ロートレックは1864年に南仏の伯爵家に生まれました。
幼少期は大変可愛がられて過ごしましたが、弟が若くして亡くなり、それによって両親は不仲に。8歳で母親と共に家を出ることになります。13歳と14歳の時に両足の大腿骨を骨折し、それ以来脚の発育が止まり、身長も152cmで止まってしまいます。それによって父親から疎まれ、周りからの差別され、苦しい青春時代を過ごしました。

そんな中ロートレックは8歳から絵を描き始めます。画塾に通うとすぐに才能が開花。1882年にパリで活動を始めました。差別された経験から夜の遊女達に共感し、ダンスホールに頻繁に通い、彼女達を描くようになります。1891年にはダンスホールの支配人からの依頼で、ポスター「ムーラン・ルージュ、ラ・グーリ」を制作。この作品によってポスター作家として人気を博し、ポスターを初めて芸術の域まで高めた版画家として「偉大なる芸術家」と呼ばれ高く評価されました。その後ポスター以外の依頼も増え、画家としても成功を収めます。

しかしそのまま順風満帆とはいきませんでした。若くして成功を得たロートレックですが、差別によるストレスからか生活は荒れ果て、そのまま心身共に衰弱していきます。その結果1901年に脳出血で亡くなります。36歳という若さでした。