
郷倉和子(ごうくらかずこ)1914年–2016年

郷倉和子は、昭和から平成にかけて活躍した日本画家です。
花鳥画や風景画を得意とした画家ですが、対象を写実的に描く作風から、徐々に“半具象的”といわれる象徴性を増した作風へと変化。豊かな色彩感覚も特徴であり、新たな日本画の創出に寄与した画家として高い評価を受けています。
独自の世界観を確立した現代日本画を代表する女性画家
1914年、郷倉和子は東京都で生まれました。
父・郷倉千靭が日本画家だったこともあって少女時代から絵画に親しみ、女子美術専門学校に入学。1935年に卒業した後は安田靭彦に師事して日本画の修行に励みます。
修行の成果は、安田靭彦の門下に加わった翌年に早くも現れました。 その年に開催された院展で、作品が入選を果たします。 以降は主に院展を舞台に活躍し、淡い色彩表現と端正で緻密な描写から成り立つ伝統的な日本画の秀作を数多く世に送り出していくことになります。
しかし戦争の時代を経て1950年代に入ると、伝統の一歩先を行く新たな表現を模索し始めるようになります。海外のマティスやピカソといった画家たちに憧れ、象徴性を重視した半具象的な世界観を模索。1950年代の半ばにその模索は成功へと近づき、1957年に代表作のひとつ「真昼」が完成します。 この作品で、郷倉和子は日本美術院賞・大観賞をダブル受賞。 さらに、その2年後には「花苑」で再び日本美術院賞・大観賞を獲得します。
以降は、半具象的でシンプルな様式美を表現する端正な仕上がりの作品を手がけるようになり、「閑庭」をはじめとする代表作を次々に発表します。 その画業は高く評価されており、2016年に死去した際には旭日重光章が贈られました。
郷倉和子の代表作
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「真昼」
花々が咲き乱れる真昼の情景を描いた作品です。 赤と黄を基調とした華やかで明るい世界を濃く表現しているのが特徴ですが、その中心部には清明な輝くばかりの白い花が置かれ、涼やかな雰囲気を醸し出しています。 筆致は繊細ですが写実性よりも抽象性・象徴性が重視された“半具象的”な世界が確立されているのが特徴で、この作品をもって郷倉和子の画風が完成したと考えられています。
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「閑庭」
京都の光悦寺の情景を描いた作品です。寺の塀を背景に、緑の芝と竹の垣根、そのそばに可憐な花をつけた萩が配されており、シンプルで静謐な世界観が表現されています。郷倉和子はこの作品において、人工物(塀・垣根)と自然の事物(萩)を調和させることを試みたといわれています。
その他、「八仙花」「花苑」などが代表作として知られています。
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