
鈴木竹柏(すずきちくはく)1918年–2020年

鈴木竹柏は、昭和から平成、令和にかけて活躍した日本画家です。
風景画を得意としており、写実性の高い作品や、にじみの表現を効果的に使う「朦朧体」を活用した作品など、さまざまな色合いの作品を手がけました。心象表現を盛り込んだ繊細な筆致の作品を世に送り出しており、その作品はいずれも高い価値を誇ります。
風景に“画家の心”を吹き込んだ日本画家
1918年、鈴木竹柏は神奈川県に生まれました。
18歳で画家を志して中村岳陵に師事して腕を磨きます。岳陵は日本の伝統的な絵画を学び、写実性を重視する琳派の研究を推し進めた日本画家であり、竹柏もまた岳陵にならって緻密な写生表現を駆使した作品を数多く生み出しました。
画家デビュー後は主に日展で活躍し、1956年に出品した作品が特選に選ばれて実力派の日本画家として認められます。1962年には日展菊華賞を受賞、また1981年には日展文部大臣賞を受賞します。 その後、日展では理事長、会長、顧問を歴任するなど、日本画壇の重鎮として活躍しました。
そんな鈴木竹柏は、画業を進めるにつれて従来の写実表現から徐々に離れ、にじみを多用する「朦朧体」の表現を使った淡い色調の作品を描くようになっていきました。 特に1987年以降に顕著で、朝霧の風景や陽が赤く溶ける夕景などを描くようになっていきます。 やがて竹柏は、朦朧体を活用した作品でも高い評価を得るようになります。
こうして盛んに制作を続けた鈴木竹柏は、1991年には日本芸術院会員となり、1994年には勲三等瑞宝章を受章。また2007年には文化功労者となります。 その後、2020年に101歳で死去。生涯現役であり、精力的に作品を制作し、発表を続けました。
鈴木竹柏の代表作
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「茜」
茜色に染まった空の下、のどかでありながらもどこか物寂しい雰囲気のある田舎の風景を描いています。 山々や木々、田園は淡くにじんだ描線で描かれており、のびのびとした茜色の空と対比して影に沈んだような趣があります。懐かしくどこか哀しいムードのあるセンチメンタルな作品です。
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「黄雲」
2019年に描かれた最晩年の作品であり、黄金色の空に溶けるような山々の風景が描かれています。 鈴木竹柏が後半生に至ってこだわった「朦朧体」のタッチがきわめられた作品であり、竹柏の豊かな世界観が表現された傑作といえます。
その他、「朝の東大寺」などが代表作として知られています。
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