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茶碗・陶磁器の「高台」とは?種類や見方、価値が変わる骨董品買取のポイント

骨董品の茶碗や皿を裏返すと、底に器を支える台状の部分が見られることがあります。これが「高台(こうだい)」です。

輪状のものが代表的ですが、四角形や切れ込みのある形など種類はさまざまです。器の足だと思われがちですが、作られた時代や産地、作家を推定する手がかりが詰まった部位でもあります。

本記事では、骨董品の価値を左右する高台の意味や種類、査定時に見ているポイントを取り上げました。

目次

骨董品でよく聞く「高台(こうだい)」とは?

茶碗・陶磁器の「高台」とは?種類や見方、価値が変わる骨董品買取のポイント

テレビの鑑定番組や骨董品の査定現場で、「高台の作りが良い」「高台の削りが見事だ」といった言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

器の裏側にあるこの小さな部分は、真贋(本物か偽物か)や価値を見極める際のチェックポイントとなるものです。

そもそも高台とは何か?

高台とは、茶碗や皿などの底に設けられた「器を支えるための基台・脚部」を指す工芸用語です。陶磁器の分野でとくによく使われます。

「高台」という語はもともと高い建造物や見晴らしのよい土地なども指す言葉ですが、陶磁器の分野では器の底の出っ張りを表す言葉として定着しました。

歴史を遡ると、天正15年(1587年)の茶会記『宗湛日記(そうたんにっき)』に高台という語の用例が確認できます。

このことから、遅くとも桃山時代には高台が茶陶を語るうえで意識されていたことがうかがえるでしょう。茶の湯では、器の表だけでなく高台の形や削り、土見せなども鑑賞の対象となってきました。

つまり高台は、器を立たせるためだけの部品ではなく、「美しさを鑑賞するための部位」としても数百年にわたり受け継がれてきた存在といえます。

高台が作られる「3つの目的」と役割

高台には、「機能・製作・美意識」という3つの目的があります。

第一の機能的な役割は、器を安定して自立させること。接地面を限定することで、熱が卓面に直接伝わりにくくなる場合もあります。

第二は、製作工程上の理由です。粘土が半乾きになった時点で底を削って形を整える工程が含まれるほか、量産品では高台や釉剥ぎ、目跡などが重ね焼きの痕跡として残る場合もあるでしょう。

第三は、鑑賞上の役割です。茶道の世界では、土の質感(土見せ)や釉薬の掛かり具合、削り跡そのものが「見どころ」として鑑賞の対象になっています。

これら3つの要素が組み合わさることで、高台は器の個性を決める部分となるのです。

陶磁器だけじゃない? 漆器や金工における高台の現れ方と違い

高台は陶磁器だけでなく漆器や金工(きんこう=金属工芸品)の器物にも用いられることがあります。ただし、これらは素材によって見どころや評価軸は異なるものです。

たとえば、古い時代の天目盆(てんもくぼん)などの漆器では、器全体を持ち上げるための構造体として高台が作られ、木地や塗りに職人の技術が現れます。

一方、金工品では、香炉などに脚部や台座状の支持部が設けられることがありますが、陶磁器の高台とは呼称や構造が異なるため、同一視せず素材ごとの造形として観察する必要があるでしょう。

陶磁器の高台が「土の性質や窯の焼き方」を伝えるのに対し、漆器は「木地や塗り」、金工は「造形や装飾」が主な観察対象です。

碁笥底や平底とはどう違う?

器の底には、高台がないタイプも存在します。代表的なのが「碁笥底(ごけぞこ)」や「平底(ひらぞこ)」と呼ばれる形状でしょう。

高台の基本的な条件は、「畳付(たたみつき)」と呼ばれるテーブルに接する部分が、底から独立して立ち上がっていることです。

これに対し碁笥底は、囲碁の石を入れる容器のように底部をえぐるように処理した形状で、独立した輪の出っ張りがありません。平底も文字通り、底全体が平らに接する作りです。

裏返したときに、接地する部分が独立して立ち上がっているかどうかが、高台の有無を見分ける一番のポイントでしょう。

高台がないからといって価値が低いわけではなく、それぞれ作られた目的や時代による形の違いを楽しめます。

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高台と間違えやすい部分と正しい見分け方

茶碗・陶磁器の「高台」とは?種類や見方、価値が変わる骨董品買取のポイント

器を「持ち上げて見せる」という点では高台に似ていても、専門的にはまったく別の名称で呼ばれる部分も少なくありません。

ここでは、高台と間違えやすい4つの要素と、その見分け方を整理します。

「高足杯(こうそくはい)」と高台の違い

高足杯とは、ワイングラスのように細長い脚(柱)を持つ器のことです。底が高く持ち上がっているため高台の仲間のように見えますが、骨董の分類上は区別される器形です。

見分け方のポイントは、支えている部分の形状にあります。茶碗や皿の高台は、底部に直接設けられた短い支持部であるのに対し、高足杯は細長い脚柱で器体を支える構造です。

中国では元代以降にとくに流行し、明代にも多くの作例が見られる器形です。脚が柱状になっているものは高台とは呼ばないと覚えておくと、混同を防げます。

「天目台(てんもくだい)・台座」と高台の違い

天目茶碗などの高級な器を乗せる「天目台」や飾るための「台座」も、高台と間違えられやすい道具です。

これらも器を高く持ち上げる役割がありますが、決定的な違いが1つあります。それは「器本体とくっついているかどうか」という点です。

高台は器そのものの底に作られた一部ですが、天目台や台座は、器とは別に作られた「スタンド(置き台)」にあたります。

箱に一緒に収納され、一組のように見えても、手で持ち上げたときに器と台が離れるのであれば高台ではありません。

高台を見るときは、「器と一体化している底のパーツ」だけを観察するのが原則です。

角皿の輪郭・縁と高台

四角い「角皿」や、花びらのような形をした「輪花皿(りんかざら)」などの縁取り部分を、高台と勘違いしてしまうケースもあります。

器のフチが立ち上がっているため混同しやすいのですが、これらはあくまで器を上から見たときの「外枠の形(平面形)」です。

高台とは「裏面にある接地するための構造」なので、役割も場所もまったく異なるもの。

見分け方は簡単で、器を裏返して机に置く部分を確認するだけです。角皿であっても、裏側に独立した輪状の出っ張りがあれば、それが高台にあたります。

フチの形に惑わされず、裏側の中央付近にどのような支えがあるかに注目しましょう。高台がない平らな底の角皿も多く、査定の際はこの底面の作りに価値判断の基準が隠されています。

口縁の「覆輪(ふくりん)」と高台

「覆輪」とは、器の口をつける縁(口縁)の部分に、金や銀、銅などの金属の輪を被せた装飾や補強のことです。

たとえば、藤田美術館所蔵の国宝「曜変天目(ようへんてんもく)」茶碗にも覆輪が見られます。

輪の形をしているため名称が混同されることもありますが、覆輪は器の「一番上の端」につくもので、高台は「一番下の底」につくものです。

覆輪は口当たりの改善や、欠けの防止、あるいは装飾のために後から取り付けられることが多いパーツです。対して高台は、器を支える土台そのものにあたります。

上部の金属の縁取りは覆輪、底の土の出っ張りは高台と、上下の役割をきっちり分けて覚えることが鑑賞の第一歩になるでしょう。

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《形状別》骨董品の価値を左右する高台の種類と特徴

茶碗・陶磁器の「高台」とは?種類や見方、価値が変わる骨董品買取のポイント

高台の形は決して1つではありません。

時代や産地、作られた目的によってさまざまな形状が存在し、骨董品では「その器の本来あるべき形と一致しているか」が真贋や時代比定を左右するポイントです。

ここでは、重要とされる代表的な高台の種類と、それぞれの特徴や見どころを解説します。

最も基本的な形状「輪高台(わこうだい)」の見どころ

陶磁器の底に輪状の接地リングを設ける代表的なスタイルが「輪高台」です。ろくろを回して器の形を作った後、底の部分を削ってこの輪を立ち上げます。

一言で輪高台といっても、きれいな円形だけではありません。

たとえば、桃山時代の美濃焼である青織部(あおおりべ)の向付(おかずを盛る器)には角を丸くした「隅丸方形(すみまるほうけい)」の輪高台が見られます。

黒織部茶碗には、靴のように歪んだ「沓形(くつがた)」の輪高台が特徴的。器本体の独特な歪みに合わせて高台の形も変形させている点が、桃山茶陶で高く評価されるポイントでしょう。

器体からヘラで削り出す「削り高台(けずりこうだい)」

「削り高台」は、器本体と同じ土の塊から、半乾きの状態でヘラを使って削り出された高台です。

別のパーツを後からくっつけるのではなく、1つの土から削り出されるため、作り手の技術やクセが直接表れやすいのが特徴でしょう。

たとえば、国宝に指定されている藤田美術館の「曜変天目茶碗」は、この削り高台を持っています。

小ぶりな削り高台と、釉薬がかかっていない「土見せ(つちみせ)」の組み合わせが、器全体のバランスを支えている好例といえます。

削り出された際についたヘラの跡や、左右非対称な削りの鋭さなどに、作り手の力強さや息遣いを感じられるでしょう。

別成形して接合する「付け高台(つけこうだい)」

器の本体とは別に作った輪っか状のパーツを、後から底にくっつけたものが「付け高台」です。

ろくろで挽いた丸い器ではなく、板状の粘土から作る「板作り」の器や、複雑な形をした変形器によく用いられる技法です。

代表的な例として、鳴海織部(なるみおりべ)の向付などが挙げられます。

後から接合するため、本体と高台のつなぎ目(接合線)がはっきりと見えたり、土の質感が微妙に異なったりすることがあるのです。

この接合部分の仕上がり具合や、不規則な器体に対してどのように高台を適応させているかが、技術的・時代的な特徴を読み解く手がかりになっています。

井戸茶碗の典型「竹節高台(たけのふしこうだい)」

「竹節高台」は、高台の脇に竹の節のような段差や稜線がくっきりと出ている形状のことです。

この形は、朝鮮半島で作られ日本の茶人の間でとくに珍重されてきた「井戸茶碗」の典型的な特徴として知られています。

輪高台を少し高めに作り、ヘラで削る際に意図的に節状の段差を強調することで生まれる造形です。

この力強い形に加えて、井戸茶碗特有の荒々しい土の質感や、「梅花皮(かいらぎ)」と呼ばれる釉薬の縮れが組み合わさることで、独特の存在感を放ちます。

査定においても、高台まわりの景色が器の格を判断する重要な要素となるでしょう。

意図的な造形美「割高台(わりこうだい)」「切高台(きりこうだい)」

高台の一部に切れ込みを入れ、あえて割れたように見せるのが「割高台」や「切高台」です。割高台は数か所に切れ目が入り、切高台は刃物で鋭く切り込んだような形をしています。

これらは破損ではなく、意図的な造形として用いられるものです。

とくに萩焼の茶碗では切高台が特徴のひとつとして知られますが、その由来には諸説あり、朝鮮李朝の技法が伝わったとする見方や、焼成・水切り・美意識に関わる説などがあります。

割高台・切高台を含む造形は、茶の湯の「見立て」の精神を体現しており、「御本」「三島」「割高台」といった名称は茶碗の由来や作風を示す手がかりとして、市場評価にも影響する場合があるでしょう。

「蛇の目高台」と「蛇の目釉剥ぎ」の違い

骨董用語で混同されやすいのが「蛇の目(じゃのめ)」という言葉。これが「高台の形」を指しているのか、「焼き方の技法」を指しているのかを区別することが重要です。

「蛇の目高台」は、高台そのものの形状を指す分類の1つです。

一方「蛇の目釉剥ぎ」は、主に皿や鉢の見込み部分の釉薬をドーナツ状に剥ぎ、上に重ねる器の高台をそこに載せて焼くための技法にあたります。

見た目が似ていても、前者は器の形、後者は重ね焼きのための技法であり、意味がまったく異なるため、慎重に見極めましょう。

「布目(ぬのめ)痕」の正しい解釈

古美術商や愛好家の間で「布目高台」という言葉が使われることがありますが、博物館の公式な解説などでは、布目は高台の形ではなく「痕跡」として扱われるのが一般的です。

たとえば鳴海織部の向付では、「付け高台」であることと、内面に「型打ちによる布目痕」が残っていることが別々に記録されています。

布の模様がついているからといって特殊な高台の形というわけではなく、成形工程で表面に残った痕跡として扱うのが適切でしょう。

高台の「形」と表面に残る「痕跡」を切り分けて観察することが基本です。

器の種類で異なる高台の役割と観察ポイント

茶碗・陶磁器の「高台」とは?種類や見方、価値が変わる骨董品買取のポイント

高台は、「茶碗」なのか「お皿」なのか、あるいは「壺」なのかによって、作られる目的や査定時の評価基準が変わります。

用途によって求められる強度が異なり、時代ごとの流行や産地の特性も反映されやすいためです。

茶碗における高台の重要性と茶の湯の美意識

陶磁器のなかでも、お茶を飲むための「茶碗」において高台はとくに重視される部位です。茶道には、お茶を飲み終えた後に器の全体を鑑賞する「拝見(はいけん)」という文化があります。

茶碗では、胴や口づくりだけでなく、高台の形、削り、土見せも見どころとなります。

胴体から腰、そして高台へと至る曲線の美しさや、釉薬が掛かっておらず土の素肌が見える「土見せ」、ヘラで削った力強い跡などが、器の格や味わいを左右する要素。

買取や査定においても、茶碗の高台の出来栄えや景色は、評価に影響します。

皿や鉢における高台の役割と産地ごとの特徴

料理を盛り付けるための皿や鉢における高台は、実用性と量産のための工夫が色濃く反映される部位です。

たとえば、江戸時代初期に作られた「初期伊万里」の皿は、器全体の大きさに対して高台の直径が小さいのが特徴でしょう。

初期伊万里には、朝鮮半島由来の陶工や唐津焼と共通する技術の影響が見られ、この高台の形も時代を推定する手がかりになります。

また、時代が下ると、窯のなかで皿を重ねて焼くための「目跡(めあと)」や、前述の「蛇の目釉剥ぎ」といった焼成技法の痕跡が高台周辺に残りやすい傾向です。

▼伊万里について詳しくはこちら
古伊万里の特徴や見分け方を解説!伊万里との違いや買取相場も紹介

壺や徳利など「大型・袋物」に見られる高台の工夫

壺や花瓶、徳利のように、中に液体などを入れる背の高い器を骨董用語で「袋物(ふくろもの)」と呼ぶことがあります。

これらは重量があり重心が高くなるため、倒れないよう器体を支える構造的な役割が高台に求められるものです。

大型の壺などでは、焼成時に自重で底がへたって(沈み込んで)しまうのを防ぐ工夫も高台周辺に施されます。

袋物の高台は、大きな器を歪みなく焼き上げるための技術力や、時代ごとの実用的な形状の変化を読み解くポイントになるでしょう。

なお、碗の例としては、江戸時代後期に中国・清朝磁器の影響を受けたとされる「広東碗(かんとんわん)」があります。

高台が高く、外側に開いた器形を持つ点が特徴で、袋物とは異なる文脈ですが、高い高台を持つ器の一例として知っておくと鑑賞の幅が広がるでしょう。

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なぜ器の裏を見る? 高台周辺の痕跡からわかる情報

茶碗・陶磁器の「高台」とは?種類や見方、価値が変わる骨董品買取のポイント

骨董品の査定士が器を手に取ると、ほぼ必ず裏返して高台の周辺をじっくりと観察します。

それは、表面の美しい模様だけではわからない「いつ、どこで、誰が、どのように作ったのか」という証拠が、高台まわりの痕跡として集中的に残されているからです。

窯ごとの技術署名となる「露胎(ろたい)」と釉薬の掛け止まり

高台には釉薬が掛けられておらず、土がそのまま露出していることがあります。「露胎」や「土見せ」と呼ばれるものです。

高台周辺の釉の掛かり方、露胎、支釘痕、胎土、器形、釉調などが、産地や時代を判断する材料になります。

たとえば、中国の宋代に作られた汝窯(じょよう)の青磁では、足部まで釉が掛かり、小さな支釘痕を残す作例が知られています。

専門家は総釉か露胎か、釉薬の掛け止まりがどこにあるか、支釘痕がどのように残るかなどを総合して、産地や時代を推定する手がかりにしているのです。

焼成技術を物語る「目跡(めあと)」や支焼具痕(トチン・砂など)

窯の中で器を焼く際、底がくっつかないように粘土の粒や砂、トチンと呼ばれる台などを敷くことがあります。焼き上がった後にこれらを取り外した跡が「目跡」や「支焼具痕(ししょうぐこん)」です。

汝窯青磁に見られる小さな支釘痕などは、窯特有の焼き方を考える手がかりとなるもの。こうした痕跡が時代や産地の定型と一致するかどうかが、真贋を見極めるために役立てています。

時代や地域性を映し出す「土味(つちあじ)」の見方

釉薬が掛かっていない高台の底部分からは、器の材料である「胎土」の質感を直接確認します。これを骨董の世界では「土味」と呼びます。

土味を見れば、きめ細かい土なのか、鉄分を多く含んで赤みを帯びているのか、砂粒が混じってザラザラしているのかがわかります。

昔は遠くから土を運ぶのが難しかったため、土の質は産地や時代を推定する手がかりのひとつ。

ただし、原料の移動や調合、写し物(他産地の模倣品)もあるため、土味だけで産地を断定することはできません。釉薬、形、焼成痕、銘、伝来などと合わせた総合判断が求められます。

作者や窯元を特定する「銘」や「印」が押される位置とその意味

高台の内側やそのすぐ脇の「高台際」は、作者のサインである「銘」や、窯元のマークである「印」が見られることの多い箇所です。

買取や査定においてはこの銘の有無が判断材料の1つとなります。器を納めている共箱の箱書や印、高台周辺の銘が一致することは、作家作品として評価するうえで大きな裏付けとなるでしょう。

買取市場で人気の有名作家と「高台」の特徴

茶碗・陶磁器の「高台」とは?種類や見方、価値が変わる骨董品買取のポイント

骨董品の価値は、国宝級の古いものだけに認められるわけではありません。近代から現代にかけて活躍した有名作家の陶磁器は、買取市場で現在も高値で取引されています。

そして、彼らの作品の真贋や価値を判断するうえでも、「高台」は欠かせない観察ポイントです。

樂吉左衛門(らく きちざえもん)|手づくねの歪みと「樂印」

千利休の時代から400年以上続く「千家十職」の茶碗師として有名なのが樂吉左衛門です。

ろくろを使わず、手で直接土を捏ねて形を作る「手づくね」による柔らかな歪みが特徴で、高台の形にも手作りの温かみが表れます。当代は十六代樂吉左衞門。

査定において重視されるのは、高台周辺に押される「樂」の字の印判です。代によって印や作風に違いがあるため、専門家は印、形、削り、箱書、伝来などを総合して判断します。

三輪休雪(みわ きゅうせつ)|萩焼の伝統的な「割高台」の意匠

山口県で作られる萩焼の名工として知られるのが三輪休雪です。

「三輪休雪」は代々の名跡であり、とくに十一代三輪休雪(のちの三輪壽雪)は、萩焼の重要無形文化財保持者(いわゆる人間国宝)に認定されました。

代表的な「鬼萩割高台茶碗」などでは、力強く切れ込みが入れられた割高台や十文字高台が見どころとなっています。

萩焼の切高台・割高台の由来については、熱や水切り、焼成上の理由、美意識など複数の説がありますが、その豪快な高台の造形は、三輪休雪作品の大きな特徴でしょう。

北大路魯山人(きたおおじ ろさんじん)|豪快な土見せと刻まれたサイン

美食家であり、天才的な陶芸家としても知名度が高い北大路魯山人。コレクターからの人気が根強く、買取市場でも高額で取引される作家のひとりです。

魯山人の陶器作品では、高台周辺の土見せや削り、器体とのバランスが見どころとなる作例も多く見られます。

高台の脇や内側に「ロ」や「魯」といった文字をヘラで彫り込んでいる場合がありますが、真贋は銘だけでなく、箱書、来歴、作風、使用された土や釉薬、保存状態を総合して判断されるものです。

濱田庄司(はまだ しょうじ)|銘が少ないからこそ生きる高台の作行き

「民藝運動」で中心人物の一人であり人間国宝の濱田庄司も、買取市場で人気の高い作家です。

濱田は、作家個人の署名よりも用の美や工人としての姿勢を重視した作家として知られ、作品本体には通常、銘や印を入れませんでした。

ただし、例外的に銘入り作品も存在し、共箱の箱書や署名も判断材料として重視されます。

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高台の状態で骨董品の価値・買取価格はどう変わる?

茶碗・陶磁器の「高台」とは?種類や見方、価値が変わる骨董品買取のポイント

高台の種類や作家も重要ですが、実際の買取査定では「保存状態」が価格に大きく影響します。

高台は器の一番下で全体を支え、常にテーブルなどと接触しているため、傷や汚れがつきやすい環境にあるパーツです。

査定の補助線になる「自然な痕跡」と「不自然な削り直し」

古い陶磁器の高台には、長い年月使われてきたことでつく自然な擦れや、窯で焼いたときの支焼痕が残っているものです。

高台周辺の支焼痕や削り跡、自然な使用感は、時代や作行きを判断する材料となります。

一方で、ガタつきを直そうとして底をヤスリで平らに削ってしまったり、傷を隠すために不自然に削り直したりした痕跡があると、マイナス評価につながってしまうこともあるため注意が必要です。

接地部ゆえに起きやすい「足際のチップ(欠け)」と「ニュウ(ひび)」

主要なオークションでは、コンディション欄で、チップ、ニュウ、修復、足まわりの傷などが記載・開示されることがあります。

とくに多いのが、硬い場所に置いた衝撃で高台のフチが小さく欠けてしまう「チップ」や、そこから細かい亀裂が入る「ニュウ」でしょう。

器の鑑賞面である正面が無傷でも、高台にこれらのダメージがあると、一般的には保存状態の面で減点要素になる場合も。裏返さないと気づきにくい小さな欠けも、査定では確認されます。

買取査定での減点・加点ポイント

欠けてしまった高台を接着剤でくっつけたり、色が剥げた部分を上から塗って直したり(補彩)、透明なコーティング剤で固めたりといった修復がされていることもあります。

これらは器を使い続けるための工夫ですが、商業的な骨董品の査定においては「本来の状態ではない」として減点要素となることが多いでしょう。

査定では、畳付(接地面)のエッジが不自然に丸くなっていないか、高台の周りでツヤが途切れていないかなど、修復痕の有無も確認されます。

傷があっても高額査定? 希少性・伝来・共箱による総合評価の仕組み

「高台に傷や修理の跡があると、価値がゼロになるのか」と心配になるかもしれませんが、そうとは限りません。

歴史的な名品や有名作家の希少な作品であれば、高台に修理の跡があっても高値で落札されるケースが実際にあります。

骨董品の価値は、状態だけでなく、希少性、出来栄え、誰が持っていたか(伝来)、本物であることを示す共箱の有無、市場での需要などを含めた総合評価で決まるものです。

少し欠けているからと自己判断で処分してしまうのはもったいないでしょう。

おわりに

茶碗・陶磁器の「高台」とは?種類や見方、価値が変わる骨董品買取のポイント

高台は単純な器の底ではなく、作られた時代や作家の作行き、真贋を見極めるための証拠が詰まった「履歴書」のような存在です。

一見すると古びた茶碗に見えても、裏返して高台の作行きや土味、刻まれた印を専門家が確認することで、時代や作者、価値を判断する手がかりが得られる場合もあります。

ご自宅の蔵や押し入れから古い茶碗や陶磁器、茶道具などが出てきたら、自己判断で処分せず、骨董品買取の専門店「日晃堂」へご相談ください。

日晃堂では公式サイト上で無料査定・相談に対応しています。 専門スタッフが丁寧に査定し、お手元にある骨董品を高価買取いたします。

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