レオン・ピエ(Leon Pilet)1836年 – 1916年
レオン・ピエは19世紀のフランスで活躍した彫刻家です。
日本ではその名をあまり知られていませんが、当時のフランスでは著名な彫刻家のひとりでした。代表作のひとつである「Le Coup de vent」は1888年のパリ万博に出品され、高い評価を得ています。人物像を得意としており、歴史上の偉人を表現したものや、名もなき市井の人々の身に訪れる何気ない一瞬の出来事を表現する作品など、多彩な彫刻作品を手がけています。
19世紀フランスで活躍した彫刻家
1836年に誕生したレオン・ピエは若い頃から彫刻を学び、20代の半ばにして早くも由緒あるフランスの美術展覧会「サロン・ド・パリ」で作品を発表するようになります。 その作品は、歴史上の偉人の姿をかたどった肖像、古典や宗教、古代の歴史などを題材にしたものが多く見られました。衛兵たちを従えて高貴な姿をあらわすクレオパトラを表現した「Cleopatra attended by her guards」や、ギリシャ神話に登場する戦いの女神アテナの凛々しくも美しい姿を描いた「Athena」などは、多くの賛辞を得ました。
そんなレオン・ピエの作品の中でも特に有名なのは、1888年のパリ万国博覧会に出品された「Le Coup de vent」です。疾風に吹かれる女性の姿を描いたこの作品は、高い表現力によって高評価を得ます。 こうしてレオン・ピエは19世紀フランスの彫刻界における重鎮のひとりとなりました。 1916年、80歳で死去したレオン・ピエですが、サロン・ド・パリには晩年まで作品を出品し続け、存在感を発揮し続けました。
レオン・ピエの代表作
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「Le Coup de vent」
タイトルは「疾風」という意味で、強い風が吹くことを指します。そのタイトル通り、今まさに一陣の強い風に吹かれている女性の姿をかたどった作品です。風に吹かれてとっさに胸もとと裾を押さえる女性の身のこなしや、風によってはためく服の裾、強い風になびく髪などが流動感たっぷりに表現されています。 この作品は1888年のパリ万博に出品され、高い評価を得ました。現在はフランス南部の都市エクス=アン=プロヴァンスのグラネ美術館に所蔵されています。
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「Bronze de Mozart」
タイトルは、「モーツァルトのブロンズ像」です。文字通り、著名な音楽家のヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの姿を表現した作品となっています。 若きモーツァルトが楽譜に目を落とし、やわらかい表情を浮かべている様子を描いたものですが、その理知的な表情やスマートな立ち姿が印象に残ります。
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