
後藤純男(ごとうすみお)1930年–2016年

後藤純男は昭和から平成にかけて活躍した日本画家です。
僧侶となるべくして教育を受けたものの、画家を志して日本画家になったという異色の経歴を持っています。風景画を得意とし、特に寺院や聖地を題材にした作品に定評があります。端正な筆致で描かれた作品の数々は、高い価値を誇っています。
またダンディな風貌で知られ、1981年にはいぶし銀の俳優や各種の文化人が出演した「ネスカフェゴールドブレンド」のテレビCMに抜擢されてお茶の間にその存在を知らしめました。
お坊さんから絵描きに転向した異色の日本画家
1930年、後藤純男は現在の千葉県野田市に生まれました。
父は真言宗の住職で、純男もまた僧侶の道を歩むことを期待されましたが、画家を志します。
1946年、旧制中学に通いつつ日本画家の山本丘人に学び始めたときから、本格的な画家修業をスタート。その後、同じく日本画家の田中青坪に学ぶなどして見識を深めます。
青坪の特徴であるモダンな作風は、その後の純男の絵画に大きな影響を与えました。
青年時代には教師として働き始めますが、1952年に院展に出品した作品が入選を果たし、以後は教師を辞めて画家に専念することになりました。
画家として最初に取り組み始めたのは、1955年から約8年をかけて行ったスケッチ旅行をもとに作品を制作すること。旅先は関西・四国各地であり、各地の真言宗の寺院をめぐりました。 また、旅に出つつ院展には積極的に作品を発表し、1965年と1969年には作品が日本美術院賞・大観賞を獲得します。また1974年には、院展での活躍が認められて日本美術院同人となります。
1988年には東京藝術大学の教授に就任。1997年に退官するまで多くの若い画家を育てました。 また藝大教授を退官した同じ年に、後藤純男美術館を設立(北海道上富良野町)。 晩年には旭日小綬章を受章したり、東京藝術大学名誉教授となったりと栄誉を受け、逝去するまで現代日本画の第一人者として存在感を放ち続けました。
後藤純男の代表作
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「春映法隆寺」
タイトルにある通り、春の法隆寺を描いた作品です。
年輪を重ねた法隆寺の建物は独特のくすみをミックスした色遣いで表現されており、その一方で青々と茂る末、可憐で清らかな花をつけた桜はみずみずしいタッチで描かれ、絶妙なハーモニーを奏でています。 現在は、愛知県美術館に所蔵されています。 -
「那智」
後藤純男美術館に所蔵されている作品で、和歌山県の那智勝浦町にある那智大滝を描いた作品です。 緑深い那智原生林の奥に、切り立った峻険な崖、はるか上空から流れ落ちる美しい滝があります。 古来、信仰の対象として崇められてきた滝であり、純男は岩肌の彩色に菌を使うなどしてその神々しい姿を格調高く表現しています。 2019年には首相官邸に貸し出され、エントランスホールに展示されたことでも話題を呼びました。
その他、「鹿苑寺庭園」などが代表作として知られています。
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