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東山魁夷の買取相場|技法別の実額と本物の見分け方

監修:日晃堂 査定スタッフ監修(骨董品・美術品査定/日晃堂)
情報基準日:2026年8月24日

実家を引き払う日が決まり、片付けを進めるなかで古いタトウ箱から出てきた1点の美しい風景画。額の裏を返すと「東山すみ」と印字されたシールが貼られており、「もしかして本物ではないか」と期待に胸を膨らませて検索されたのではないでしょうか。しかし同時に、「本物と説明されて買ったのに、カタログと実物のサイズが違う」「制作年が作家の没後になっている」といった戸惑いや不安を抱える方も少なくありません。

結論から申し上げますと、買取価格を大きく決定づけているのは作品の題名ではなく「技法区分」です。同じ代表作の「道」であっても、市場では評価の提示額に数万円から100万円を超える数字まで大きな開きが見られます。日晃堂の実際の買取参考価格では、「道」(岩彩方式・「東山すみ」監修シールあり/2025年1月7日掲載)が60,000円となっており [6]、この差の大半はまったく異なる技法・制作背景の品を同じ題名で呼んでいることから生まれています。

また、技法を揃えて比較した場合でも、査定額の出し方は一様ではありません。例えば、同一技法である「残照(新復刻画)」の実績を並べると、オークションの落札価格(落札手数料含む)では172,500円(2023年5月27日開催)[14b]、日晃堂の買取参考価格では130,000円(2025年9月4日掲載)[1] となっており、売却チャネルごとの特性が反映されます。技法の一致は比較の前提条件にすぎず、だからこそ適切な相見積もりに意味が生まれます。

本ページでは、日晃堂が公開する買取参考価格10件を技法区分と掲載日つきで一覧化し、写真4カ所で判別する具体的な方法、公的鑑定機関の最新申込条件まで網羅しました。すべての数値に出典と確認日を添えておりますので、これ以上サイトを渡り歩いて調べ直す必要はありません。

東山魁夷の買取価格は、作品名ではなく技法で決まります

東山魁夷の作品は、木版画、リトグラフ、岩絵具方式(岩彩方式)の複製画、肉筆(本制作)という大きく4つの技法区分に分かれ、査定額はこの区分をまたぐと桁が変わります。

東山魁夷 買取参考価格の実績一覧

まず、日晃堂が公開している実績をそのままご覧ください。作品名・技法・買取参考価格・地域・掲載日をすべて明記しています。

作品名 技法(実績ページの記載) 制作年(生前/没後) 買取参考価格 地域 買取種別 掲載日 実績ページ
残照(新復刻画) 複製リトグラフ・東山すみ氏監修・限定500部 没後(新復刻画・東山すみ氏監修) 130,000円 神奈川県横浜市 店頭買取 2025年9月4日 実績を見る
緑映(新復刻画) リトグラフ(複製)・夫人監修 没後(新復刻画・夫人監修) 85,000円 広島県三原市 出張買取 2025年3月18日 実績を見る
秋思 リトグラフ 記載なし(判別不可) 80,000円 長崎県長崎市 出張買取 2025年2月14日 実績を見る
満ち来る潮 リトグラフ(1970年の原画に基づく複製) 記載なし(原画は1970年・複製の制作年は不明) 80,000円 愛知県名古屋市 出張買取 2024年11月21日 実績を見る
青涛 リトグラフ 記載なし(判別不可) 65,000円 大阪府 出張買取 2023年7月5日 実績を見る
道 岩彩方式・「東山すみ」監修シールあり 没後(東山すみ氏監修シールあり) 60,000円 広島県呉市 出張買取 2025年1月7日 実績を見る
雲立つ嶺 木版画 記載なし(判別不可) 50,000円 大阪府東大阪市 出張買取 2026年5月26日 実績を見る
春雪 木版画 記載なし(判別不可) 35,000円 高知県安芸市 出張買取 2026年4月17日 実績を見る
黄山雨収 木版画 記載なし(判別不可) 15,000円 大阪府八尾市 出張買取 2026年5月26日 実績を見る
複製画:朝雲 岩絵具方式複製画(サイン・落款・タトウ箱・保証書付属) 記載なし(判別不可) 15,000円 千葉県八千代市 出張買取 2023年11月7日 実績を見る

※上記は買取参考価格です。日晃堂サイトにも記載のとおり、買取価格は一例であり、状態や時期によって実際の価格は変動します。
※「制作年(生前/没後)」欄は、各実績ページの記載から判定できる範囲のみを記入しています。「記載なし(判別不可)」は生前作という意味ではありません。実績ページに制作年の記載がないため、生前・没後のいずれとも確定できないという意味です。10件中、没後制作と判定できるのは新復刻画2件と「東山すみ」監修シールのある1件の計3件で、生前制作と確定できる作品は0件です。

技法区分別に集計すると、通説とは順序が入れ替わります

こちらで掲載している価格はオークションなどを元にした価格であり、実際の買取価格とは異なる場合がございます。
あらかじめご了承いただきますようお願いいたします。
技法区分 件数 実額レンジ 平均
リトグラフ系 合計(新復刻画・複製リトグラフを含む) 5件 65,000円〜130,000円 88,000円
└ うち 新復刻画(没後制作の複製) 2件 85,000円〜130,000円 107,500円
└ うち その他リトグラフ(制作年の記載なし) 3件 65,000円〜80,000円 75,000円
└ うち 生前制作のオリジナルリトグラフ 0件 N/A(公開実績なし) N/A
木版画 3件 15,000円〜50,000円 約33,333円
岩絵具方式・岩彩方式の複製画 2件 15,000円〜60,000円 37,500円
肉筆(本制作) 0件 N/A(公開実績なし) N/A
10件全体 10件 15,000円〜130,000円 61,500円(中央値62,500円)

※出典: 日晃堂 公開買取実績10件(掲載日 2023年7月5日〜2026年5月26日/各実績ページのURLは前掲の一覧表に記載)[1]〜[10]。買取参考価格であり、状態や時期によって実際の価格は変動します。

この集計表をご覧いただく際、前提としてご理解いただきたい点がいくつかあります。まず「リトグラフ系 65,000円〜130,000円」という数字は、没後の復刻画や詳細な制作年が不明なリトグラフをまとめた実績値です。作家自身が制作に関与してサインを入れた「生前オリジナル版画」は公開実績に含まれておらず、生前オリジナルの正確な買取実額は【N/A(取得不可)】となりますので、個別査定による確認が必要となります。

また、美術市場の通説では「オリジナル版画 > 木版画 > 新復刻画 > 複製画」といった順で評価されると考えられがちですが、実測値を見ると木版画3件平均(約33,333円)よりも、需要の高い図柄を含むリトグラフ系5件平均(88,000円)のほうが高い評価となっています。同一技法であっても、「道」60,000円 [6] と「複製画:朝雲」15,000円 [10] のように4倍の差が生まれています。技法区分は価格帯の基礎を決める前提にすぎず、実際の査定額を上下させるのは「図柄の人気度」と「保存状態」です。実際に「秋思」では『シート全体に薄いヤケ、マージン及び裏面数ヶ所にシミやわずかなヘコミ』との状態注記で80,000円 [3]、「緑映(新復刻画)」では『全体に薄いヤケ、裏面に数箇所のシミが見受けられたため』として85,000円 [2] という実績が記録されています。

なお、当社の公開実績10件の中に本制作(肉筆)は含まれておりません。東山魁夷の代表的肉筆作品の多くは公的機関に寄贈・収蔵されており、長野県立美術館の東山魁夷館には980余点が収蔵されています [15]。また「道」(1950年)や「残照」などの名作は東京国立近代美術館の所蔵品(コレクション番号 J00453/J00049)となっています [16][17]。個人が所有している作品の中で版画や複製画が占める正確な割合の数値データは【N/A(取得不可)】です。

公開落札結果に見る上限帯|自社実績の130,000円は市場の上限ではありません

当社の公開実績の上限である130,000円は、決して東山魁夷作品全体の価格上限を意味するものではありません。上限がこの金額となっているのは、現在公開している10件の事例がすべて版画・複製画であるためです。

市場の広がりを検証するため、シンワオークションの落札結果(2023年1月28日〜2026年7月18日の17開催日分)を確認したところ、東山魁夷作品の出品は計48件確認できました [14]。

区分 件数 ハンマープライス 落札価格(落札手数料のみ含む)
作品名に「(新復刻画)」と明記されたロット 5件 95,000円〜320,000円 109,250円〜368,000円
技法の記載がないロット 42件 20,000円〜64,000,000円 23,000円〜73,600,000円
不落札(落札に至らなかったロット) 1件 — 0円(2025年5月24日開催「ホーエン・ザルツブルク城」)
合計 48件 — —

※出典: シンワオークション 落札結果PDF 17件(参考文献14および14b〜14q)[14]。確認日2026年8月24日。ハンマープライスのレンジは41件を対象としています。2023年1月28日開催分のみ価格欄が落札価格の1列のみでハンマープライス欄が存在しないためです。

ここから先は、事実として確認できることと客観的限界を明確に分けてお伝えします。オークションの落札結果で「技法記載なし」とされている42件については、オークションハウスの公表資料に技法欄自体が存在しないため、数千万円で成約した高額ロットであっても肉筆と断定することはできません。高額であることを理由に肉筆と決めつける推測も行いません [14]。

開催日 作品名 ハンマープライス 落札価格
2024年5月25日 晴日 64,000,000円 73,600,000円
2023年11月26日 山湖深緑 54,000,000円 62,100,000円
2024年5月25日 緑の山湖 52,000,000円 59,800,000円
2024年11月23日 明宵 30,000,000円 34,500,000円
2025年3月22日 朝爽 29,000,000円 33,350,000円
2023年11月26日 春光 21,000,000円 24,150,000円
2023年11月26日 秋映 18,000,000円 20,700,000円
2025年3月22日 秋映 14,000,000円 16,100,000円
2024年7月20日 潮風 13,500,000円 15,525,000円
2023年5月27日 朝凉 13,000,000円 14,950,000円

※出典: シンワオークション 落札結果(各開催日のPDF/参考文献14および14b〜14q・確認日2026年8月24日)[14]。いずれも同社の落札結果に技法の記載がないロットです。上表は技法記載のない42件のうち落札価格上位10件を抜き出したものです。

客観的な事実を整理すると以下の通りです。

  • 当社の公開買取実績の中には肉筆の事例は含まれていません [1]〜[10]。
  • 公開オークション市場では、当社の版画・複製実績(130,000円)をはるかに上回る数千万円規模の成約事例(最高73,600,000円)が実在します [14]。
  • ただし公表資料の仕様上、技法記載がないため肉筆と確定することは不可能です [14]。

肉筆作品の明確な買取査定額は現時点で【N/A(取得不可)】となりますが、お手元の品が版画・複製画と確定していない段階で、13万円という数字を限界上限と決めつける必要はありません。

図柄と題名でも、金額は動きます

技法区分は価格の「桁」を左右しますが、同じ技法区分内での高低は描かれた図柄や題名によって左右されます。

作品名 開催日 落札価格 同題名どうしの倍率
秋映 2023年11月26日 20,700,000円 約1.3倍
秋映 2025年3月22日 16,100,000円 —
緑の詩 2023年7月22日 1,955,000円 約2.1倍
緑の詩 2023年11月26日 920,000円 —
髙島屋創業百六十周年記念「深山湧雲」 2025年7月19日 184,000円 約3.2倍
髙島屋創業百六十周年記念「深山湧雲」 2025年1月25日 57,500円 —
「季の詩」より(3点組) 2025年3月22日 149,500円 約2.0倍
「季の詩」より(3点組) 2024年11月23日 74,750円 —

※出典: シンワオークション 落札結果(参考文献14および14b〜14q・確認日2026年8月24日)[14]。いずれも技法の記載がないロットのため、同題名どうしが同一技法であるとは限りません。倍率は落札価格を比較したものです。

作品名 開催日 ハンマープライス 落札価格(落札手数料のみ含む)
道(新復刻画) 2023年7月22日 320,000円 368,000円
白馬の森(新復刻画) 2023年11月26日 210,000円 241,500円
残照(新復刻画) 2023年5月27日 150,000円 172,500円
山雲(新復刻画) 2023年5月27日 100,000円 115,000円
秋彩(新復刻画) 2023年11月26日 95,000円 109,250円

※出典: シンワオークション 落札結果(2023年5月27日・7月22日・11月26日開催/参考文献14b・14c・14d)[14]。5件はいずれも作品名に技法が明記されたロットです。

「新復刻画」と明記された版画5事例の比較では、最高額の「道」(368,000円)と最低額の「秋彩」(109,250円)で約3.4倍の差が生じており、東山魁夷の代表的モチーフである「道」や「白馬」の構図が市場で非常に強く好まれていることがわかります [14]。作品相場を調べる際は、まず「技法区分」、その次に「題名・構図」の順で確かめるのが鉄則です。

2026/8/24確認
15,000〜60,000円
岩絵具方式・木版画 (6件) [6]〜[10]
65,000〜130,000円
リトグラフ系 (5件) [1]〜[5]
N/A(個別確認)
生前オリジナル/肉筆本制作 [14]
※日晃堂公開買取実績10件(掲載日 2023年7月5日〜2026年5月26日)[1]〜[10] に基づく傾向。生前オリジナルおよび肉筆本制作の自社実績は0件【N/A】。買取参考価格であり、状態や時期で変動します。

骨董品買取なら、日晃堂にお任せください。

骨董品買取は【日晃堂】にお任せください。骨董品買取専門店だからこそ骨董品がどのような状態でも、どこよりも高価買取を実現します!掛け軸、無銘の日本刀や象牙、赤珊瑚のネックレス、茶道具の銀瓶などの実績が多い骨董店です。もちろん、他にも無料で鑑定を致しますので、ぜひご相談ください。

あなたの1点はどれですか|写真4カ所で分かる東山魁夷の技法判別

東山魁夷の技法区分は、作品を額から出して余白と裏面の4カ所を確認すれば判別できます。判断に必要な情報は、絵柄ではなく余白と裏面にあります。

確認する4カ所

査定を申し込む前に、まず手元の作品を慎重に額から出してください。

① マージン(余白)の版元印: 額のマット紙で隠れている余白部分に版元(渡邊木版美術画舗やモモセ版など)の印章やエンボス刻印があるか確認します。これらは正規の版画として発行された品である強い根拠になります。

② 鉛筆サイン: 余白の右下に鉛筆による手書き署名があるか確認します。印刷のサインとは異なり、光を斜めからあてると筆圧による不規則な窪みが見られます。直筆サインの有無で評価は大きく分かれます。

③ 限定部数の表記: 「45/500」のような分数が鉛筆で書き込まれているか確認します。分母が全刷り数、分子が通し番号を表します。

④ 裏面の「東山すみ」監修シール: 額の裏板や本紙の裏面に、夫人である東山すみ氏の監修印が入ったシールが貼られているか確認します。

制作年から分かること

東山魁夷は1999年に没しています [7]。したがって、証明書や版元資料に記された制作年が2000年以降となっている作品は、作家の没後に遺族の許可のもと制作された作品となります。

公的機関である一般財団法人 東美鑑定評価機構が版画鑑定の対象として公開している一覧にも、2004年制作の「白馬の森」(リトグラフ・限定500)や2006年制作の「道」(リトグラフ・限定380)が明記されています [11]。ご自身で「作家本人が直接手掛けた古いため造の版画」と信じられていたものが、仕様上没後の復刻作品であるケースが多々存在します [11]。

日晃堂 査定スタッフのワンポイント

4カ所の要素が揃っていたとしても、写真画像だけから真作と完全に断定することは専門家でも困難です。しかし、額から取り出して「余白の左右下」と「額裏のシール」の鮮明な写真を送っていただければ、最初の段階で精度の高い技法区分の見立てをお伝えすることが可能です。

【技法判別フローチャート】
額から出して4カ所確認 → 版元印・鉛筆サイン・限定番号・「東山すみ」シール
・制作年2000年以降 → 没後制作作品 [11]
・生前オリジナル/肉筆本制作の可能性 → 公開実績0件【N/A】/個別査定にて確認[出所: 東美鑑定評価機構 / 2026年8月24日確認][11]

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「東山すみ」監修シールは、本物の証ではありません

新復刻画とは、東山魁夷の没後に夫人・東山すみ氏の監修のもとで限定制作された美術複製作品です。当社実績ページでも「オリジナルの名作に基づき東山魁夷の夫人である東山すみ氏監修のもと限定された複製リトグラフ」「限定500部」と明記されています [1]。このシールが裏付けるのは「遺族承認のもと正当に復刻された品」という事実であり、作家本人が直筆で描いた肉筆画であることの証明ではありません。

同じ「道」に、複数の数値が並びます

市場で示される「道」という題名の参考数値を比較します。

掲載元・出所 技法の記載 金額 基準日・備考
オークション落札価格(シンワ「道(新復刻画)」) 新復刻画 368,000円(ハンマープライス320,000円) 2023年7月22日開催 [14c]
買取参考価格(日晃堂「道」) 岩彩方式・「東山すみ」監修シールあり 60,000円 2025年1月7日掲載 [6]

同じ「道」という題名であっても、市場の落札価格と実際の買取参考価格の間には開きが存在します。これは不当な差ではなく、競売の落札総額と仕入れ買取価格という立場の違い、および復刻技法(リトグラフか岩彩方式か)の違いによるものです。「道」という名前だけを見て高額を期待すると、実際の提示額とのギャップに困惑することになります。

もちろん、新復刻画に価値がつかないわけではありません。

開催日 作品名 ハンマープライス 落札価格(落札手数料のみ含む)
2023年5月27日 山雲(新復刻画) 100,000円 115,000円
2023年5月27日 残照(新復刻画) 150,000円 172,500円
2023年7月22日 道(新復刻画) 320,000円 368,000円
2023年11月26日 秋彩(新復刻画) 95,000円 109,250円
2023年11月26日 白馬の森(新復刻画) 210,000円 241,500円

※出典: シンワオークション 落札結果(参考文献14b・14c・14d)[14]。5件のハンマープライス平均は175,000円、落札価格平均は201,250円です。

当社実績においても「残照(新復刻画)」の130,000円(2025年9月4日掲載)は、公開実績10件の中で最も高い価格帯を記録しています [1]。期待値を正しく「復刻・版画の良品」に合わせることが、納得のいく手放しへの近道です。

日晃堂 査定スタッフのワンポイント

相見積もりを取る際は、単に「東山魁夷の『道』はいくらですか」と尋ねるのではなく、「岩彩方式で『東山すみ』監修シールが付いた『道』の査定額はいくらですか」と正確な技法条件を伝えてください。条件を揃えなければ、各店が全く異なる前提で価格を回答するため比較になりません。

東山魁夷(ひがしやまかいい)1908年–1999年

東山魁夷は横浜市出身の日本画家で、昭和を代表する風景画の巨匠です。東京美術学校で学び、ドイツへ留学。戦後は「残照」で特選を受賞し、一躍脚光を浴びました。清澄で静寂な風景画は「国民的画家」と称され、宮中や皇居の壁画、唐招提寺障壁画などの大作も手掛けました。

東山魁夷の代表作

代表作には、真っ直ぐに伸びる道を簡素な構図で描いた「道」(1950年・東京国立近代美術館所蔵 [16])や、夕暮れの山並みを捉えた「残照」(1947年・東京国立近代美術館所蔵 [17])のほか、「緑響く」「白馬の森」など神秘的な白い馬が登場する一連の風景画シリーズが広く知られています。

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偽作が確認された東山魁夷の版画4作品と、公的鑑定の申込条件

東山魁夷は、版画における精巧な偽作流通が公的に警察捜査・報道された作家です。日本経済新聞の報道等でも、美術商団体により大阪の画廊関係者に対する告発状が提出され、大規模な偽版画流通が確認されたことが伝えられています [18]

鑑定対象に追加された東山魁夷の版画4作品

警察からの偽作発表を受け、東美鑑定評価機構が新たに鑑定対象へ追加した版画4作品の仕様は以下の通りです [11][13]。

作品名 技法 制作年 寸法 限定部数
晩鐘 リトグラフ 1996年 50.7 × 72.7 cm 250
山嶺湧雲 リトグラフ 1999年 44.0 × 60.6 cm 335(国内版)/200(アメリカ版)
白馬の森 リトグラフ 2004年 41.7 × 61.0 cm 500
道 リトグラフ 2006年 62.5 × 47.0 cm 380

警察からの偽作発表を受け、東美鑑定評価機構が新たに鑑定対象へ追加した版画4作品の仕様は以下の通りです [11][13]。

作品名 技法 制作年 寸法 限定部数
晩鐘 リトグラフ 1996年 50.7 × 72.7 cm 250
山嶺湧雲 リトグラフ 1999年 44.0 × 60.6 cm 335(国内版)/200(アメリカ版)
白馬の森 リトグラフ 2004年 41.7 × 61.0 cm 500
道 リトグラフ 2006年 62.5 × 47.0 cm 380

※出典: 一般財団法人 東美鑑定評価機構『版画鑑定について』『版画鑑定開始の件』 [11][13]。
※当初から同機構の鑑定対象とされていた東山魁夷の版画は、「秋映」(リトグラフ/1998年/50.0 × 66.0 cm)、「草青む」(リトグラフ/1993年/20.9 × 31.1 cm)、「風吹く浜」(シルクスクリーン/1992年/31.0 × 45.5 cm)の3点です [11]。

注目すべき点として、東山魁夷の没年は1999年です [7]。「白馬の森」(2004年)や「道」(2006年)といったリトグラフは、仕様上作家の没後に制作された作品となります。「生前作家本人が立ち会って刷られた」と信じておられた作品が、仕様上没後の復刻版画であるケースが多々存在します [11]。

公的鑑定は、個人では申し込めません

東美鑑定評価機構における版画鑑定の受付条件は以下の通りです [11]。

項目 内容
鑑定料 20,000円/1点(税込)・受付時に現金決済のみ
実施日 毎月10日・26日
予約 事前の電話予約が必須(03-3432-0713/日祝日を除く10時〜16時)
作品の受け渡し すべて持ち込み・直接引き取り
受付対象 美術商のみ(個人からの直接申込は受け付けていません)

出典: 一般財団法人 東美鑑定評価機構『版画鑑定について』 [11](確認日2026年8月24日)

つまり「自分でまず公的鑑定に通してから売りに出す」という手順は個人では実行不可能です [11]。鑑定手続きを進めるためには、信頼できる登録美術商や買取店を経由して依頼することが必須となります。

日晃堂 査定スタッフのワンポイント

日本画(肉筆)の鑑定には、鑑定料3万円+登録管理料・鑑定証書発行料3万円の計6万円が必要です [12]。しかし、所有作が版画や複製画であると判明した段階でその申込みは不要となります。高額な鑑定費用を支払う前に、まず買取店の無料査定で技法区分の見立てを受けるのが合理的です。

【公的鑑定&売却タイムライン】
①額から出して4カ所撮影 → ②買取店・美術商へ相談 → ③美術商経由で東美鑑定へ申込(個人直接不可) → ④毎月10・26日に鑑定実施 → ⑤結果確認後売却
※鑑定費用: 版画 20,000円/点 [11] / 肉筆 3万円+3万円 [12] [出所: 東美鑑定評価機構 / 2026年8月24日確認]

まずは東山魁夷の豊富な買取実績からご覧ください

日晃堂では、東山魁夷の版画・新復刻画・岩彩方式複製画などをはじめ、多数の買取実績がございます。状態に傷みのあるお品物や付属品が揃っていない場合でも、専門知識を持つスタッフが1点ずつ正しく査定いたします。詳しい実績一覧は本ページの買取参考価格一覧表または各実績ページをご参照ください。

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東山魁夷の買取でよくある質問

1東山魁夷のリトグラフでも買取してもらえますか?

買取可能です。日晃堂でも買取の実績がございます。

2「東山すみ」と書かれたシールが貼ってあります。本物ですか?

シールは夫人・東山すみ氏の監修のもとで正式制作された作品であることの証であり、作家の没後に制作された複製であることを示します。作家本人が筆を執った肉筆画である証明ではありません。ただし買取対象外という意味ではなく、「残照(新復刻画・限定500部)」のように130,000円で買取参考価格がついた実績がございます [1]。

3鑑定書がないのですが、査定してもらえますか?

査定可能です。

4ヤケやシミがあると、買取価格はどのくらい下がりますか?

減額幅は作品状態により個別に異なり、一律の比率は存在しません。日晃堂では減額理由も開示しており、「秋思」では『シート全体に薄いヤケ、マージン及び裏面数ヶ所にシミやわずかなヘコミ』で80,000円(2025年2月14日掲載) [3]、「緑映(新復刻画)」では『全体に薄いヤケ、裏面に数箇所のシミが見受けられたため』として85,000円(2025年3月18日掲載)[2] となっております。事前に状態をそのままお伝えいただくことで、より正確な説明を受けられます。

まとめ|東山魁夷を手放す前に確認する3点

東山魁夷の作品をご売却される際は、以下の3点を順に確認してください。

  • 作品名ではなく、技法区分を先に判別してください:同じ「道」という題名であっても提示金額には大きな差が生じます。額から出して4カ所(マージンの版元印・鉛筆サイン・限定部数表記・裏面の監修シール)を確認することで正確な技法区分が確定します。
  • 公的鑑定は、美術商を経由しなければ申し込めません:東美鑑定評価機構の版画鑑定は「美術商様からのみ作品を受付」と定められているため [11]、「まず自分で鑑定を通してから」という手順は成立しません。信頼できる業者選びが鑑定への入口となります。
  • 金額は、出典と基準日で検証してください:確認すべきは「いつ時点の、どの技法の、どの状態の」金額かという裏付けです。日晃堂では買取参考価格を作品名・技法・地域・掲載日つきで公表し、減額理由も開示しています [1]〜[10]。当社の公開実績上限130,000円は版画・複製画のものであり [1]、生前オリジナルや肉筆実績は【N/A】です。公開オークション市場では技法未記載のロットが23,000円〜73,600,000円で成立しています [14]。

本ページで参照した出典は0次情報(自社実績)10件・一次情報7件です。額から出して撮影した4カ所の写真を送っていただければ、最初の段階で技法区分の見立てから丁寧にご案内いたします。見立てや事前査定に費用は一切かかりません。

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