多湿な場所に保管すると、内部にカビが発生したり電子部品が劣化したりすることがあります。
防湿庫や乾燥剤を活用しましょう。
放置したままにしない
機械は動かしてこそ調子を保てます。
定期的に撮影し、シャッターや巻き上げ機構を動かしておくことも立派なメンテナンスの一つです。
おわりに
フィルムカメラのシャッターが切れないというトラブルは、決して珍しいものではありません。
その多くは操作や設定の確認で解決できることがほとんどです。まずは落ち着いて基本的なチェックを行い、それでも解決しない場合はプロの手を借りましょう。
適切なメンテナンスを行えば、フィルムカメラは何十年も使い続けられる優れた道具です。大切なカメラを長く楽しむために、定期的なケアと知識を身につけておきましょう。
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