李禹煥(リ・ウファン)1936年–
李禹煥は、日本を拠点に活動する韓国人現代アーティストです。
ソウル大学美術学校を中退後、訪日し日本大学で哲学を学びました。1960年代以降、木や石などの自然素材やガラスや鉄などの工業素材との間に意思を介入させ、素材との新しい関係性を探る「もの派」の中心人物として活躍。第52回ヴェネチア・ビエンナーレやベルギー王立美術館で作品を展示するなど、日本や韓国のみならず世界で活躍する現代アーティストとなります。
「もの派」の中心人物として日本でムーブメントを起こした現代アーティスト
李禹煥は1936年に大韓民国慶尚南道で生まれました。
幼いことから書道を学び、芸術に親しみます。大学はソウル大学校美術大学に進学しますが、中退。
その後日本へ渡り、1961年に日本大学文理学部哲学科を卒業することとなります。
1960年代後半には展覧会に出品するなど、芸術家として活動を始めます。その中で関根伸夫に出会い、2人で「もの派」と呼ばれる日本美術史におけるムーブメントを主導することとなりました。
哲学科出身からか思慮深く、「もの派」の理論形成に大きく貢献しました。著書「事物から存在へ」は1969年に美術出版社藝術評論を受賞しています。
その後も活動を続け、1977年には第13回現代日本美術展で東京国立近代美術鑑賞を、1979年に第11回東京国際版画ビエンナーレで京都国立近代美術館賞を受賞します。1991年にはフランスで藝術文芸勲章シュバリエ章を授かり、世界的に活躍する現代アーティストとなりました。
李禹煥の代表作
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「線より」
1970年代から制作され始めた平面作品、「線より」シリーズは時間表現への関心や、反復行為による時間の経過などを表した作品です。
このシリーズは「点より」シリーズとともに李禹煥の代表作と言われており、東京都現代美術館に一部所蔵されています。
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