小林和作(こばやしわさく)1888年–1974年
小林和作は、大正初期から昭和にかけて活躍した洋画家です。
ヨーロッパの美しい自然風景に魅せられて以来、風景画を中心に制作。もともと日本画を専門にしていたことから、一般的な油彩画と異なる技法で描いたものの、洗練された色彩感覚によって鮮やかな色味の新たな日本西洋画を生み出しました。
また、後期には広島県尾道に転居し、広島の地方美術界の発展にも尽力しています。
これらの功績が讃えられ、晩年、芸術選奨文部大臣賞や勲三等旭中綬章を受賞しました。
抜群の色彩感覚で各地の優美な自然を描いた洋画家
小林和作は1888年、山口県吉敷郡秋穂町(現・山口県山口市)に生まれました。
裕福な環境で育った小林は16歳で京都に転居し、京都市立美術工芸学校絵画科に入学。ここで日本画を学んだのち、同校卒業後は日本画家・川北霞峰に師事して京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)日本画科に進学します。
その後、在学中に「椿」が文展初入選を果たし、日本画家として画壇デビューを遂げました。
しかし、1913年に開かれた文展では輝かしい功績を残すものの、それ以降、公募展に出品した作品が相次いで落選します。 そこで小林は、苦悩の末に洋画家に転向することを決意。30歳を過ぎた頃から、関西で洋画家の育成に携わっていた鹿子木孟郎のもとで洋画を学び始めます。 さらにその4年後、東京に転居し、当時の日本洋画界における重鎮・梅原龍三郎をはじめとする著名画家たちから学びます。その結果、春陽会展で2年連続春陽会商を受賞。春陽会会員に推挙されました。
こうして画家人生を新たにスタートさせた小林は40歳頃に渡欧し、約1年間にわたってヨーロッパのちを巡ります。そこで見た美しい自然風景に惹かれ、以後、自然の風景を終生のテーマとしています。 帰国後は春陽会を離れて活動しており、尾道を拠点にしつつ、広島の美術発展にも貢献しました。
小林和作の代表作
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「秋山」
自然を愛した小林ならではの、情緒あふれる美しい作品です。 力強く、大胆な筆致でありながらも、繊細かつ的確な色彩で見事に紅葉した木々と山々を表現しています。
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「石廊崎」
その名のとおり、伊豆半島最南端に位置する石廊崎を題材にした作品です。 ゴツゴツとした荒々しい岸壁、打ち寄せる水面の様子が躍動感あふれる大胆なタッチで描かれています。
そのほか、「春の山」「木曽御嶽の秋」などが代表作として知られています。
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