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黄賓虹（こうひんこう）1865年-1955年

黄賓虹とは、近代中国を代表する斉白石と並ぶ国画の大家と言われている近代山水画家です。

中国・安徽省歙県、清朝晩期の士大夫の家に生まれ、6歳の頃から勉強の傍ら父親から絵画・篆刻を学び、汪仲伊について経学を修めたと言われています。15歳を迎える頃に見事なまでの山水画を完成させた事で世間を驚かせたというエピソードは有名ですね。

黄賓虹は15歳で見事な山水画を完成させるほどの才能がありましたが、昔からずっと芸術の世界一本で生きていたわけではありません。

若い頃は辛亥革命を支持し積極的に活動していたそうで、後に新安中学の教師となっています。

その後も上海、北京、杭州などの美術学校で教師をする傍ら、出版社で編集としても勤務していました。

また、商務印書館の美術部主任を担当し、上海博物館の理事、故宮博物院の古物鑑定委員、国立曁南大学芸術学部教授、杭州国立芸専教授、国立北京師範学院講師などを歴任しています。

そして1949年に中国美術家協会華東分会の副主席、中央美術学院華東分院教授の席に着いています。

黄賓虹の山水画は、李流芳・程邃・程正に大きく影響され、宋・元の画法を取り入れたと言われています。
中国各地に遊歴し山河を写生していましたが、特に故郷の黄山・新安江の山水に魅了されたそうです。

その画風から海上画派に分類されることもありますが、本来は新安画派の作家です。

近代中国山水画家の代表者とし、現在に渡り確固たる地位を得ており、90歳で「中国人民優秀的画家」の称号を受賞しています。
1955年3月25日に病没し、杭州南山にある共同墓地に埋葬されています。

黄賓虹の高い功績をたたえ、杭州棲霞嶺には「黄賓虹記念館」があり、浙江省金華に黄賓虹芸術館が建設されました。