デイヴィッド・ホックニーは、1937年にイングランドのヨークシャーで生まれました。 地元の美術学校やロンドンの王立美術学校で学び、1962年に美術学校を首席で卒業。 初個展では全ての作品が完売する、幸先の良いスタートを切ります。

1964年からロサンゼルスへ移住し、アメリカ西海岸の明るい陽光を感じさせる作品で一躍注目されます。 水面の揺らぎや光の反射を捉えたプールの光景は、ダブルポートレートと呼ばれる、ふたりの人物を描く構図はデイヴィッド・ホックニーの代名詞となりました。 フォト・コラージュ作品や舞台芸術など、絵画だけにとどまらない創作活動を続けました。

1980年代にはピカソに影響を受け、多視点構図の作風へと変化し、遠近法を用いた空間や視点の表現も取り入れます。 2010年には発売と同時に入手したiPadを駆使し、絵画の新境地を切り開きました。 絵画の可能性を広げるために、様々な表現方法を探求し続けました。

現在はフランス・ノルマンディーへ拠点を移し、80歳を過ぎてもなお創作意欲は衰えていません。 「ノルマンディーの12か月」は、新型コロナウイルスによるロックダウン期間中にタブレットを使って制作。 全長90mに及ぶ大作を手掛け、現代最高峰の画家は、飽くなき探求心で創作活動を続けています。