江戸時代に100年近く使われていた慶長一分判金の次に発行されたのが「元禄一分判金」です。
元禄一分判金は収集家から人気があり、古銭買取でも価値があるとされています。
この記事では、元禄一分判金の歴史や特徴、古銭買取相場などについて詳しく解説します。
高く売るコツも併せてご紹介しているので、元禄一分判金をお持ちの方はぜひ最後までご覧ください。
元禄一分判金とは?
元禄一分判金とは、江戸時代の中で2番目の一分判金で、元禄8年から鋳造され始めた金貨です。
それより前に流通していた慶長一分判金は、90年以上使われていたことから状態が悪くなり、元禄一分判金を発行したと言われています。
また、元禄時代に海外貿易で大量の金や銀が貨幣として流出したことや、金山からの調達量が減衰したなどの問題がありました。
その問題を解決するために、金の含有率を低く作り、財政の立て直しを図る目的もあったようです。
金の含有率の低い元禄一分判金を流通させ、慶長一分判金を回収することで幕府は財政を立て直したと言われています。
元禄一分判金の特徴
元禄一分判金の規定とされた量目は4.46グラムで、品位は金が56.41%、銀が43.19%、その他が0.40%となります。
金に対して密度の低い銀を多く含んでいるため、白っぽい見た目という特徴があります。
元禄小判の1/4の額面にあたる金貨で、形はその他の一分判金と同様に長細い短冊形です。
そして、表面には額面を表す「分一」の文字と桐紋が刻印されています。
裏面には鋳造された時代を表す「元」の文字が彫られていることが大きな特徴で、元字一分判金とも呼ばれています。
元禄一分判金の古銭買取相場
元禄一分判金の古銭買取相場は、数万円〜数十万円です。
最初の一分判金である慶長一分判金よりも金の含有率が低いのですが、流通量は多くありませんでした。
そのため希少価値が高く、一分判金の中でも高値で買い取ってもらえるでしょう。
また、金の含有率が低いことで状態の良いものが残っておらず、状態が良い場合は買取価格がグンと高くなる傾向があります。
状態の良い元禄一分判金をお持ちの方は、劣化しないうちに一度査定を依頼することがおすすめです。
査定額が高くなる元禄一分判金
同じ元禄一分判金でも、査定額が高くなるものが3つあります。
1つ目が刻印が鮮明なものです。
古銭の収集家は刻印の鮮明さを重視する傾向があり、鮮明であればあるほど査定額が高くなります。
2つ目が刻印が表と裏で逆になっているエラー銭です。
エラー銭というだけで希少価値が高くなり、査定額にも大きな影響を与えます。
3つ目が「元」の書体が短元のものです。
彫られている元の4画目が短いものを「短元」と言い、流通量が少ないことから査定額が高くなります。
元禄一分判金をお持ちの方は、これらに該当していないか一度確認してみてください。
古銭買取で元禄一分判金を高く売るコツ
古銭買取で元禄一分判金を高く売るには、とにかく保存状態に気を付けることが大切です。
品質が劣化すればするほど買取価格が下がってしまうので、直射日光や湿気を避けて保管してください。
見た目を良くするために研磨剤などを使い磨いてから買取依頼する方も少なくないのですが、今の状態を維持することを優先し、必要以上の手入れはしないことがおすすめです。
そして、古銭買取の実績がある買取業者に依頼することも高値で売るコツになります。
適正な価格以上で買い取ってもらうには、知識と経験のあるプロの目が必要です。
「偽物の古銭」と間違った査定を受けることもあるので、買取業者選びには注意してください。
おわりに
元禄一分判金は、慶長一分判金の次に発行された金貨です。
元禄8年から鋳造され始めて、財政の立て直しを図るためにも金の含有率が低く作られました。
元禄一分判金は流通量が少ないことから古銭買取では人気があり、一分判金の中でも高値がつきます。
特に、刻印が鮮明であったり、裏面に彫られている元の4画目が短い「短元」などは査定が高くなります。
そして、古銭の状態によって買取価格が大きく変動するため、保存状態には気をつけてください。
私たち日晃堂では、古銭や元禄一分判金を専門の査定士が丁寧に評価し、適正な価格で買取を行っています。
※記事内に掲載している買取価格は参考価格となり、買取価格を保証するものではございません。同様の作品であっても査定時の相場や作品状態などによって買取価格は変動いたします。