浜田台児(はまだたいじ)1916年–2010年
浜田台児は、主に昭和から平成にかけて活躍した日本画家です。
人物画や花鳥画を得意としており、伝統的な日本画の画風にモダニズムのエッセンスを組み込んだ絵画作品を多く描き、高評価を得ました。主に日展で活躍しているほか、海外からも高く評価されており、1970年代の後半には当時のソビエト連邦から招かれてロシアの各地を写生するなどして絵に深みを持たせました。そんな浜田台児の作品は現在においても高い価値を誇ります。
モダンな色調・構図で優れた花鳥画と人物画を描いた画家
1916年、浜田台児は鳥取県に生まれました。
少年の頃から絵画に興味を持っていた台児は1935年、当時一流の画家として知られていた伊藤深水の門下に入ります。
翌年には早くも頭角を現し、日本画会展に出品した作品が初入選。大いに注目されます。しかし、当時は戦争が激化していた頃で、台児も戦地に送られることとなります。
1937年に召集されて戦地に赴き、翌年には中国で負傷、送還されます。
そんなさなかにも絵筆を捨てることはなく画業に励み、送還された翌年には二科展に出品した水彩画が入選を果たし、あらためて存在感をアピール。以後は主に日展で活躍します。
戦後は日展において会員に列し、1963年にはヨーロッパ各地を巡って取材に励みます。 1973年、師である伊藤深水が死去したことを受け、橋本明治の門下に入り、さらに学びを深めました。 その後も日展で活躍を続け、1979年にはソ連に旅行して取材し、その成果を作品として発表。1980年には日本芸術院賞を受賞します。 また1981年からは日展理事を務め、さらに1989年には日本芸術院会員に就任。画壇の重鎮として活動を続け、回顧展を開催するなどしてその人気を不動のものとしました。
浜田台児の代表作
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浜田台児は、伊藤深水や橋本明治といったモダニズムの洗礼を受けた画家たちを師とし、彼らの影響を受けた作品を多く描きました。晴れやかな色遣いと、必ずしも見たままの物を緻密に描くわけではなく心象や抽象を織り交ぜて描くモダンな筆致に特徴があります。 原色を大胆に使って鮮烈な印象を持たせると同時に、細部は繊細なカラーリングで細やかに描写し、独特の世界観を確立しました。 そんな浜田台児の作品は、『浜田台児画集』をはじめとする画集などで見ることができます。
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