ミューラー買取

ミューラーは、フランス北部の街リュネヴィルで誕生したガラス工芸ブランドです。
男子9人、女子1人というミューラー家の10人兄弟が、1895年代に興しました。 もともとミューラー家はドイツのモーゼル地方でガラス製造業を営んでいましたが、1870～1871年の普仏戦争で故郷を離れます。その後、10人兄弟のうち5人が有名なガラス工芸家のエミール・ガレのもとで学び、三男のアンリ・ミューラーが1895年、リュネヴィルに工房を開きました。のちに兄弟たちが加わり、繊細な浮き彫り(カメオ彫り)が特徴的な優れたガラス工芸品を数多く生み出します。 特に優れたセンスと技術を持っていたのは、長男のデジレと三男のアンリ。1906年には、ヨーロッパ屈指の規模を誇るベルギーのガラス工場、ヴァンサンランベールに招かれて製品のデザインを任されています。 ミューラーは1936年にその幕を閉じますが、生み出された作品は現在も色あせない輝きを放っています。

ミューラーのガラス工芸品は、エミール・ガレの影響を色濃く受けています。
緻密な色遣いと彫り込みによって、奥行きのある仕上がりになっているのが特徴です。 特に、色ガラスの上に別のガラスをかぶせる「かぶせガラス」の技法を使い、複雑で繊細な色合いに仕上げていることがミューラーならではのポイントといえます。 また模様を彫り込む技術も特徴的で、表面に細かい浮き彫り(カメオ彫り)を施すのがミューラーならではといわれています。特に植物、昆虫などを模様に盛り込んだ作品が有名で、細かく緻密に表現しているのが特徴です。そんな技術を使って作られたミューラーの「カメオガラス」は、現在でも高い人気を誇ります。