
王蒙(おうもう)1308年–1385年

王蒙は、元朝後期から明朝初期にかけて活躍した中国の画家です。
山水画を得意とし、南宋時代から続く「南宋画」を完成させたとして高い評価を得ています。さまざまなテクニックを駆使して風景を緻密に再現しつつ、独自の幽玄な雰囲気に仕上げているのが特徴です。
そんな王蒙の作品はいずれも高い価値を持ち、2011年には中国で約4億250元(日本円にして約63億円)という破格の落札額を記録したとされています。
しかし一方、実生活では政治闘争に巻き込まれて獄死するという非業の最期を遂げた人物でもあります。その激動の生涯もまた、作品とともに人々の興味をかき立てています。
壮大なスケールの山水画を得意とした悲劇の画家
王蒙は1308年、現在の中国浙江省生まれ。
父方の祖父や母方の祖母、また叔父や従弟といった近親者が画家として活躍する“芸術一家”に生まれました。
また、父の王国器は画家でこそなかったものの、当時の著名な芸術家たちと交流を持つ文化人でした。
そのような家庭環境に生まれ育ったこともあり、王蒙の進路は自ずから芸術方面に定まります。
祖父の絵画に大きな影響を受けましたが、元朝中国を代表する大家・黄公望に学んだことが、王蒙の個性を決定づけたといわれています。公望は緻密な筆遣いで山水風景を表現する南宋画の大家ですが、王蒙はその作品に大いに刺激されて作風を取り入れました。 そのほか、唐や宋の時代の画家たち(王維、巨然など)の作風も取り入れ、ダイナミックであり同時に繊細な独自の画風を生み出します。
こうして画家として大成した王蒙は、元朝が滅んで明の時代になってからは官吏としても出世し、州知事にまで昇りつめます。 しかし1380年代に入ってすぐ、悲劇が訪れました。 皇帝暗殺を企んだ一派に名を連ねていた嫌疑をかけられ、ほかの官吏とともに投獄されます。 1385年、王蒙は失意のまま獄死するという悲劇的な最期を遂げました。
王蒙の代表作
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「夏山高隠図」
重厚感たっぷりに描かれた山の峰々に抱かれ、細い滝が静かに流れるさまを描いた1作です。 迫力に満ちた山峰の姿を背景に、木々に茂る葉の色づきが緻密に表現され、滝の流れがみずみずしく、涼やかに表現されています。
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「葛稚川移居图」
道教の伝説を題材にとった作品です。色彩鮮やかな山あいの風景と、川沿いの道をゆく人々の姿が緻密に描き込まれています。木々を覆う葉は紅や青に染まったファンタジックな仕上がりになっています。
その他、「青卞隐居图」などが代表作として知られています。
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