猪熊弦一郎の代表作

• 「婦人像」

  1926年の第7回帝展で初入選作なった作品で、東京美術学校在学中に制作された油彩画です。
  この作品は後の妻となる文子をモデルに描かれました。着物姿で椅子に腰掛ける文子の背後には2名の女性が描かれた絵画が飾られており、絵画の中の女性と文子の比較が面白い構図を生み出しています。 構図や色の対比など、徹底的にこだわった猪熊の力作であり、若き猪熊の意欲が伺える作品です。

• 「華ひらく」

  1950年に三越に依頼を受け制作した、日本の百貨店初のオリジナル包装紙です。
  猪熊は千葉の犬吠埼で波に洗われる石を見て、「波にも負けずに頑固で強く」というテーマを思いつきました。白地に鮮やかな朱色で描かれた抽象的な図案は、商品を包むと花がひらいたように華やかな雰囲気を作り出します。
  このデザインは、2016年にグッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞しました。現在まで三越で使用されており、半世紀以上にわたり親しまれています。