
加藤東一(かとうとういち)1916年–1997年

加藤東一は、昭和から平成にかけて活躍した日本画家です。 身の回りの風景や伝統行事、さらにはさまざまな伝説に材をとった作品など、多彩な絵画を描いています。伝統的な手法にのっとりつつ独自の感性と色彩感覚をあらわした作品の数々は高い価値を誇ります。兄の画家・加藤栄三とともに日展で盛んに作品を発表して高い評価を受け、日展では兄とともに理事を務め、兄が亡きあとは理事長として活躍しています。
日展理事長を務めた実力派の日本画家
1916年、加藤東一は岐阜県に生まれました。
少年時代は家業の漆器商を手伝いながら画家を目指し、1940年に東京美術学校(現在の東京藝術大学美術学部)に入学。日本画を専攻します。戦時中ということもあり、1941年から3年間は徴兵されて旧日本軍に籍を置きますが、復員した翌年に再び東京美術学校に戻りました。
卒業後は日本画家の小林古径に師事して学びを深め、制作に没頭します。
そんな東一が画壇デビューを果たしたのは1947年のこと。第3回日展に出品した「白暮」が入選し、以後は主に日展に作品を発表します。1961年には、日展審査員となりました。 その後、東一は盛んに旅をして写生や制作を行っています。1960年代前半には欧米諸国をめぐり、また1960年代後半には日本列島を縦断。また兄の加藤栄三や同じく日本画家として活躍していた大山忠作といった面々とともにインドやネパールといった国々をめぐりました。
以降は順調にキャリアを積み、日展の中心人物として活躍するよういなっていきます。 1979年に日展理事、さらに1989年には理事長となりました。 また1991年には、亡き兄の栄三(1974年没)とともにその画業がたたえられ、加藤栄三・加藤東一記念美術館が故郷の岐阜県に設立されています。
こうして画壇の中心的な人物として活躍した東一ですが、どれだけ地位が高まっても絵筆を手放すことはありませんでした。最晩年には金閣寺大書院の障壁画を5年がかりで完成させ、話題を呼びました。
加藤東一の代表作
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「総がらみ」
阜県の長良川で行われる鵜飼をテーマにした作品です。鵜を乗せた舟が集まり、かがり火をたいて一斉に漁をする勇壮な風景を表現しています。川面に映るかがり火の輝き、暗闇に溶けるような川と舟、そして背景にそびえる山々の姿を繊細な筆致と幽玄な色遣いで見事に表現しています。 ちなみに、兄の栄三も同じ題材の代表作(「鵜飼(総がらみ)」)を描いています。
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「池畔にて」
おそらく季節は晩秋から冬。池のほとりにしゃがんでいると、そばの木から葉が数枚落ちて水紋を広げ、風情のある一瞬の情景が画家のまぶたの裏に焼き付いた……そんなインスピレーションの背景を感じさせる作品です。「総がらみ」とともに、この作品も加藤栄三・東一記念美術館に所蔵されています。
その他、「風神」「伝承」などが代表作として知られています。
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