荻須高徳(おぎす たかのり)1897年-1978年
荻須高徳は昭和に活躍した洋画家です。
主にパリで制作活動を行い、半生をパリで過ごしパリの風景を描き続けました。作風は、彩度明度の低い灰色で街並みを表現しながらも、どこか温かみがある風景を描きます。
フランスの最高勲章、レジオン・ドヌール勲章を受章。また日本では文化功労者に選出されるなどフランス・日本ともに高く評価されていました。
パリに魅せられ、パリと共に過ごした昭和を代表する日本人風景画家
荻須高徳は1901年に愛知県で生まれます。
1921年に上京し、川端画学校を経て東京藝術大学の西洋画科に入学しました。
1927年に卒業後、佐伯祐三の勧めですぐに渡仏することとなります。
荻須高徳は早熟で、渡仏後すぐの1928年にサロン・ドートンヌに初入選します。1934年にはスイスのジェネーブで初個展を開き、若くして海外の地で活躍していきます。
しかし戦争によって一時帰国を余儀なくされ、日本へ戻ることになりました。
終戦後の1948年に再び渡仏します。戦後フランスへの入国が許されたのは、日本人画家として初めてでした。
そこから生涯に渡りパリで制作を行いました。1956年にはフランスの最高勲章、レジオン・ドヌール勲章を受章。1974年にはパリ市よりメダイユ・ド・ヴェルメイユが授与され、フランスでの評価を確立します。
日本でも1972年に勲三等旭日章を、1981年には文化功労者に選出され、高く評価されていました。
荻須高徳の代表作
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「靴屋メトロ」
画面に大きく靴屋が描かれた作品です。
荻須高徳の特色である暖色で画面が構成させており、見事な赤色によって見る人を温かい気持ちに誘います。まるでパリにいるかのように錯覚させるこの作品は、荻須高徳の版画で人気の高い一枚です。
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