金重陶陽(かねしげ・とうよう)1896年–1967年
金重陶陽(本名:勇)は、明治期から昭和期にかけて活躍した陶芸家であり、備前焼の陶工として初めて国指定の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された人物でもあります。
当時、人気が衰退していた備前焼を再燃させた立役者であり、彼の存在がなければ現在の備前焼はなかったと言われるほどです。このことから、“備前焼中興の祖”とも呼ばれています。
また、陶芸家として自身で作品を手掛けるだけではなく、後進の育成にも励みました。多くの弟子を育て上げ、中にはのちに人間国宝に選ばれるほどの逸材も輩出しています。
まさに、備前焼の発展に大きく貢献した人物といえるでしょう。
そんな金重陶陽は生前、湯呑や酒呑、皿、茶入など、さまざまな作品を手掛けました。
いずれもぬくもりを感じさせる素朴なデザインに仕上げられており、日用品としてだけではなく、観賞用として保管するコレクターも少なくありません。
生涯を備前焼の再興と発展に捧げた陶芸家
1896年、岡山県和気郡伊部町(現在の備前市伊部)に生まれた金重陶陽。
小学校を卒業後、備前焼の窯元をしていた父・媒陽に師事し、陶芸家の道を歩み始めます。
当時の備前焼は、九谷焼をはじめとする他の焼物に押され、人気が衰退。低俗な雑器として扱われていました。
この状況を打破するべく、陶陽は室町~桃山時代の格式高い「古備前」の復元を目指します。
その結果、窯変(焼成の際に予期せぬ色の変化が起こること)が活きた芸術作品の制作に成功。備前焼の再興を成し遂げました。
以降、川喜田半泥子や荒川豊蔵、北大路魯山人など、多くの陶芸家と親交を深め、影響を受けつつ陶工活動に従事。その功績が認められ、1942年には備前焼の技術保存者に認定されています。
また、そのほかにも日本美術協会及工芸統制協会の代議員、生活用品芸術陶磁器認定委員など、名誉ある地位に就きます。
そして、1952年に備前焼で無形文化財記録保持者に認定されたのち、1956年、60歳で備前焼の重要無形文化財保持者に認定されました。
- 1896年
- 備前六姓の名門の長男として岡山県備前市伊部にて誕生
- 1910年
- 14歳で父、金重慎三郎の元で作陶を始める
- 1918年
- 彩色備前を作り始め、陶陽の号を用いる
- 1921年
- ドイツ式マッフル窯を作り、焼成について研究・工夫を始める
- 1925年
- 備前三名工として知られる
- 1930年
- 桃山時代の備前焼の土味を出すことに成功
- 1942年
- 備前焼技術保持者に認定
- 1956年
- 備前焼で重要無形文化財保持者に認定される
- 1967年
- 天皇皇后両陛下が来訪した際に備前焼を作成した後逝去
金重陶陽の代表作
-
備前酒呑「緋襷(ひだすき)」
緋襷とは、窯入れ前の器に稲や藁を巻くことで、焼き上がりに映し出される赤い帯状の模様をいいます。
本来は複数の器を重ねて焼成する際、溶着するのを防ぐために用いられる手法ですが、近年ではひとつの模様として意図的に用いられることもあります。 とはいえ、焼き上がった器の色を引き立たせる緋襷を入れるのは至難の業とされています。 この作品は、そんな緋襷が一種の奇跡といえるほどに美しく映し出された、至極の一品です。 -
「備前緋襷水指」
こちらも美しく緋襷が映し出された作品のひとつ。 絶妙なバランスで浮かび上がる鮮やかな緋色が、作品全体の華やかさを引き立てています。 また、底が径30cmと大きく作られているため、実用性にも優れた作品といえるでしょう。
そのほかにも、「備前花入」「備前酒呑」「備前角平鉢」など、多くの名作が現存しています。
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