横山大観の掛け軸 模写が多い作家だからこそ知っておきたい査定のポイント
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横山大観の掛け軸は模写や工芸印刷も多いため、肉筆か否かや共箱・鑑定証、状態など査定時のポイントを知ることが重要です。シミやヤケがあっても諦めず、まずはプロに相談するのが確実です。価値や真贋が気になる大観作品の査定ポイントを解説します。
目次
出回っている大観作品には模写や印刷物も多い
蔵や床の間から横山大観の署名が入った掛け軸が出てきた場合、まず知っておきたいのは、市場に流通している大観作品の多くが模写や工芸印刷(精密な複製)だという点です。大観は近代日本画を代表する画家で、生前から人気が非常に高かったため、精巧な模写や印刷物が数多く作られてきました。
だからといって「うちのも偽物だろう」と決めつける必要はありません。ただ、署名や落款があるだけでは本物とはいい切れないことは、査定に出す前に知っておいた方がよいでしょう。
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査定で見ている3つの基準
査定員が大観の掛け軸を評価するときの基準は、次の3点です。
肉筆かどうか
最初の関門は、手描きの肉筆か、それとも工芸印刷かの判別です。大観が確立した「朦朧体(もうろうたい)」は、輪郭線を使わずに刷毛や筆で色の濃淡を重ねていく技法で、独特のぼかしと奥行きが特徴です。
工芸印刷の場合、ルーペで拡大すると細かな網点(ドット)が見えます。肉筆であれば、筆による絵の具の厚みや、墨が絹の繊維に沈み込んだ跡が確認できます。落款の印影が図録と一致していても、印刷技術で複製されている可能性があるため、落款だけで真贋は判断できません。
共箱・鑑定証の有無
大観本人が署名・捺印した「共箱」が残っていれば、真作の裏付けとして評価が上がります。箱が作品と別の場所に保管されていることもあるので、蔵の奥に箱だけ残っていないか確認してみてください。
また、日本美術院や横山大観記念館といった所定鑑定機関が発行した「鑑定証」が付属している場合は、市場での信頼性が大きく高まります。
本紙と軸装の状態
本紙(絵が描かれている部分)のシミ・ヤケ・折れや、軸装の傷みなども確認します。ただし、状態については次のセクションで詳しく触れます。
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簡単WEB査定シミやヤケがあっても、評価がつくケースは多い
「長年しまっていたのでシミだらけ」「本紙に折れがある」「箱が割れている」といった理由で売却を諦める方がいます。しかし、古い掛け軸に経年劣化はつきものです。状態が悪いからといって、それだけで価値がなくなるわけではありません。
大観のような著名作家であれば、表具の仕立て直しや専門的な修復を前提に評価できるため、多少の傷みがあっても買取額がつくケースは珍しくありません。特に「富士山」を描いた作品(霊峰、神州第一峰など)は大観の代名詞ともいえる画題で、国内外で根強い需要があります。
重要なのは、ご自身で汚れを落とそうとしないことです。市販の薬品で拭いたり、強くこすったりすると、絵の具の剥落など損傷が生じる可能性があります。そのままの状態で拝見することが、正確な査定につながります。
鑑定証がない場合、自分で鑑定に出すべき?
「鑑定証がないから、査定に出す前に自分で鑑定機関に持ち込んだほうがいいのでは」と考える方もいますが、あまりおすすめできません。鑑定には申請費用と時間がかかります。模写と判定された場合、費用だけが持ち出しになってしまいます。
まずはスマートフォンで作品全体と落款を撮影し、LINE査定や無料Web査定で専門の査定員に確認してもらう方法が手軽です。「鑑定機関に出す価値がありそうかどうか」のアドバイスをもらったうえで、次のステップを判断できます。
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